本連載の第1回で取り上げたのが「列車の中で電源を確保する話」だった。それから2年近くが経過して、その間にさまざまな新型車両が登場した。そうした新型車両の多くは、程度の差はあれ、座席に電源コンセントを備えるようになってきている。

そこで、第1回で取り上げた情報が古くなってきていることもあるので、あらためて最新情報をまとめてみた次第だ。できるだけ念を入れて調べたつもりだが、もしも欠落があれば御教示いただけると幸いである。

なお、ここで挙げたもの以外では、夜行列車の個室寝台で電源コンセントを設けているケースがあるのだが、種類が多すぎるので割愛した。また、清掃などに使用する業務用コンセントと洗面所のコンセントも対象外としている。あくまで、昼行列車で客室の座席に「PC・携帯電話用」として設けたものだけを対象とした。

コンセント付きは2000年以降の新型車両に限られる

筆者の記憶が確かならば、「PC・携帯電話用」として座席に電源コンセントを初めて備え付けたのは、JR西日本の「ひかりレールスター」で使用している700系7000番台だったはずだ。営業運転開始は2000年3月である。

だから、座席に「PC・携帯電話用」のコンセントを設けた車両は、基本的には「ひかりレールスター」より後に登場した新型車両に限られると考えてよい。わざわざ既存の車両に改造で後付けしようとすると、AC100Vを発生させる電源機器や、それを個々の座席まで引っ張る配線、そして電源コンセントの追加といった課題が生じるからだ。

また、その後に登場したすべての新型車両が電源コンセントを設けているわけではなく、各社のスタンスの違いから、設置内容や導入の度合にはバラツキがある。たとえば、JR東日本の新幹線電車で導入が始まった時期は、JR西日本やJR東海と比べると遅い。

コンセントの配置は、いくつかのパターンに収斂してきている。一般的には、普通車は窓側と客室前後端、あるいは客室前後端のみとして、グリーン車は差別化のために全席に設けるケースが多いようだ。ただし、普通車でも窓側の全席、あるいは通路側も含めた全席にコンセントを設ける例もある。そこで、今回は配置パターンごとにリストをまとめてみた。

なお、特に普通車では電源コンセントの設置位置が低い(床面に近い)ことが多いので、長めの電源ケーブルを用意しておく方が良いだろう。ケーブルの長さや構成によっては、電源アダプタが宙ぶらりんになる可能性があるからだ。

現時点で最も乗車チャンスが多い「電源付き車両」と言えば、東海道・山陽新幹線のN700系だろう。写真は普通車の車端席で、窓側以外の席でも電源があり、さらに大型テーブル付きだ

一部の座席にのみ設置

確認できたのは、「[JR北海道/スーパーおおぞら]283系グリーン車の1列側のみ」の一例だけだが、珍しく、電源コンセントを後付けした車両がある。配置場所に限りがあるのは、コンセントを設置すると、そこまで AC100V の配線を引っ張る必要があるので、後付けする車両では通路側の座席までコンセントを設けるのは難しいからだろう。

客室前後端の席に設置

JR西日本に多いパターンである。

  • [JR東海/のぞみ、ひかり、こだま]700系0番台(C25~C60編成のみ)
  • [JR西日本/のぞみ、ひかり、こだま]700系3000番台
  • [JR西日本/ひかりレールスター、こだま]700系7000番台
  • [JR西日本/しらさぎ]683系2000番台
  • [JR西日本/サンダーバード]683系4000番台普通車
  • [JR西日本/こうのとり、まいづる、きのさき、くろしお]287系普通車
  • [JR西日本/はまかぜ]189系
  • [JR四国/しおかぜ、いしづち]8000系普通車指定席の一部
  • [JR九州/九州新幹線]800系

ちなみに、山陽新幹線と九州新幹線の直通運転開始に伴い、「ひかりレールスター」の大半は「さくら」「みずほ」に建て替えられてN700系に交代した。そこで余った700系は山陽新幹線の「こだま」に転用しているが、時刻表では「グリーン車なしの8両編成で、"500系" という表記がないもの」が該当する。同じ普通車のみ8両編成でも、500系の「こだま」に電源コンセントはない。

窓側全席に設置

このリストには、窓側に2口をまとめたものも含んでいる。

  • [JR北海道/スーパー白鳥]789系0番台普通車(1号車のみ)
  • [JR北海道/スーパー宗谷]261系0番台グリーン車
  • [JR北海道/スーパーとかち]261系1000番台グリーン車
  • [JR西日本/ひかりレールスター、こだま]700系7000番台普通車個室(8号車)
  • [JR九州/ソニック]883系(1号車)

窓側全席 + 客室前後端の席に設置

N700系以来、これが普通車のスタンダードになるかもしれないと思わせる配置である。

  • [JR東日本/はやて、やまびこ、なすの]E2系1000番台普通車(J70~J75編成)
  • [JR東日本/つばさ]E3系2000番台普通車
  • [JR東日本/はやぶさ、はやて、なすの]E5系普通車
  • [JR東海/のぞみ、ひかり、こだま]N700系0番台普通車
  • [JR西日本/さくら、みずほ、つばめ、こだま]N700系7000番台普通車
  • [JR九州/さくら、みずほ、つばめ、こだま]N700系8000番台普通車

E2系は最終増備グループにのみ電源コンセントがあり、それ以前のグループと共通運用を組んでいる。そのため、「はやて」「やまびこ」「なすの」のいずれも、電源付きの車両が来るかどうかは運次第である。

全席に設置

さすがに、普通車まで含めて全席に電源付きの車両は限られる。グリーン車などの上級クラスが中心だ。

ただ、通路側の席にも電源コンセントを設けている場合、コンセントの設置位置によっては窓側の席に座っている人が出入りする度にケーブルを抜かなければならない可能性がある点が気になるところだ。785系1000番台uシートのように背ズリの背面、あるいは京成AE形のように脚台にコンセントを設けていると、窓側席からの出入りを塞ぐ干渉問題は発生しにくいのだが(といっても、テーブルを畳んでPCをどける作業は必要である)。

  • [JR北海道/スーパーカムイ]785系1000番台uシート
  • [JR北海道/スーパー白鳥]789系0番台グリーン車
  • [JR北海道/スーパーカムイ]789系1000番台uシート
  • [JR東日本/はやて、やまびこ、なすの]E2系1000番台グリーン車(J70~J75編成)
  • [JR東日本/つばさ]E3系2000番台グリーン車
  • [JR東日本/はやぶさ、はやて、なすの]E5系グリーン車、グランクラス
  • [JR東日本/成田エクスプレス]E259系
  • [JR東日本/スーパーひたち、フレッシュひたち]E657系
  • [JR東海/のぞみ、ひかり、こだま]N700系0番台グリーン車
  • [JR西日本/さくら、みずほ、つばめ、こだま]N700系7000番台グリーン車
  • [JR九州/さくら、みずほ、つばめ、こだま]N700系8000番台グリーン車
  • [JR西日本/こうのとり、まいづる、きのさき、くろしお]287系グリーン車
  • [JR西日本/サンダーバード]683系4000番台グリーン車
  • [JR九州/かもめ、ソニック]885系普通車(2号車のみ)
  • [京成/スカイライナー]AE形
  • [近鉄]22600系Ace

グリーン車は座席の前後間隔が広いので、全席に電源コンセントを設置する場合、肘掛けに取り付けるケースが多い。しかし、電源ケーブルが出入りを阻害する可能性に注意する必要がある(写真はE5系グリーン車)