元国税職員さんきゅう倉田です。好きなお金の使い方は「友人のために使う」です。

金融教育に関する施策が加速度的に進んでいます。今までは全然行われておらず、在野のぼくらが個人で頑張っていました。今年になって、高校生の家庭科の授業の金融の項目が手厚くなり、各自治体も積極的に催しを行っているようです。

企業などから社員向けのセミナーを依頼されることもあります。金融教育は大人も大事だけれど、子供にも行わなければいけません。しかし、どのように行えばいいのか。

今回は、その指針となる金融庁作成の金融リテラシーマップの内容を紹介します。家庭や学校がお子さんに指導する際に活用していただければ幸いです。

何のために金融リテラシーを身につける必要があるのか
「国民一人ひとりが、より自立的で安心かつ豊かな生活を実現するため」
金融経済教育推進会議『金融リテラシー・マップ』より

金融リテラシー・マップでは小学生、中学生、……、社会人、高齢者に階級を分けて、分野ごとに身につけるべき考え方やスキルを示しています。

貯金が上手にできないな、投資をしたことがないな、社会に出たらお金のトラブルに遭いそうで不安だな、そんな方は「小学生」の部分を読むとよいと思います。大人にも十分通じる、お金の考え方の基礎が記載されています。大人が子供に教える際も、同様です。

金融リテラシー・マップ内の主な分類

(1)家計管理

必要なものと欲しいものを区別し、計画を立てて買い物ができる

(2)生活設計

働くことを通してお金を得ること、および、将来を考えお金を計画的に使うことの大切さを理解し、貯蓄する態度を身につける

(3)金融知識、経済事情の理解

リスクとリターンとの関係について理解する 分散投資、長期投資のメリットを理解している
金融商品の流動性・安全性・収益性を理解する
困った時にはすぐに身近な人に相談する態度を身に付ける
分割払いやリボルビング払いには手数料が生じる点に留意する
複利、割引現在価値などお金の価値と時間との関係について理解する
景気の動向、金利の動き、インフレ・デフレなどの影響について理解する
さまざまな販売・勧誘行為に適用される法令や制度を理解し、慎重な契約締結などを行う

金融知識や経済事情の項目はやや基礎を理解した上で習得すべきものなので、今回は家計管理と生活設計の項目で示された身につけるべきスキルを紹介します。

ほとんどが、小学生、一部が中学生のために書かれていますが、大人が読んでも読み応えがあります。

上手な家計管理を身に付けよう

・暮らしを通じてお金の様々な働きを理解する
・こづかい帳をつけることなどを通じて、お金を管理する
・ものには価値があることを知り、ものを大切に使う習慣を身に付ける
・買い物に当たって、必要なものと欲しいものを区別することができる
・お金の使い方について自分なりの考え方をもち、意思決定する態度を身に付ける
・欲しいものをすべて手に入れることはできないことを知り、手に入らない場合に我慢できるようになり、予算の範囲内でものを買うことができる

基礎的な思考を身につけて生活設計をしよう

・働く人々の素晴らしさに気付く
・お店の人の工夫や努力に気付く
・ニートやフリーターについて考える
・友だちと協力して活動しようとする
・家の手伝いをすることで役立つ喜びを知る
・労働と賃金ややりがいとの関係について理解する
・家の手伝いや係活動を通じて自分の役割を考える
・働くことの大切さと金銭を得ることの苦労が分かる
・働くことを通して社会に役立っていることを理解する
・働き方によって生涯所得に大きな差が生じることを理解する
・将来何に使うかを考え、計画的に貯蓄する態度を身に付ける
・自分の長所・短所を見つけ、将来就きたい職業について考えてみる
・栽培したものや製作したものを販売する活動などを通して、仕事 について考える
・産業に従事する人々は、工夫や努力をしてよりよい製品を生み出していることを理解する

皆さんは基礎的な金融リテラシーが身についていましたか。会社の研修などでグループに分かれて話し合うなどすると、さらに理解が深まります。

また、学校であれば、児童や生徒に主体的に考えさせ、思考力を養うと良いと思います。ご依頼いただければ、ぼくもご協力します。

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