長崎県といえば面積の約45%を島しょ部が占めるとされていて。入り組んだリアス海岸が続き、海岸線の長さが北海道に次ぐ全国2位の都道府県となります。

対馬沖や五島列島沖など世界に誇る漁場もあり、漁獲量は全国トップクラスの漁業の県です。 すり鉢状の地形をしていることから坂が多いことでも知られ、県内には「オランダ坂」や「相生地獄坂」など人気の坂も。「大浦天主堂」や「軍艦島」など、世界遺産に登録されたスポットもあります。

  • 長崎県のライバルはどこ

    長崎県のライバル都道府県はどこ?

この長崎県にライバルがいるとすればどの都道府県なのでしょうか。本記事ではマイナビニュース会員を対象にアンケート調査を行い、結果をランキング形式でご紹介します。「ライバルだと思う理由」や「長崎県を訪れるのにおすすめの季節」もご紹介しますので、ご自身のイメージと比べてみてください。

長崎県にライバルの都道府県はあると思う?

長崎県にライバルの都道府県があると思うかを聞いたところ、回答は以下のようになりました。

ある…58.2%
ない…41.8%

長崎県のライバル県ランキング

長崎県のライバルがどの都道府県だと思うか、先の質問で「ある」と答えた方に聞きました。得票率が高かった順にランキングにすると下記の通りです。

1位 佐賀県…19.6%
2位 福岡県…16.6%
3位 熊本県…11.1%
4位 広島県…6.8%
5位 兵庫県…5.5%
6位 鹿児島県…5.1%
7位 宮崎県…4.7%
8位 神奈川県…3.8%
8位 沖縄県…3.8%
10位 大分県…3%

ここからはランクインした都道府県の概要と、アンケートに寄せられた「ライバルだと思う理由」や「長崎県を訪れるのにおすすめの季節」などをご紹介します。

1位 佐賀県…19.6%

  • 佐賀県

    佐賀県

長崎県のライバル県ランキング、1位は「佐賀県」でした。長崎県の東隣に位置する佐賀県。朝鮮半島までの距離は約200kmと、佐賀県から大阪までの距離よりも近いことから、古くから大陸文化の玄関口になってきました。「吉野ケ里遺跡」などでの出土品や、佐賀県の伝統工芸品である伊万里・有田焼などの陶磁器文化がその一例だとされています。

佐賀県と長崎県の一部の地域は、歴史上の長い期間、「肥前(ひぜん)」などと呼ばれる一つの国でした。江戸時代には長崎県に出島が造られて西洋文化の影響を受けるようになり、アンケートには「グラバー園やハウステンボスなど、長崎県の華やかな観光地に少なからずうらやましさを感じる人もいるのでは」というコメントも届きました。

最近では、やはり九州新幹線の話題で「ライバル関係」という印象を持った方も多い様子。西九州ルートの一部区間についてはニュース番組などでも取り上げられており、「行方が気になる」という声もありました。

ライバルだと思う理由

「同じ九州でも、福岡県の陰に隠れがちなところが似ていると思う」(49歳男性)
「長崎県にとっては唯一、隣り合っている県なので色々と影響し合っているのでは」(50歳男性)
「九州新幹線の話題でよく耳にするから」(57歳男性)

2位 福岡県…16.6%

  • 福岡県

    福岡県

2位は「福岡県」でした。九州最大の都市・博多があり、福岡市、北九州市と政令指定都市をふたつ擁する福岡県。「博多商人」という言葉があるように、古くから商人の町として発展してきました。明治時代には「八幡製鐵所」が完成し、日本の近代化の一翼を担うことに。現在は世界遺産に登録され、見学することができます。

長崎県はちゃんぽんが名物ですが、福岡県では豚骨ラーメンをイメージする方も多いでしょう。中洲周辺に軒を並べる屋台料理としても定番です。そのほか、もつ鍋、辛子明太子などの名物も。観光地には「太宰府天満宮」、リゾート感あふれる海辺の町の「糸島」、明治や大正の頃の西洋建築が見られる「門司港レトロ」などがあります。

ライバルだと思う理由

「何といっても九州の中心地だから」(36歳男性)
「どちらも九州における人気スポットだと思うから」(52歳男性)
「美味しい食べ物がどちらにもそろっているから」(44歳男性)

3位 熊本県…11.1%

  • 熊本県

    熊本県

3位は「熊本県」でした。長崎県とは、有明海を挟んで向かい合っている熊本県。九州には人口50万人以上の政令指定都市が3つありますが、そのうちの一つが熊本市です。熊本市は阿蘇山の影響で地下水を潤沢に蓄える地形で、別名が「水の都」。市内の水道水のすべてが地下水でまかなわれるという、全国的にもめずらしい都市です。

熊本県の天草諸島は、隠れキリシタンの歴史が色濃く残る場所。「﨑津教会」などを含む一帯は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つとして、世界遺産に登録されています。そのほか、熊本県の観光地では「熊本城」、「黒川温泉」などが代表的。グルメでは、豚骨スープに焦がしにんにくなどをきかせた熊本ラーメンが有名です。

ライバルだと思う理由

「近いし、大人気のくまモンがいるから」(48歳男性)
「歴史を学べる観光地が多く、美味しい食べ物もたくさんあるから」(45歳女性)
「長崎県といえばちゃんぽんだが、熊本の天草ちゃんぽんも負けていないと思うから」(55歳男性)
「九州のなかで、どちらも観光地として人気があるので」(40歳女性)

4位 広島県…6.8%

4位は「広島県」でした。北は中国山地、南は穏やかな瀬戸内海に面した広島県。中国地方唯一の政令指定都市・広島市があり、県の人口は約270万人と、長崎県の2倍以上となっています。瀬戸内海で行われる牡蠣養殖は日本最大の規模で、生産量は全国の約6割を占めるほど。

広島県と長崎県の共通点に、原爆を投下されたという悲しい歴史があります。広島市の「原爆ドーム」や「原爆資料館」は悲惨な歴史と平和の尊さを伝え、ドームは「厳島神社」とともに世界遺産に登録されています。観光スポットでは、広島県尾道から瀬戸内海を渡り、愛媛県今治間までを結ぶ「しまなみ海道」がサイクリングの聖地として人気。

ライバルだと思う理由

「ライバルというより、原爆からの復興という共通点があるから」(54歳男性)
「核兵器の悲惨さを世界に訴えるという共通の使命をもっているから」(48歳男性)
「ライバルとして張り合うというより、これからも協力し続けてほしい」(52歳男性)

5位 兵庫県…5.5%

長崎県のライバル県ランキング、5位は「兵庫県」でした。日本有数の国際貿易港・神戸港のある兵庫県。神戸の街には重厚でレトロな西洋建築が並ぶ旧居留区や、北野異人館街など、異国情緒あふれる独特な雰囲気が漂います。洋食の文化も根付き、ビーフカツレツやステーキ、コロッケなどを提供する洋食店も多数。

兵庫県は北は日本海、南は瀬戸内海と、多様な風土や気候が見られることも特徴です。日本海側では雰囲気ががらりと変わり、かにやいか、ハタハタなどの海の幸が楽しめるほか、但馬(たじま)牛の産地や「城崎温泉」などがあります。

ライバルだと思う理由

「港町で中華街があるところや、淡路島などの有名な島があるところが似ているから」(57歳男性)
「異国情緒を感じられる観光地として人気なので」(37歳男性)

6位 鹿児島県…5.1%

6位は「鹿児島県」でした。無人島も合わせると、1200以上の島があるともされる鹿児島県。なかでも屋久島や奄美大島は世界遺産に登録され、豊かな生態系が保全されています。桜島や霧島山などの活火山の数も多く、温泉の源泉数は全国2位の多さ。砂むし風呂が名物の「指宿(いぶすき)温泉」など、人気の温泉地もそろいます。

鹿児島県は、幕末の日本が大きく動くきっかけにもなった場所。西郷隆盛や大久保利通などの名士を数多く輩出してきました。明治期にかけては日本の近代化に大きな影響を与えたとして、「旧集成館」などの遺構が世界遺産に登録されています。黒豚、さつま揚げ、焼酎、「白熊」などの鹿児島グルメも有名です。

ライバルだと思う理由

「どちらの県も漁業が盛んで、美味しい魚が食べられるから」(57歳男性)
「海がある、島が多い、有名な火山があるなど、共通点が多いから」(46歳女性)

7位 宮崎県…4.7%

7位は「宮崎県」でした。一年を通して温暖で、日照時間も長いことから「日本のひなた」とも呼ばれる宮崎県。プロスポーツチームのキャンプ地としてもおなじみです。日向夏やマンゴーなどのフルーツのほか、ピーマンやきゅうりの栽培も盛んで、これらの生産量は日本トップクラスです。宮崎県の主な観光地には、数々の神話の舞台とされる「高千穂」などがあり、グルメではチキン南蛮や冷や汁などが代表的。

ライバルだと思う理由

「九州のなかでは控えめな存在で、知名度などが長崎県と同じくらいだと思ったので」(26歳女性)

8位 神奈川県…3.8%

8位は「神奈川県」でした。東京都に次いで、人口が2番目に多い神奈川県。JRや私鉄などの交通網が発展し、川崎や横浜などのベッドタウンがある一方、鎌倉、小田原、箱根といった自然豊かで歴史を感じられる観光地もあります。国際貿易港の横浜港があり、異国情緒を感じられる一帯も。ご当地グルメは、三崎のまぐろ、小田原のかまぼこ、横須賀のカレー、横浜家系ラーメンなど。

ライバルだと思う理由

「港町の雰囲気が似ているから」(47歳男性)
「どちらにも中華街があるので」(40歳女性)

8位 沖縄県…3.8%

8位には「沖縄県」も。都道府県魅力度ランキングが、北海道、京都府に次いで第3位という人気の県。長く続いた琉球王国や戦後のアメリカ統治などの影響を受け、独特の文化が育まれています。観光の定番は、マリンスポーツが楽しめる離島や、戦争の悲惨さを伝える「ひめゆりの塔」、ジンベエザメに会える「沖縄美ら海水族館」など。

10位 大分県…3%

10位は「大分県」でした。長崎県と同じ九州北部に位置する大分県といえば、やっぱり温泉。源泉数や湧出量は日本一とされ、自らを「おんせん県」と名乗るほど。別府や由布院は全国的に人気の温泉街となっています。温泉以外の観光地には、日本最大級の歩行者専用つり橋の「九重“夢”大吊橋」や、渓谷の絶景が見られる「耶馬渓(やばけい)」などがあります。

長崎県を訪れるのにおすすめの季節は

続いて「長崎県を訪れるのにおすすめの季節」を聞きました。結果は以下の通りです。

1位 年間通しておすすめ…39.6%
2位 春(3月~5月)…24.3%
3位 秋(9月~11月)…16.6%
4位 夏(6月~8月)…13.6%
5位 冬(12月~2月)…6.0%

年間通しておすすめの理由

「四季それぞれに趣きのある風景があり、美味しい食べ物も違うから」(51歳男性)
「グラバー園やハウステンボスはいつ行ってもきれいだから」(43歳女性)
「坂の町なので夜景を見に行きたいが、夜景はどの季節もきれいだと思う」(40歳男性)
「中華料理やカステラを楽しみたいので季節は関係なさそう」(53歳男性)

春(3月~5月)がおすすめの理由

「軍艦島に春に行ってみたいから」(56歳男性)
「ハウステンボスでチューリップがたくさん咲く話題をテレビで見るので」(44歳男性)
「稲佐山の桜は絶景です」(59歳男性)
「気候が良い時季なので海がとてもきれいだと思う」(58歳男性)

秋(9月~11月)がおすすめの理由

「暑さが落ち着いたころに、ゆったりと町を散策したいから」(41歳男性)
「秋に美味しいものがたくさん出そろうから」(48歳女性)
「ハウステンボスやグラバー園がにぎやかになるシーズン」(37歳男性)
「快適な気候なので、坂道の多い市内観光もしやすいと思う」(55歳男性)

夏(6月~8月)がおすすめの理由

「離島が多いので海遊びを楽しめそうだから」(52歳男性)
「海や山など自然に囲まれた場所だから、夏がきれいだと思う」(54歳男性)

冬(12月~2月)がおすすめの理由

「本州より暖かくて過ごしやすそうだから」(38歳男性)
「長崎ちゃんぽんが美味しい季節だから」(58歳男性)

長崎県のライバルは九州6県と、「平和」など共通点のある県

長崎県のライバル県ランキングをご紹介しました。1位「佐賀県」、2位「福岡県」、3位「熊本県」という結果に。ご自身のイメージと比べてみて、いかがでしょうか。

3位までに九州の近隣県、そして10位までに九州すべての県が入りました。それ以外では、原爆投下という悲しい歴史から共に平和を訴える広島県、そして異国情緒が感じられるからという理由で兵庫県や神奈川県など、国際貿易港のある県が入りました。

ただし、突出して票を集めた県はなく、「長崎県のライバル」として共通してイメージされる都道府県はない様子。また、ライバルといっても火花を散らす関係というよりは、近隣同士で影響し合っていることやイメージが似ているからという理由で選ばれた県が多いようです。

長崎県に対するイメージが少なからず反映された今回のランキング。気になった方は、ご自身の出身地や今住んでいる都道府県のライバル県ランキングもチェックしてみてくださいね。

調査時期: 2025年6月17日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計404人(男性: 295人、女性: 109人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート