Microsoft Teamsの基本と活用(33) 無料Teamsで組織管理

Teamsの無料ライセンス

Teamsの基本機能は無料で利用できます。Microsoft 365ライセンスの有料版Teamsと無料ライセンスのTeamsの違いは、主に2点です。1つは、Microsoft 365のアプリ（Word、Excel、PowerPoint、その他のアプリ）を使用できる範囲。もう1つは、組織的な管理が可能かどうかです。（連載第31回参照）

しかし、無料ライセンスであっても、全く組織的な管理ができないというわけではありません。Teams内に限って、チームメンバーの管理という点で組織管理をできます。

有料版と無料版の組織の考え方の違い

無償版Teamsを使用するには、まだTeamsのライセンスに取得していないメールアドレスが必要です。

すでにTeamsのライセンスを取得しているかどうか分からないときは、Teamsのサイトにメールアドレスを入力して、試してみて下さい。「そのユーザー名のアカウントが見つかりませんでした。」というエラーが表示されれば、Teamsのライセンスに使用していないメールアドレスです。

無料ライセンスを取得するには、次のようにします。無料版では、同じ組織という名称を使いながら、Microsoft 365のTeamsとは異なりますので注意が必要です。

有料版（Microsoft 365）の組織

Microsoft 365の有料版Teamsでは、組織とはMicrosoft 365の「テナント」のことであり、ユーザーはMicrosoft 365のユーザーで、ユーザーが使用できるMicrosoft 365のさまざまなサービスの1つとしてTeamsがあります。

Microsoft 365のテナント管理者は、ユーザーアカウントを作成、削除、あるいは権限の設定を行うことができます。有料版では、組織の中にTeamsがあります。

無料版Teamsの組織

無料版のTeamsでは、ユーザーTeamsにユーザーアカウントを作成すると、そのユーザー用のTeamsサイトが作成され、ユーザーはTeamsサイトの管理者となります。管理者と、このTeamsサイトに管理者によって招待されたメンバーのグループが、無料版Teamsの「組織」になります。

Teamsサイトの管理者（無料版Teamsの管理者）は、自分のTeamsサイトに他のユーザーを招待したり、招待したユーザーをTeamsサイトから削除したりできますが、ユーザーアカウントを作成したり、抹消したりすることはできません。

無料版では、Teamsの中に組織があります。

(1)ユーザーアイコンをクリック。
(2)「組織を管理」をクリック。

組織を管理」をクリック

※このメニューの「組織を管理」や「アップグレード」は、Teamsサイトの管理者（後述）にのみ表示されます。

(3)Teamsサイトの管理者と招待されたユーザーのリスト。このTeamsサイトの「組織」。
(4)「ユーザーを招待」をクリックすると、後述の「組織チーム」にユーザーを招待する。
(5)Teamsサイトのデータを維持したまま、有料版（Microsoft 365）Teamsにアップグレード。ここに表示されたユーザーが、有料版Teamsに引き継がれる。

このTeamsサイトの「組織」

組織とチーム

最初にTeamsのユーザーアカウントを作成した組織名のチームが自動的に作成されます。（連載第32回参照）

この自動的に作成された最初のチームを当記事では便宜上「組織チーム」と呼びます。組織チームが特別な意味を持ちます。

(1)組織チーム。最初に自動的に作成されたチームで、組織名がチーム名となる。
(2)ユーザーが追加作成したチーム。
(3)クリックして、新しいチームを追加作成。

組織チーム

注意が必要なのは、どのチームにユーザーを招待しても、（ゲストユーザー以外は）自動的に、組織チームのメンバーになります。上図でいえば、(2)のチームに招待したユーザーも、自動的に(1)のチームのユーザーになります。

ユーザーの種類

無料版Teamsでは、ユーザーアカウントを以下の3つのレベルで管理します。

メンバーの種類（役割）	説明
管理者	Teamsサイトの最初の作成者であり、Teamsサイトに関する全権限を持つ。Teamsサイトにユーザーを招待したり、Teamsサイトのユーザーを削除したり、ユーザーの種類を変更できる。Teamsサイトに唯一のユーザー。
所有者	Teamsサイト内のチームの管理者。所有者になっているチームに対してのみ、管理権限を持つ。所有者として招待されたユーザーは、自動的に組織チームのメンバーとなる。
メンバー	Teamsサイトを利用する一般ユーザー。Teamsサイト内にチームを作成したり、他のユーザーを招待したりできる。メンバーとして招待されたユーザーは、自動的に組織チームのメンバーとなる。
ゲスト	Teamsサイト内の許可されたチームにのみアクセスできる。新規チームを作成したり、他のユーザーを招待したりすることはできない。ゲストユーザーは、組織チームに自動追加されない。

(1)チームの「…」ボタンをクリック。
(2)「チームを管理」メニューをクリック。

「チームを管理」メニューをクリック

(3)「所有者」ユーザーリスト。
(4)「メンバー」または「ゲスト」のユーザーリスト。
(5)チームの所有者は、メンバーの役割を変更したり、メンバーを削除（招待の取り消し）したりできる。
(6)チームに新規メンバーを招待。

チームの所有者は、メンバーの役割を変更したり、メンバーを削除（招待の取り消し）したりできる

Teamsに招待されたユーザー

すでに自分のTeamsサイトを持っているのに他のTeamsサイトに招待されることはよくあります。また、自分のTeamsサイトを持っていなくても、複数のTeamsサイトから招待されていることもよくあるでしょう。この場合、TeamsにサインインするときにどのTeamsにサインインするか選択したり、Teams使用中に参加Teamsを切り替えたりできます。

(1)ユーザー名、パスワードを入力してTeamsにサインインするとき、複数のTeamsのメンバーになっていると、「Teamsの組織を選択」が表示される。「Teamsの組織を選択」をクリック。
(2)ドロップダウンメニューで、サインインするTeamsサイトを選択。