フジテレビはこの4月に、BSを含めたすべての報道・ニュース番組のブランドを『プライムニュース』に統一する大改革を実施。深い取材と鋭角的な視点で、物事の本質に迫る"本格ニュース番組"を目指すもので、マイナビニュースでは、この新番組のキャスターにインタビューをしていく。

ラストとなる第5弾は、BSフジで平日夜に放送されている『BSフジLIVE プライムニュース』(毎週月~金曜20:00~)から、フジテレビの松山俊行報道局解説委員、竹内友佳アナウンサー(月・火曜担当)、斉藤舞子アナウンサー(水曜担当)、生野陽子アナウンサー(木・金曜担当)。メーンの松山キャスターとパートナーの女性アナの間では、生放送の画面からは分からない“ムチャぶり”も行われていた――。

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    (左から)竹内友佳アナ、斉藤舞子アナ、松山俊行報道局解説委員、生野陽子アナ

まさに青天の霹靂

――まずは今回の起用を聞いた際の心境から伺いたいと思いますが、松山さんはいかがでしたか?

松山:キャスターをやるなんて全く予想していなかったので、まさに青天の霹靂でした。会社に入ってずっと現場で取材ばかりしていたものですから。自分がスタジオに出てニュースを伝えるという立場になったことがないので、自分で本当にできるのか?っていうのが、率直な感想でしたね。

――そこから、どう切り替えて臨んでいるんですか?

松山:この番組は、政界や財界などからゲストを呼んで直接話を聞くというスタイルなので、そういう意味では、取材する場所が今までのような外なのか、スタジオなのかの違いだけだと考えるようにしました。

――竹内さんは半年前から担当されていますが、キャスターが反町理さんから松山さんに代わって、いかがですか?

竹内:番組がカラッと変わったような印象です。反町さんはテンポよくズバズバ聞いていくので、私もなかなか入る隙がなく、話を聞いて追いついていくのがやっとだったんですけれど、松山さんはじっくりと相手の話を聞くスタンスなので、私もそこに入っていけるようにという意識をしながらやっているところです。

――斉藤さんは、1月から担当されていますね。

斉藤:この番組は勉強になるので、八木(亜希子、初代キャスター)さんのときからよく見ていたんですよ。なので、BSプライムニュース担当を希望したこともあったんですけれど、なかなかご縁がなくて。そこからやっと関わらせていただけるようになったので、うれしいというのが率直な感想でした。やっぱり政治家の方が来たりすると、いかにこの人たちに食い込んでいくかということを考えているので、なるべく果敢に攻めるようにしています。

――生野さんは、この4月からですね。

生野:私もこの番組は見ていたんですけれど、まさか自分が担当するとは思ってなかったので、聞いたときはすごく驚きました。難しい題材を扱うこともありますが、1つの話題について2時間じっくり話せるのはBSならではの良いところだなと思いますし、なおかつ生放送というところが良くて、ゲストの方の話したことがニュースになって、また地上波で放送されるという機会もありますので、なるべくニュースになることを引き出せるように頑張りたいと思います。

“反町流”は身に付いている

――新体制になって約2カ月がたちましたが、手応えや反省点はいかがですか?

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松山俊行
1968年生まれ、宮城県出身。早稲田大学卒業後、93年にフジテレビジョン入社。社会部警視庁クラブ担当や『スーパーニュース』総合演出などを経て、政治部で自民党や首相官邸キャップとして取材。2001年からワシントン特派員、14年7月からワシントン支局長として合計約9年間米国に滞在。18年4月から『BSフジLIVE プライムニュース』メーンキャスター・編集長。

松山:もう日々反省点だらけです。2時間あると時間を持て余しちゃうんじゃないかと思っていたんですけれど、思ったよりも短くて、実は質問したいことの5分の1くらいしか聞けていないっていう感じがあります。やっぱり政治家の方は話好きな方が多いので、つい「うんうん」って聞いちゃうんですけれど、それをうまく切り返していかないと向こうのペースになってほしい情報が聞き出せないので、そこはこれからもっと鍛錬を積んで、うまく切り込んでいけるように努力しないといけないと思っています。

――BSの『プライムニュース』といえば、やはり反町さんがズバズバ切り込んでいくスタイルの印象が強かったじゃないですか。そこからバトンを受けるにあたって、どんな意識で入ろうとしたんですか?

松山:最初、反町さんから僕に代わって、あまり視聴者の皆さんにギャップがないようにいっぱい食べて太ろうかなとも考えたんですけれど(笑)、やっぱり反町さんと僕はそもそもキャラが違うので、反町さんにはなれないなっていうことにすぐ気づきました(笑)。日々自分流っていうのはどうあるべきかというのを考えながらやってますけれど。僕は普段から人の話を聞く方なので、そこを生かしながらうまくスタジオのゲストがリラックスできるムードを作って、知らないうちに本音を引き出していくようなスタイルが開拓できたらと思っています。

――反町さんから、引き継ぎというのはあったんですか?

松山:この番組をやることが決まって、何度か反町さんから話を聞く機会はありましたが、もともと政治部の先輩である反町さんとは20年以上の付き合いがあって、僕は記者として政治家にどんどん食い込んでいく反町さんはすごいなと尊敬して背中を見てやってきたというところがあります。だから、この番組に限らず、取材の仕方や相手との距離の取り方といった“反町流”みたいなものは、知らないうちに身に付いている部分もあるんじゃないかと思いますね。

――今回集まっていただいた3人の女性アナウンサーのパートナーの印象はいかがですか?

松山:皆さん個性的で、正直僕の方がリードしてもらっている感じです(笑)。画面の出役としては、僕より全然先輩の方々なので、「なるほどこうやって進めるのか」「こうやってCMを入れるのか」といったことを、日々横から学んでいます。