ISOTレポート 手帳と文具2018 その5 ふせん戦線異状アリ2 ふせんの収納問題  ふせんをどう収納するかは、ユーザーにとっての永年の課題でした。むき出しのままでは、ふせんの記入面が痛んでしまう。またとくに25mm×75mmのオーソドックスなタイプの場合、裏に付いている紙がはがれ、ノリの部分にゴミが付着して汚くなってしまうこともしばしば。でも、あまり大げさなケースを用意すると気軽に使えない。  さてではどうすればいいのか。今回は、ISOTに出展された商品を中心にこの問題の解決策を見ていきましょう。 定番的なふせんケース  フセンカバーとしては定番的なアイテムが「オピニ 持ち歩きフセンカバー」(シヤチハタ)。オピニはシヤチハタの手帳ブランドの名前です。そしてオピニの名ンユーザーであるOL層がもっともよく使うふせんが75mm四方のタイプ出あることから生まれたのがこのカバーだそうです。ふせんが固定できるゴムバンドやカバンの中でも開かない留め具がついています。ふせんというデリケートな中身のことをきっちり考えた製品です。  リヒトラボの「ふせんケース(ふせん付き)」は、同社のペンケースの素材を利用して作られたケースです。75mm四方のふせんが収まります。動物柄出あることに目をつぶればビジネスでも利用できそうです。 ・複数種を収納できるもの  以上の製品は、ふせんのサイズぴったりに作られていますが、複数種類のサイズの異なるふせんを収納できるケースも登場しています。そのひとつが「フセンタチノイルトコロ」(ベアハウス)。参考出品ですが、透明な塩化ビニールのケースで矩形、たてながそれぞれのふせんが収まります。 ・はがしたけれど使わなかったふせんをキープできる  書き損じたけれど、簡単には捨てられない(例えば貴重なアイデアが書いてある)とか、、はがしたけれどなにもかかいていないふせんを一時的にキープするための商品もありました。それが「ふせんのゴミ箱」(ペーパリー)。その名の通り、ふせん専用のゴミ箱です。存在自体が安心感を提供し、使ってまた便利です。  以上は、むき出しになったふせんを収納するためのツールです。  そして現在は、収納ケースと一体になった各種のふせんも存在します。  その一つが、「Patto marker」(カミオジャパン)です。これはツインリングのブック型カバーの中に各種のふせんがおさまっているもので、やはり単体で持ち歩いても中身のふせんが痛みません。カバンの中でも簡単に開かないように縦方向にバンドが付いていて表紙を押さえてくれます。  前回も紹介した「エディターズメモ」(ニトムズ)は、中身のふせんの作りはオーソドックスですが、カバーとふせんが一体になっています。これも単体で利用しても中身が痛まない工夫といえます。  エイチ・エスのフセンケースは、これといっててらいがないのが使う人を選ばない感じがします。半透明なので、中身のふせんの色がわかるメリットがあります。  本体がむき出しなのに中身が痛まないものもあります。「CHIGIRU」(ヤマト)もその一つです。このふせんは1色または2色の組合わせで、裏面全体がノリになっています。5mm四方単位で好きなサイズに切り取ることができるのが最大の特徴です。そしてこれはテープ状になっていて、ノリ面が外部に出るのははがすときだけなので、痛みにくくなっています。  そして「ペントネ」(カンミ堂)です。これはロール型ふせんを縦に3連したものが細長いケースになっている独特の構造です。3種類または3色のフィルムふせんを中身を保護したまま持ち運べるのはこの製品の特徴でしょう。  「モバイルメモ」(スリーエム)のような商品もあります。これはノート型のカバーが簡易的に付いているだけですが、手帳の内側に保持するような使い方なら、中身が傷む心配はなさそうです。  以上のようにふせんを持ち運ぶ工夫は、ケースと、製品自体の両方のアプローチがあります。選び方のポイントは自分がよく使うふせんがどんなタイプのものかでしょう。  いずれ取り上げますが、最近はノートと併用すると便利な、大型のふせんもたくさん出てきています。  その具体的な製品と活用については別の機会に紹介しましょう。 1 「オピニ 持ち歩きフセンカバー」(シヤチハタ)。ふせん1セット付き。 2 「ふせんケース(ふせん付き)」(リヒトラボ)。キャラクター付きアイテムだがきちんとふせんが保持できる。 3 「フセンタチノイルトコロ」(ベアハウス)。横長、75mm四方の2つが収納できるタイプ。参考出品 4 「フセンタチノイルトコロ」(ベアハウス)。これは縦長のタイプ。ペンケースに収納することを想定している。 5 「フセンのゴミ箱」(ペーパリー)。書き損じまたははがしたけれど使わなかったふせんを一時的にキープするためのツール。柄があるが半透明で、中に入っているものが見える。 6 ブック型フセン。「Patto marker」(カミオジャパン)これ単体で持ち歩いてもふせんは痛まない。 7 ニトムズの「Sticky Notes,gridded」は、半透明で方眼罫のふせん。下が透けて見える。 8 ニトムズの「エディターズメモ」は、カバーが付いており、単体で運ぶのが楽 9 エイチ・エスのふせんケース。オーソドックスなケース。やはりふせんが付属する。筆者私物。 10 「CHIGIRU」(ヤマト)は、ロール型のふせんでノリ面が表に出にくい。 11 「CHIGIRU」はこのように、ふせんがテープ状になっており、板に巻かれている。 12 「ペントネ」(カンミ堂)は、ロール型の3色のふせんが軸に収納されている。スティック状でペンケースに収納するのに向いている。 13 「モバイルメモ」(スリーエム)。ノート型のカバーはストッパーなどはないが、手帳の内側に挟んでおいたりする分には問題がない。