元国税職員 さんきゅう倉田です。
好きな原価償却の方法は「定率法」です。

世の中には、何をやっているのかよくわからない職業がいくつかあります。ぼくには税理士の知人が数多いますが、税理士さんたちは門外漢から「税理士さんは何する仕事? 」と聞かれるそうです。税のことがよくわらないから、税理士さんのお仕事もよくわからないんですね。

そんな税理士さん以上に何をやっているのか分からないのが、「コンサルタント」です。

定義が広いこともその要因ですが、身近にいないから業務内容を聞く機会がほとんどない。「経営コンサルタント」などと言われれば、怪しいことこの上ない。

人はよく分からないものに恐れを感じるものです。ただ、無知を理由に怖がるなんて、原始的で非現代的でみっともない行為だと思いませんか。今回は、「コンサルタント」のお仕事の一部を紹介します。

コンサルタントの人たちは高給取り

マイナビエージェントによると業種別の平均年収は、

1位 監査法人 702万円
2位 コンサルティングファーム・シンクタンク 635万円
3位 医薬品 565万円
4位 証券 535万円

となっています。

1位、2位、4位はサイト内のカテゴリが「金融・コンサルタント」と共通しており、類似の業界といえます。

ぼくは民間給与実態調査を年に何度か見ますが、日本にいる労働者の平均年収は400万円台で、大卒以上に絞ると700万円超だったと記憶しています。それを踏まえると、実際には上記の平均より高くなると考えてよいと思います。

標本の抽出方法によって、年収が大きく変わることもあるでしょう。兎にも角にも、コンサルティングの人は証券会社の人より高い給与をもらっていそうです。ぼくの小学校の同級生が、20代後半で在籍していた某IT系の会社の証券部門で年俸1,500万円ほどもらっていたときに言っていました。

「俺は英語が話せないから低いけど、英語が話せる他の日本人や外国人はもっともらってるぞ」

ランキングを信じるとすれば、コンサルタントの人たちはもっともらっているのかもしれません。

コンサルタントのお仕事とは

コンサルタントと言ってもさまざまな業務がありますが、前述の同級生は現在、投資会社でコンサルタントと一緒に仕事をしています。

彼の会社は投資会社なので、株式を公開していない会社を探してきて、その会社に投資をします。投資をすると言っても、市場で株が買えるわけではないので、社長や大株主を説得して直接購入します。そして、利益を増大させて数年後に売却、自社の利益としています。

その投資先の利益を増やす過程で、自社のコンサルタントが投資先にさまざまな提案をするそうです。たくさん調べて数字を出し、分析し、美しいプレゼン資料を作り、経営上の課題を解決するために戦略策定や助言をします。ぼくの友人はそこに同席し、いつも思います。

「適当なこと言ってるな、こいつ」

一応、それっぽいことが言えているから、よく分かっていない人に対するプレゼンとしては十分だけれど、机上の空論甚だしいことを恥ずかしげもなく言う同僚が哀れに思えるそうです。

そんな同業者から見るとくだらない内容でも、コンサルタント業務を依頼してくる会社はたくさんあって、例えば月に200万×6カ月とかいった金額をよくわからない役務の提供に支払うそうです。もちろん、とても優秀でとても素晴らしいコンサルティングをする人はたくさんいると思います。そうでなかったら、損失を被った人が方々で言うでしょう。

たまたま彼の周りに適切な助言をできるコンサルタントがいなかったか、彼自身も正しいコンサルティングがわかっていない可能性もあります。それくらいつかみどころのない業界なのかもしれません。

それでも、会社を経営していて、資金もそれなりにあるけれど、今後どうしたらいいかわからないという経営者は一定数いて、彼らがいる限りコンサルタントの仕事はなくならないと言います。

もし、みなさんの周りにコンサルタントがいたら、どのような業務を行っていて、具体的にどのような助言をするのか聞いてみてください。

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参照 : マイナビエージェント 業種別平均年収ランキング