「買ったけれども着ていない!」、残念なショッピングしたことありますよね? これから寒くなる季節、冬の身支度に備えて、防寒着をそろえるシーズンがやってきました。コートなど重衣料と呼ばれるアイテムたちは、単価が高いので失敗できません。

今回は、ショッピングで失敗をなくすための留意点とNGポイントをスタイリスト森井が一刀両断!

■NG1.テイストを考えていない!

洋服の組み合わせ方は、カラーコーディネートだけではありません。色の組み合わせ方も当然重要ですが、それだけでは全身の組み合わせがしっくりこないでしょう。洋服のデザインにはルーツがあります。たとえば、何気なく穿いているジーンズはワークテイストですし、ジャケットはイギリス発祥のクラシックテイストです。

テイストの属性をミックスしてしまうことで、色はなじんでいるのだけれど、なんかしっくりこないという状況が生まれてしまいます。2010年代以降、2つのテイストを掛け合わせるテイストミックスが主流となりました。しかし、3つ以上のテイストミックスがカオスを招くのです。

まずは、クロゼットにあるアイテムのテイストを洗いだしてみてください。自分がどういうジャンルに偏っているのか、そして、「そのテイストが自分の年齢・キャラに合っているか、そうでもないのか?」、あらためて知ることがNGをゼロにするファーストステップです。

シャツの袖裏にある花柄の色で全身コーディネートした例

■NG2.色を拾わない!

「あなたは柄物を敬遠しがちですか?」。実は柄物のカラーコーディネートがいちばん簡単だったのです! 柄に使われている色を、全身コーディネートに活かすことで、シンプルにまとまります。

画像のコーディネートは、シャツから始まりました。この画像では、確認しづらいですが、ブルーシャツの袖裏に花柄生地が貼り付けてあります。その中で使われている色が、ベージュ・ワインレッド、アイボリーだったのです。

私が主催するファッションアカデミーに通う一般の生徒さんにこのテクニックを教えたところ、画像のようなコーディネートを完成させました! 普段は一般の会社員の方でも、これだけのコーディネートを5分で仕上げたのです。

ただし、注意が必要です。全身のパーツの中で使える柄物は1カ所までと覚えてください。柄物が多すぎることでチグハグなカオスが生まれてしまうからです。

■NG3.「自分が好き」というだけで選ぶ!

自分が好きなアイテムで固めようとした瞬間、おかしくなります。服装術は料理に例えると分かりやすいでしょう。あなたの肉体がお皿だとします。お皿のカタチは変えられません。あなたというお皿に似合う料理をつくるしかありません。

アイテムが食材、着こなし技は調理技術、組み合わせ方は食べ合わせです。この3つを考えて究極の一皿をつくりあげます。それが全身コーディネート! ここで重要なことは、その一皿をあなたが食べるのではなく、あなたの目の前にいる人をもてなすスタイルであるということ。

自分の姿は鏡がなければ見えません。しかし、目の前にいる人はあなたのことを常に見ています。「自分のために服を選ぶのか? 相手をもてなすために服を選ぶのか?」、目的意識が変わることでチョイスのNGは格段に減ることでしょう!

<著者プロフィール>
森井良行
「ユニクロさえもカッコよく」をキャッチフレーズに、大人カジュアルとして、エレガントカジュアル(エレカジ)を提唱。渋谷・有楽町etc.ショップをまわり、その人だけに似合う服をコーディネートする買い物同行サービスの実績は、のべ3,000人を超え、97%の独身顧客が「女性にほめられた」という。公式サイト「エレカジ」ではコーディネート事例や「モテるファッションアイテム」を日々紹介中。
エレカジ(エレガントカジュアル)
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