元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな所得は「可処分所得」です(「自由に使えるお金」の意味で使われるよ!)。

今回は、高校生でも分かる所得と控除です。

この2つの言葉が分からなければ、所得税や確定申告について理解することができません。逆に、これさえ知っていれば、年末調整も扶養控除等申告書も扶養控除も配偶者控除も掌握できます。

すべての基礎であり、アルファでありオメガであり、最初であり最後であるのが、所得と控除なのです。

所得ってなあに?

みんなのまわりで「所得」とつくものといえば、「所得税」でしょうか。

所得にかかる税金が所得税ですが、所得が何かわからなければ、どんなときに税金を納めるのかもわかりません。一番メジャーな所得は、「給与所得」です。みなさんの1年分のお給料から「給与所得控除」を引いたのが、給与所得になります。

給与所得控除は、個人事業者でいうところの経費のようなものです。会社員やパート・アルバイトといった給与所得者は経費が認められませんが、それでも服や鞄や筆記具など仕事に必要なものを買うことがあります。これらの支払いを経費として認める制度はないけれど、レシートや領収証の保管なしに一定金額を引いてくれるのが、給与所得控除です。

給与所得控除の金額は、みなさんの1年分のお給料の金額によって変わります。自分の給与所得控除がいくらか知りたい方は、「給与所得控除」で検索してください。

給与所得以外にも、所得は9種類あります。会社からのお給料以外に所得があれば確定申告が必要ですが、そういう方は少ないので、今回は割愛します。

収入から経費を引いたのが所得だよ

給与収入から給与所得控除を引いたのが給与所得だと書きましたが、フリーランスやちょっと誰かに依頼されて仕事をした場合は、計算方法が異なります。 フリーランスは事業所得、ちょっと誰かに依頼された仕事は概ね雑所得になりますが、これらの場合は、収入から経費を引いたものが所得になります。まとめておきました。

収入-経費=事業所得
収入-経費=雑所得
収入―給与所得控除=給与所得

収入は、すべてを一緒くたにするのではなく、所得の種類ごとに合計します。

控除ってなあに?

控除は「引けるもの」です。所得が多ければ多いほど、所得税の金額は増えますが、所得から控除を引くことで、所得税を減らすことができます。だから、控除がいっぱいあれば、みなさんの納める所得税が減ります。

控除にも種類があります。年金や健康保険料は社会保険料控除、配偶者がいれば配偶者控除、扶養家族がいれば扶養控除、生命保険料を支払っていれば生命保険料控除が受けられます(それぞれに条件があるから、絶対受けられるわけはないよ)。誰でも受けられる基礎控除もあります。

会社員なら、社会保険料控除や基礎控除、扶養控除等を考慮して、会社が所得税を計算してくれています。だから、自分であれこれ悩む必要はありません。 でも、会社に伝えていない事情、例えば、年末調整のあとに結婚したとか、扶養家族が増えたとか、生命保険料控除があったなどがあれば、確定申告をしましょう。控除が増えたのであれば所得税が還付になります。

所得と控除の順番

確定申告をするときのために、所得や控除の順番を覚えておきましょう。

まず、収入があります(緑のところ)。給与所得控除を計算したり別の紙に経費を書いたりして、所得を算出します(水色のところ)、控除の合計を出して(赤のところ)、所得から控除の合計を引いたものを書いて所得税率をかけて所得税を計算します(紫のところ)。

収入、給与所得控除or経費、所得、控除、所得税の順で出てきます。順番を覚えれば、言葉の意味も理解しやすくなると思います。

所得税や確定申告について知ろうと思ったら、まずは所得と控除を理解することが大切です。

さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。法人の税務調査を行ったのち、吉本興業に。ツイッターは こちら。YouTubeチャンネルはこちら