30歳過ぎてゼロから始めた後発カメラマンが、「用法用量を守ってお使いください。ポートレートが劇的に安定する劇薬テクニック」をテーマに、教科書では絶対に教えてくれない撮影テクニックをお伝えします。今回は、構図の捉えかたについてです。

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三分割法を使いこなそう

写真には、基本的な構図がいくつかありますが、一番汎用性が高く使いやすいのが三分割法。カメラの設定で「グリット線」を出せると思いますが、それです。

三分割法の使いかたは「縦横に三分割した線の交点のどこかにフォーカスしたポイントを合わせる」だけ! ポートレートでいうと、フォーカスのときにお伝えした「瞳」に交点を合わせるだけで、写真がグッと安定しますよ。

ちなみに、交点だけでなく、線上に見せたいものを被せていくだけでも結構安定するので、三分割法は本当にオススメです。私も初心者のときは、一日中三分割法のみで撮影するという練習をしていました。今でも、7割くらいは三分割法を使って撮っているかもしれません。

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  • 瞳に交点を合わせてみました

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    両方の瞳に線を被せました。これも安定します

斜めを捨て、水平を意識しよう

次も構図の話です。カメラを始めたばかりのころは、なんとなく「斜めの構図っておしゃれ」な気がして多用していたのですが、基本的に水平を意識した写真のほうが安定します。

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  • 同じような写真ですが、左の水平を意識した写真のほうが安定感があります

決して斜めの構図を否定しているわけではありません。「写真の安定」とは、意図通り正しく見せたいポイントに視線を誘導できることだと考えています。ですが、斜めにすると、写真を見る側は、写っている人物より先に「斜めの構図であること」を認識しがち。このあたりを熟知して、写真の視線誘導を設計できればいいのですが、結構テクニックが必要です。

そのため、慣れるまでは、一度斜めを捨てて、水平を意識した写真を撮るように心がけると写真が安定しやすいでしょう。また、水平を意識すると三分割法がよりシャープに効いてきます。

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    斜めは躍動感が出ますが、同時に違和感も出てしまいがちです

モデル:火将ロシエル

火将ロシエル

株式会社コプルト代表。プロコスプレイヤーとしての活動だけでなく、マンガ紙や週刊誌の表紙を飾るなど、勢力的に活動の幅を広げている。2nd写真集「moonstone/月長石」(ワニブックス)発売中。
【出演&発売情報】
9月22日 渋谷クロスFM「アイカギ」出演
9月23日 「moonstone」(ワニブックス)電子版発売
9月29日 「月長石」(ワニブックス)電子版発売
10月30日 3rd DVD「ろしにゃんクエスト~Lv999の花嫁~」発売