世界の富裕層はどこに住んでいるのか、興味のある方も多いでしょう。アメリカなどが多そうなイメージですが、日本はどうなのでしょうか。
この記事では世界でミリオネアの多い街ランキングTOP10を解説し、それぞれの街に関する考察も紹介します。
世界でもっとも富裕層が住む街TOP10
英国コンサルティング会社の「ヘンリー・アンド・パートナーズ」は、2024年5月に富裕層に関するレポートを公表しました。レポートによるとミリオネアの人数が多い街のランキングでは、アメリカの都市が1位・2位・6位にランクイン、日本の都市としては東京が3位となっていました。
他の主要先進国からはロンドン(イギリス)・パリ(フランス)・シドニー(オーストラリア)、アジア地域からも、シンガポール・香港・北京(中国)が入っています。
100万米ドル以上は、現在のドル円のレートで換算すると、1億4,600万円以上の保有者となります(2024年9月2日時点)。
2013年からの増減は?
ミリオネアの対2013年比をみると、+50%以上と大きく増加しているのはベイエリア(アメリカ)・シンガポール・北京(中国)です。
パリ(フランス)とシドニー(オーストラリア)も、増減率はそこまで大きくはありませんが、増加しています。
一方で減少したのは東京・ロンドン(イギリス)・香港(中国)となりました。
各都市についての考察
「ヘンリー・アンド・パートナーズ」は、各都市についての考察も公表しており、その中からいくつかを紹介します。
1位:ニューヨーク
アメリカの金融の中心地で、世界でもっとも裕福な街です。マンハッタン5番街など高級住宅街が立ち並び、マンション価格は1㎡あたり28,000米ドル(およそ406万円)を超えることも。
ニューヨークの住民が保有する総資産は3兆米ドルを超えており、G20の主要国の大半の保有資産を上回ります。
2位:ベイエリア
ベイエリアはサンフランシスコ市とシリコンバレーを含む北カリフォルニアの街です。富裕層が急速に増加し、ニューヨークに追いつこうとする勢いがあります。
世界的に有名なテクノロジー企業が集まっており、Airbnb、Alphabet、Apple、Intel、Meta、Netflix、Nvidia、Uberなどが本拠地をベイエリアに構えています。
毎年裕福なテクノロジー起業家が集まることが、高い順位・増加率につながっています。
3位:東京
アジアでもっとも裕福な街であり、 ソニーや三菱など大企業の本拠地があります。ミリオネアの人数は他の上位の都市と変わりませんが、ビリオネアの人数は東京は比較的少ないです。
他の都市と比較すると、富は比較的平等に分配されていることが伺えます。
4位:シンガポール
シンガポールは地球上でもビジネスに最適な都市の1つで、億万長者の移住先としても人気があります。2023年だけでも、およそ3,400人の富裕層が移住しました。
シンガポールは世界で急速に成長している「ファミリーオフィス」の中心地でもあります。「ファミリーオフィス」とは、一定以上の資産を保有する富裕層を対象に、資産管理や運用サービスを提供する組織のことです。
5位:ロンドン
20年前、ロンドンはミリオネアとビリオネアの両方の点で世界で最も裕福な都市でした。しかし、ドル換算での富の成長が鈍いことと富の流出が影響し、順位を落としています。
多くの富裕層がロンドンからウェイブリッジ、バージニアウォーターなどの近隣の町や、パリ、ドバイ、モナコ、ニューヨーク、シンガポール、シドニーなどの競合する世界都市に移り住む傾向です。
8位:シドニー
シドニーは億万長者の人数が20年で急速に増え、アジア・太平洋地域でもっとも裕福な都市の1つになりつつある傾向です。
毎年1,500人以上の富裕層が移住しており、ベルビュー・ヒル、ポイント・パイパー、モスマンなど、世界でもっとも裕福な郊外のいくつかがシドニーにあります。