元国税職員さんきゅう倉田です。座右の銘は「預貯金」です。

ファイナンシャルプランナーとして、お金に関するアンケートを採ることがあります。ぼくがたくさんのお金持ちと貧しい若者を見て作ったアンケートです。

アンケートの結果で、その人がお金の貯まりやすい人なのかわかります。お金持ちと思考や行動が同じなら、その人は貯金に向いている人である、と考えています。

先日あった元芸人の友人(以下、甲と乙)にアンケートに答えてもらったので、その回答とともにアンケートの一部を紹介します。

【1】Suicaにいくらずつチャージするか

甲:1万円
乙:1,000円

みなさんは、SuicaやPASMOの中に、一度でいくらチャージしますか。交通機関以外のコンビニや商業施設で使えるようになり、使用頻度は高いはず。以前より、チャージの頻度も多くなっていませんか。

2万円までしかチャージできないので、甲の1万円は最高額です。券売機でチャージするという無駄な時間を可能な限り減らしたいという甲の考え方が伝わってきます。一方、乙は1,000円。「そんなに使わないから」、そう言っていました。

甲が正しいと思います。時間はお金で買える、交換できるということを理解して、不要な時間を排除していく人はお金が貯まります。1,000円ずつチャージしている人は、そこにどのようなメリットがあるのか考えてみてください。合理的な理由がありますか。もしなければ、1万円ずつのチャージに変更しませんか。さらに可能なら、オートチャージにしましょう。

【2】パチンコ屋に並ぶか

甲:並ばない
乙:並ばない

ぼくはパチンコをやりませんが、パチンコ好きな先輩方が朝から並んでいるのを見たことがあります。もちろん、お金持ちはパチンコ屋に並びません。パチンコが好きであろうパチンコ屋の社長もパチンコ屋には並ばないと思います。

先日、半額セールを行ったかっぱ寿司が1,200分待ちになったそうです。安さ、つまり、お金を求めて多くの時間を無駄にする人のところに、お金はやってきません。

【3】値段の安い遠くのスーパーと、普通の値段の近くのスーパーどちらに行くか

甲:高校生のころはチャリで遠くまで行っていたけど、今は近くで買う
乙:食料品の相場がわからないから、近くの店に行く

時間をかけて、遠くのスーパーに買い物に行く人は少なくないと思います。自分の時間をお金と交換できない、例えば、子供や家事手伝いの人ならそれでもよいけれど、働いている大人はどうでしょう。時間を節約して、労働時間を増やした方が合理的ではありませんか。あなたの時間の価値がどのくらいなのか計算してみましょう。

【4】パン屋のスタンプカードや食事の割引券を財布に入れているか

甲:入れていない。それがあることで、必要ないのに買ってしまう
乙:入れていない。スタンプ10個で1万円引きなら入れるけど

ふたりとも素晴らしい回答でした。行動するときに都度考える必要はありませんが、振り返って行動の理由を分析できるのはとてもよいことです。ぼくは、財布に現金やカード以外のものを入れるのは、悪手だと考えています。お金のない人ほど、期限切れの割引券や滅多に行かない店のポイントカードを入れていると感じます。

たまに見るお金持ちの財布の中はとてもシンプルです。ほとんどが1万円札で、あとは他の札と小銭とカード数枚で構成されています。支払いのときに、財布の中を見られることを意識して整えられています。

みなさんも、見られる部分は綺麗に整えませんか。どこまで見られるか想像する力が重要だと思います。

【5】怒ることがあるか

甲:怒らない
乙:怒らない

お金持ちは怒りません。怒っていても、感情を露わにしない。子供のころ、『こち亀』に「金持ち喧嘩せず」と発言する金持ちが出てきたことを覚えています。その意味が大人になってわかりました。怒らない、争わない、でも根に持つ、それがお金持ちだと思います。寛容だから怒らない人もいるでしょうが、人前で怒ることがみっともないとわかっているからだと思います。

お金持ちも仕事のときはきっと怒るでしょう。家具屋を買収した会社の社長が、ライバルの家具屋が好調なのにもかかわらず、自社が低調だったため、髪の毛が天を衝くくらい怒ったと最近聞きました。

乙はアンケートの前に「不思議とお金がどんどんなくなる」と言っていました。これは、収入と支出を把握していないから起こることです。お金持ちが自分の支出を記録しているかと聞かれれば、おそらくしていない、と答えます。しかし、お金を貯めようと考えたら、日々の記録は必須です。ぼくも支払いのたびに、マネーツリーに入力しています。

お金持ちの習慣から、合理的な思考と行動を学び、自らの貯金に役立ててみてください。

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