元国税局職員 さんきゅう倉田です。好きな計画は「所得倍増計画」です。

ネットフリックスのカルチャーガイドの翻訳を読みました。自分にあったビジネス書もお金の勉強に有効的ですが、世界を舞台に躍進する企業の文化はきっと仕事に役立つと思います。

ネットフリックスの社員と廊下のゴミ

みなさんは、会社の廊下にゴミが落ちていたらどうしますか。例えば、お菓子の包み紙が落ちていたら、拾ってゴミ箱に捨てますか。

おそらく、掃除の人が後で片付けるだろうと考えて、放置するのではないでしょうか。ぼくもそうします。誰が捨てたかわからないゴミに触れたくはないし、ビニール手袋を用意したりポケットからティッシュを取り出したりしてつまむのは面倒です。

でも、家の床にお菓子のゴミが落ちていればそのままにはしないはずです。自分の家が汚れているは嫌だし、捨てたのは自分か家族だから拾うことにも抵抗感がない。

ネットフリックスは、オフィスに落ちているゴミを拾うために、社員がかがみ込む会社になろうとしています。つまり、会社のために正しく行動するという責任感を、全社員が有している会社になろうとしているのです。

問題を見つけたら、その大小に関わらず、「自分の仕事ではない」と考えず、対処することを社員に求めています。そのような規則があるわけではありません。そのような行動を取るためには責任感や自発性が必要です。社員がそれらを持つように、ネットフリックスは努力しています。

社員に自由を与えるネットフリックス

ネットフリックスの社員には、普通でない量の自由が与えられています。まず、ほとんどすべての社内文書が社内で公開されており、実績や戦略に関する意思決定、競合他社、製品の機能テスト等に関する記録を全社員がみることができます。

また、経費に関する統制はなく、社員個人が適切な判断で使うこととされています。旅費や交際費に関する方針は、「ネットフリックスにとって最も得策であるように行動する」です。

多くの規則が存在せず、社員には多くの自由や裁量が与えられているんですね。情報のリークは、自己管理や責任の精神などによってほとんどなく、自由を濫用した社員によるリベートの受領は例外的で、社内のルールを是正するものではなかったそうです。

失敗があれば、同じ過ちを繰り返さないための対策が採られることがしばしばあります。我々は、失敗を起こさないことより、失敗によって設けられた新たな規則が、業務の妨げになることを恐れるべきです。

もちろん、倫理的問題や安全性の確保においては、個人の自由は優先されません。例えば、ハラスメントやインサイダー取引、巨額の送金に対しては、厳格に対処しています。

みなさんの会社は、内部統制の厳しさが、ハラスメントへの寛容さを生み出していないでしょうか。

ネットフリックスの休暇

休暇に関する方針は「休暇を取る」のみです。1年に定められた期間の休暇を取らなければいけない、あるいは取ってはいけないといったルールはありません。

ただし、社内では、仕事とプライベートな時間が曖昧になっています。リモートワークになったみなさんも行っているかもしれませんが、変則的な時間にメールをすることもあります。

子供がサッカーの試合に出るならば、仕事を休むこともあります。努力より成果で評価されるので、休暇は自由に取ることができ、成果がでなければ、十分な解雇手当を受け取ることになります。

育児休暇に関する方針は「赤ん坊と自分自身の面倒をみる」です。親になった社員は、育児に十分な時間を使うことができるし、希望すればゆっくりと仕事に復帰することができます。

続きます。

  • 参照【翻訳】「シリコンバレーから生まれた最高の文書」と絶賛されたNetflixのカルチャーガイド全文 - BppLOG (hatenablog.com)

    参照【翻訳】「シリコンバレーから生まれた最高の文書」と絶賛されたNetflixのカルチャーガイド全文 - BppLOG (hatenablog.com)

新刊『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』

(総合法令出版/1,404円)
さんきゅう倉田の初の著書が発売されました。ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員やパート・アルバイトの方のための最低限の税の情報を、たのしく得られます。購入は コチラ