独立起業から悠々自適なリタイア生活まで、さまざまな夢を叶えてくれる1億円ですが、あなたは自分が実際に"1億円を作れる"と考えたことはありますか?

現在日本で1億円以上の資産を持つ人はおよそ302万人、決して少ない数字ではありません。日本最大級のお金の学校「ファイナンシャルアカデミー」が、普通のサラリーマンでも「月5万円で1億円を作る方法」についてお伝えします。

  • 資産運用で本当にお金は増やせるの?

必死に働いてお金を増やしても資産運用にはかなわない

第1回では、現在すでに1億円を手にしている富裕層が、いかにして資産を形成したかをヒントに「1億円を作る手段」を考えてみよう、というお話をしました。

富裕層は、全体の34%を占める「企業経営型」(起業・会社役員になって資産形成)、10%を占める「特殊職業型」(医師・弁護士などの職業について資産形成)、そして半数以上の56%を占める「貯蓄&資産運用型」(貯蓄と資産運用を組み合わせて資産形成)と、大きく3つのタイプに分けられること。

普通のサラリーマンであれば、3つ目の「貯蓄&資産運用型」で1億円を作るのが良い、というところまでお伝えしました。

ここからが、今回の本題です。「貯蓄&資産運用型」と聞いて、みなさんの中には「確かにこれから大企業の役員や医師にはなれない。でも、資産運用はお金を減らす可能性もあるし、本当に資産を作っていけるんだろうか」と疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。果たして資産運用で本当にお金は増やせるんでしょうか。

この問いには、フランス人の経済学者、トマ・ピケティの著書で、世界中でベストセラーとなった『21世紀の資本』が、最もわかりやすく答えてくれています。

約700ページにもわたるかなり分厚い本ですが、その内容をものすごく簡単にまとめてしまうと、「お金は必死に働いて増やすよりも、不動産や株式といった投資に回した方が断然増やせる」ということが言えるのです。

「貧富の差はどんどん大きくなっている」「働いても働いてもお金持ちになれないのはどうしてか」。このような疑問に対して、ピケティが約2,000年もの昔にまで遡って現在までの膨大な歴史を調査し、導き出した事実は「資本収益率(r)」>「経済成長率(g)」でした。

「資本収益率(r)」は、投資から得られる収益の上昇率のこと、「経済成長率(g)」は労働によって得られる所得の上昇率のことを指します。

投資による成長率「資本収益率(r)」の平均は5%、労働による成長率「資本収益率(r)」の平均は先進国で2%……つまりいくら必死に働いてお金を作ろうとしても、資産運用による資産形成には敵わない、という事実がこの本には書かれているのです。

「所得が増えるスピードよりも、投資で資産が増えるスピードの方が断然早い」。

この事実をもとに、さきほど紹介した富裕層の3つのパターンを見ると「貯蓄&資産運用型」に比べて、「企業経営型」や「特殊職業型」の方が、富裕層に占める割合が少ないのも、ある意味納得ではないでしょうか。

20年で1億円を作る、具体的な方法とは?

歴史的観点から見ても、富裕層になるためには資産運用が必要だということが、ここまでのお話でおわかりいただけたかと思います。

では、普通のサラリーマンが1億円を作るために、具体的にはどのような資産運用をしたら良いでしょうか。

例えばみなさんの手元に500万円があったとして、資産運用で年利12%の利益がとれたとしても、20年後には5,000万円、目標とする1億円には半分しか届きません。

また、記事のタイトルにある「月5万円」をただコツコツ貯蓄し続けた場合でも、20年間で1,200万円しか貯めることができません。残念ながら、運用だけ、貯蓄だけ、では、1億円を作ることは難しいのです。

でも、月5万円でも貯蓄を作り、それを年利12%で運用できれば、20年で1億円に到達します。普通のサラリーマンであっても、労働や節約により「月々の貯蓄」を作り、それを「資産運用」しながら増やしていく、ハイブリッド型の「貯蓄と資産運用のかけあわせ」により、1億円を作ることは可能です。

まずは「月5万円」を作り出す「資産の迂回」を実践しよう

ちなみに現状、月5万円の貯蓄が難しい場合も、ご安心ください。富裕層が行う行動を今日から早速まねていきましょう。

富裕層がお金を作るためにしていることは、ズバリ「資産の迂回」です。簡単なもので言えば「先取り貯蓄」、最初はこれを実践します。

そして貯蓄がある程度貯まってきたら、この貯蓄を、投資用物件など、新たな収益を生み出す資産に変えていきます。そうしてどんどん、資産を生み出す良いループを作り出すのです。

「収入が入ったら資産を迂回させる」という習慣をまず作る、すると確実に貯蓄ができるようになり、貯蓄ができるようになると次のステップとして金額を増やすことを考えていけるようになります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というドイツのビスマルクの言葉もありますが、事実として資産運用の必要性を認識した上で、資産を迂回させる習慣を持つことは、会社員が1億円を作る上で不可欠です。

次回は、1億円を作る上で知っておくべき、ギャンブル、投資、投機の違いについて学びます。

ファイナンシャルアカデミー

お金の教養を身につけるための「総合マネースクール」。2002年の創立以来、東京校・大阪校・ニューヨーク校・オンライン校を通じて18年間で延べ57万人が、貯蓄や家計管理といった生活に身近なお金から、資産運用、キャリア形成、人生と社会を豊かにするお金の使い方までを学んでいる。現在、株式投資スクールや不動産投資スクールなど各スクールとあわせて、無料で学べる「ゴイチ(月5万円で資産1億円を作るセミナー)」「サンサン(月3万円で3,000万円を作るセミナー)」等、様々なセミナーも提供している。