元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな所得は「給与所得」です。

5月になりました。新社会人のみなさんの中には、もう研修を終えて現場に配属されてた方もいるんでしょうか。始めはお客様扱いでも、暫くすれば、組織の一員として応対されます。ミスをすれば怒られるし、ミスをしなくとも仕事が遅ければ怒られるし、不合理な理由で怒られることもあるでしょう。

ぼくはアルバイトのときも公務員であったときも、芸人になってからも、後輩や同僚、取引先に怒ったことがありません。腹の立つことがそんなにありませんが、あったとしても怒らない。怒っていいことがほとんどないからです。

怒る上司を見た部下や後輩は何を思うか

仕事で税務調査をしていたとき、統括官という課長クラスの人たちが、若手に怒っているのをよく見ていました。

そのときは、怒ることに理由があるのだろうと思っていましたが、今は「どうして、あんなに怒ったのだろう。怒って良いことなど何もないのに。どうして、あんなに怒ったのだろう。他人の前で怒りを顕にするなんてみっともないのに。どうして、あんなに怒ったのだろう。自分がミスをしたとき怒られるかもしれないのに」と思っています。

当時のぼくの上司はよく怒る人でした。怒られるのは構いませんが、信頼関係を築くことは難しい。

ある日、税務調査を終えてた後の税務上の取扱いで、意見が分かれました。

税務調査が行われて申告の内容に誤りがあると、納税者から修正申告書を提出してもらうか、行政側で税額を決定する処理をします。

今回の調査では、税法上、修正申告はできない旨を上司に伝えると、「できるからやれ」と言います。根拠を伝えても聞く耳を持ちません。調査1年目の若手の知識など間違っているに決まっていると思っているのでしょう。

説得を諦め、上司の言う通りに書類を作り、関係部署に回しました。しかし、5分ほどで書類は戻ってきてしまいました。上司にその話をすると、自分で理由を確認しに行き、「できないってさ」と言って書類を放りました。

このとき、上司が謝らなかったことをぼくは一生忘れないと思います。立場が上位でも間違っていれば必ず頭を下げる。そうしなければ、それまで培った信頼関係は枯れてしまいます。

そのような関係で良い仕事はできないし、綻びが大きなミスに繋がります。日常的に怒髪で天を衝いている人間ならば、自分にも厳しくあってほしい。部下に謝罪をしたくないのなら、自分も怒らないほうがいいと強く思います。

ぼくは仕事でミスがあって迷惑を被っても決して怒らず、「大丈夫ですよ~」と言うようにしています。

怒らなくなると、相手のミスを喜ぶようになる

いつしか、取引先や仲間がミスをすると、ラッキーと思うようになりました。 ミスは誰にでもあるので、ぼくもいつかミスをするかもしれません。相手が先にミスをしていれば、自分がミスをしても怒られないし、簡単に赦してもらえる。だから、相手のミスを喜ぶようになりました。

1年に2回くらいは周りの人が大きなミスをします。近々だと、現場に言ったら仕事が中止になっていて誰もいなかったとか、音声トラブルで後日再撮影になったとか。そのようなミスがありましたが、腹も立たないし注意もしません。

ミスをした方もわかっているので、ひたすらに謝ってきます。だから、「大丈夫ですよ~。ミスは誰にでもありますよね~」と声をかけます。

きっと、ミスをしたら怒る人もいるのでしょう。寛容さを見せると、とても感謝してくれて、次のお仕事でギャラを増やしてくれることがあります。怒ったら、不快に思ってギャラを上げてくれることなどありません。

赦した分は、きっと何かの形で返ってきます。

怒るのは余裕のなさの現れです。信頼を侮辱された場合は怒ってもいいと思いますが、自分より立場が下の人のミスを叱責するなんて愚の骨頂です。

新社会人のみなさんは、上司に怒られても気にする必要はありません。怒るほうが悪い。怒らない方法でみなさんを導いてくれる人に敬意を払い、真似すると良いと思います。

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