借金完済に向けて必要なものとは?

倉田:そもそも、もぐら君が最初に借金をしたのはなぜなの?

鈴木:最初は競馬ですね。まだ芸人をやる前で、20歳ぐらいのときです。すごい自信を持てるレースがあったんですよ。ここはもう、つぎ込めるだけつぎ込んでおけば結果は見えてると思って10万円借りたんですけど、結局負けてしまって。

倉田:10万円全部使った?

鈴木:全部は使わなかったですね。5万円ぐらい使って、まさか負けると思ってなかったんで、うわーってがっかりして。残りのお金で風俗に行きました。負けたときは風俗っていう決まりがあったんで。

倉田:勝ったときじゃなくて?

鈴木:勝ったときは行っても行かなくてもいいんですけど、負けたときは確実に行かないといけないんですよ。これはやっぱり、流れを変えるためです。

倉田:なぜそれで悪い流れを断ち切れるの?

鈴木:流れって言うのは、自分の力だけだとどうにもならないんですよ。女性の力を借りてようやく自分の流れが変わるっていうのを、パチンコ屋の常連のおじさんから教えてもらって。実際それですげぇ勝ってたんですよ。

倉田:自分の中で信憑性が増しちゃったんだね。

鈴木:そうですね。今の奥さんと付き合う前は誰とも付き合ったことがなくて、もちろん当時も彼女はいなくて。その常連の方も「風俗にいけ」っていうよりかは、「彼女いねぇんだったら風俗いけ」みたいな、厳密にはそういうことなんですよ。だから奥さんとか彼女がいれば、その方々に流れを変えていただけるというか。

倉田:じゃあ今は流れ的にはいい感じだ。ピンチがあったら奥さんがいるし。ギャンブルもやめてるし、いい傾向だよ。ちなみに10万円借りてからはどういうペースで借金が増えていったの?

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鈴木:すぐに全部は返せなかったんですよ。たしか4,000円ずつの返済とかだったんですけど、今よりは余裕があったんで1万円とか2万円とか返してて。そしたら3カ月後ぐらいに、ATMの画面に「増額できます」って出てきて。30万円まで増額できますがどうしますか、みたいな。増額希望の方は「はい」を、それ以外の方は「いいえ」を押してくださいってのが出てきたんです。

倉田:ほう。それで?

鈴木:「はい」って押したらいきなり「では、増額しました」で、終わりなんですよ。電話がかかってくるとかもなく。そこからまたしばらくしたら次は「50万円にしますか」ですよ。「はい」って。50の次は100なんですよね。あなたには信用がありますんでみたいな文面が出てきて。

倉田:ちょっと褒めてくれるんだ。

鈴木:そうなんです。毎月返してくれてる、みたいなことで。それでなんか自分の金が増えていってるような感じに思っちゃうんですよ。最初は10しか無理だったものを俺の力で100まで増やしたんだ、この100は俺の信用だからいつ使ってもいいんだ、みたいな気持ちになっちゃって。それが3社ぐらい。

倉田:あ、3社!?

鈴木:そうっす。250万円ぐらいの元金に利息とか合わせて今は300~350万円ぐらいになってるんじゃないかなっていう感じですね。

倉田:で、借りられるMAXまでいっちゃって知り合いに借り始めたみたいな感じか。知り合いからの借金にはMAXがないから歯止めがきかなくなる可能性もあるよね。最後に新しく借金したのはいつですか?

鈴木:1年前ぐらいですかね。

倉田:1年間は借りてないんだ。じゃあとにかく、まずは家族で一緒に住む方法を考えるところからだね。

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鈴木:一緒に住むことによって生活費を抑えて、浮いた分を返済に回すと。子どもがもう少し大きくなったら保育園に預けることとかも考えて、奥さんと共働きっていうのも視野に入れつつですね。

倉田:並行して、社内政治的なところも頑張って芸人としての仕事を増やす。相方の水川かたまり君と一緒に。

鈴木:「家庭」を大事に。そして外では「政治」を頑張る。

倉田:そうね。アルバイトは増やせないと思うから。

鈴木:じゃあ今度、お菓子持って営業の部署に挨拶しに行きます。

倉田:お菓子代は用意できるの?

鈴木:そこはもう倉田さんに出していただいて。

倉田:なんでよ!

鈴木:だってこれは倉田さんのプランですから。営業を増やしてもらう、名付けてKプランですよ。それに乗るってことはもうそういうことです。

倉田:いやいや(笑)。でも、会社に自分の状況をしっかり伝えてみるだけでもいいだろうし、ランダムに出演者を選んでるみたいな営業があれば個人がアピールしたら状況が変わるかもしれないしね。

鈴木:貯金の話以外なら何でもできるんで。あとは卓球と将棋が得意なんで、そこも活かしたいですね。実は僕、かつて福原愛選手とも戦ってますからね。

倉田:そのへんはアピールしていったほうが絶対いいよ。誰かに刺さるかもしれないから。そうだ、今の時期だったら新入社員歓迎会とかに呼んでもらったりね。

鈴木:なるほど。マイナビさんお願いしますよ! マイナビさんにもお菓子持って挨拶しに行きますんで! もちろんお菓子代は倉田さんに出してもらって。

倉田:ぼくを巻き込まないでよ(笑)

鈴木:そしたら倉田さん・マイナビさん・僕でトライアングルができますから。何でもそうですけど、3つ揃わないとうまくいかないんですよ。

倉田:じゃあ初めの1回分だけね。最後にこれだけ聞いときます。「いつまでにいくらまで借金を減らしたい」みたいな目標とかはある?

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鈴木:すぐにでも芸人として売れて返したいっていうのが一番ですけど、そうっすねぇ……子どもがいろいろわかってくるころまでにはちゃんと返したいなっていうのはありますね。

倉田:5歳ぐらい?

鈴木:いや、5歳でもまぁ……

倉田:じゃあ10歳?

鈴木:んー……中1ぐらいですかね。

倉田:中1っていうと、13歳? あと12年。

鈴木:中学に入ったら公民の授業とか出てくるじゃないですか。そうすると経済とか学び始めて、あれ? ってなっちゃうと思うんで。

倉田:たしかにそうだね。もぐら君、12年後は何歳?

鈴木:43ですね。

倉田:返せる返せる。もうそのころには完全に売れてるよ。

鈴木:12年で返すとなったら、1年で50万円ぐらいですか。つまり月々4万円ぐらい。そう考えると、利息もありますけどなんとかいけそうな数字ですね。とにかく家庭を大切にして、ギャンブルを断ち切って、政治を頑張ります!

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ファイナンシャルプランニングの前に、ギャンブルや借金の恐ろしさが際立つ結果となった今回の相談。しかし、利息分がおおまかに把握できただけでも完済に一歩近付いたのではないだろうか。これを機に、借金にもしっかりと向き合ってくれることと信じたい。何はともあれ絶賛仕事募集中とのことなので、気になった方はぜひともオファーを投げかけてみてほしい。