9月1日にサムスンが発表した折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold2」が各国で順次発売になっています。一方ファーウェイは今年2月に「Mate Xs」を発表しましたが、その後継となる折りたたみスマートフォンはアメリカの経済制裁の影響を受け、いつ頃出てくるかわからない状況になっています。

閉じるとスマートフォン、開けばタブレットになる横開きスタイルの折りたたみスマートフォンはしばらくサムスンが市場をけん引していくと思いきや、新たなメーカーから折りたたみスマートフォンが出てきました。Royoleの「FlexPai 2」です。

  • 大手メーカー以外から出てきた折りたたみスマートフォン「FlexPai 2」

実はRoyoleはサムスンより先に、世界初の折りたたみスマートフォンを出したメーカーです。しかし2018年11月に発表した「FlexPai」はディスプレイを折りたたむというよりも「曲げる」程度のものでしかなく、ヒンジ部分をぴたりと閉じることはできませんでした。しかし今回発表されたFlexPai 2はディスプレイを半分に折りたたみ、閉じた状態で違和感なくスマートフォンとして使えるようになったのです。

  • 閉じた状態も違和感の無いFlexPai 2

Royoleは薄型ディスプレイを開発する新興企業で、自社開発した「薄くて曲げられる」ディスプレイの応用として折りたたみスマートフォンも開発しています。世の中にまだ折りたたみスマートフォンの数が少ないのは曲げられるディスプレイの開発が難しいからです。Royoleはまだ数社しか商用化に成功していない折り畳めるディスプレイを開発した数少ない企業なのです。

FlexPai 2は開くと7.8インチ、アスペクト非4:3のディスプレイを持つタブレットとなります。電子書籍を読んだり映画を見たり、商談の際にプレゼンテーションを見せたりとポケットに入るタブレットは便利な存在です。またカメラは6,400万画素を含む4つを搭載していますし、チップセットはクアルコムの上位モデル「Snapdragon 865」を採用します。スマートフォンとしてもかなり高性能です。

  • 7.8インチのタブレットとして使える。カメラは4つ備えている

本体は金属素材を採用、ヒンジ部分も金属パーツを組み合わせたしっかりした作りになっています。価格はRAM8GB+ROM256GBの最小構成で9,988元、約15万5,000円です。サムスンやファーウェイの同じスタイルの折りたたみスマートフォンが20万円以上の値段をつけていることを考えると、この価格は安いと感じられます。折りたたみディスプレイも複数のメーカーが競争しあうことで、価格がだんだんと引き下がっていくのでしょう。

  • 高級感ある金属ボディー、価格は約15万円から

FlexPai 2は大きいディスプレイを有効活用する機能も持っています。最大3つのアプリを同時に起動して表示することができるのです。動画を見ながらSNSもチェック、なんてことも手軽にできるわけです。アプリの分割表示はサムスンもファーウェイも折りたたみスマートフォンで採用しています。また2つのディスプレイを開閉して使えるLGの「V60 ThinQ」やマイクロソフトの「Surface Duo」も左右別々のアプリを使うことができます。スマートフォンの使い方もこれからはPCのように複数アプリの同時利用が当たり前になり、そのために折りたたみスマートフォンを買う人が少しずつ増えていくかもしれません。

  • 最大3つのアプリを同時利用できる

大画面を生かすアプリとしては、カメラで写真撮影時に複数の構図を表示して好みのものを選ぶ、といった機能もあります。折りたたみスマートフォンはまだ市場に出てきて1年半程度しかたっていない新しい製品です。製品の数が増えてくれば新しい使い方やアプリもこれから次々と出てくるでしょう。

  • セルフィー時の構図も一覧表示されるので選びやすい

ディスプレイを折りたためるFlexPai 2は「スマートフォンスタイル」、逆Vの時に開いて机の上に置いてディスプレイを見る「テーブルスタイル」そして開いて大画面となる「タブレットスタイル」の3つの形で使えます。つまり3つのデバイスを1台で兼用するのもできるわけです。スマートフォンを持っているけどタブレットも欲しい、なんて思う人なら2台を1台で済ませることのできる折りたたみスマートフォンを買うのもよさそうです。

  • 3つのスタイルを1台で兼用できる

ディスプレイの耐久性は100万回以上のテストをクリアしているので「曲げ」に対しての心配はなさそう。とはいえディスプレイ表面の強度は気になるところです。FlexPai 2はまずは中国で発売されます。5Gにも対応したハイエンドスマートフォンなので、意外と人気製品になるかもしれません。どの程度実用性や耐久性があるのか、中国からのユーザーレビューを楽しみに待ちたいものです。