子どもができたとわかったら、まず何から準備となりますか。大切なのは、健康な赤ちゃんを産むための自分とお腹の子どもの健康です。初めてであれば、いろいろ分からないこともあるでしょうから、適切な情報収集も大切です。

昔は多くの妊婦がお産で亡くなりましたが、現在は医療も進展し、安全にお産ができるように支援も整っています。極端に不安になるのは問題ですが、簡単に考えるのも危険です。どんな支援が用意されているか詳しく見てみましょう。

  • お腹の赤ちゃんのために健康診査を賢く活用しましょう(※写真と本文は関係ありません)

妊娠届出書の提出と母子手帳の取得

妊娠したらまず、「妊娠届出書」をお住まいの市区町村に提出しましょう。一般には、その際に母子手帳や妊婦健康診査(妊婦健診)の受診券や補助券などが交付されます。妊娠中の補助制度は各自治体によって異なり、母子手帳が交付される時期も自治体によって異なるかもしれません。妊娠と同時にもらえるところもあれば、お腹の中の赤ちゃんの心拍が聞こえたころからのケースもあります。発行曜日や時間帯が決められているケースもあるようですので、最初に受診した医師に相談してみましょう。

また、母子手帳の交付や妊婦健診助成と同時に各種情報提供もされます。具体的には、保健師による相談や母親学級などのサービス提供です。

受診券は特定エリア内の契約機関でのみ有効

補助制度は自治体によって異なりますので、東京都の例を取り上げてみましょう。ただし、同じ東京都でも市区町村で異なる部分もありますので、必ずお住まいの市区町村に確認ください。

妊婦健康診査の費用は健康保険の対象ではなく、全額自己負担です。それでは、健康な赤ちゃんを産むため妊婦に不可欠なさまざまな診察・検査を受けるにあたり、かなりのお金が必要となります。いくつかの検診を受けられないケースも発生しかねないため、各自治体は一定の補助制度を設けています。

東京都の場合、妊娠届出書の提出と同時に母子手帳と受診券が渡されます。受診券は原則、東京都内の契約医療機関のみでしか使用できません。どの受診券をどの検査に使うかは、事前に主治医と相談してください。

里帰りして出産する際は、東京都以外の地域であれば、その地域では受診券が使えなくなります。受診券に代わり、費用の一部を助成する制度が利用できますので、管轄の市区町村に確認してください。そのようなケースでは、住所地の市区町村と帰省先の市区町村に各種サービスの内容を確認し、漏れや重複のないようにしておきましょう。

世田谷区を例にすると、受診券に代わる助成額は初回が10,850円、2~14回は各回5,070円が助成の上限額となっています。そのほかに超音波検査は5,300円を、子宮頸がん検診は3,400円を上限として助成されます。各回の内容は次ページの表を参照ください。