今後、ドル高なのかドル安なのか、皆さん、いろいろなご意見をお持ちかと思います。

今、私が考えている方向性について、お話しします。

お話しするにあたって、ドルの総合的な強弱を示すドル・インデックスの月足を使います。

  • ドル・インデックス 月足(上がドル高、下がドル安)

まず、ドル・インデックスとはなにかについて説明しますと、ドル・インデックスとは、ある一定の複数の外貨をバスケット(一定の割合で加重平均)にしてドルの価値を見るインデックスです。

現在の構成する通貨とその構成比率は、ユーロ(57.6%)、円(13.6%)、ポンド(11.9%)、カナダドル(9.1%)、スウェーデンクローネ(4.2%)、スイスフラン(3.6%)となっています。

なぜ、ユーロの割合が極端に大きいかと言いますと、1999年にユーロが発足した時に、それまでのドイツ・マルクや、フレンチ・フランや、スペイン・ペセタや、イタリア・リラといった欧州通貨が皆ユーロになったためです。

構成する6通貨だけで、全体的なドルの趨勢がわかるのだろうかという疑問も、当然ながらありますが、要は継続して見る限りにおいては、それなりに意味はあると、個人的には考えています。

ある通貨に対してドルが強くても、別の通貨に対しては弱いことから、ドル自体が総合的に見て、強いのか弱いのかを見る上では、このインデックスは、結構役に立っていると思います。

さて、現在のこのドル・インデックスを見ますと、ダブルトップ(ふたつの山)を形成し、いったん戻してはいるものの、その後、大きく下げるようにも見える一方、これからドル高がさらに進行するようにも見えます。

つまり、大きな分岐点にきていることがわかります。

ただし、個人的には、今のドル高はフェイク(だまし)だと見ています。

それは、実にテクニカル的な理由からです。

  • ドル・インデックス 月足(ダブル・トップ)

では、ダブルトップ・フォーメーションについてご説明しますと、ダブルトップ(双子山)が形成されて、ネックラインを切ると、トップとネックの高さ分、ネックから下がるというのがこのパターンの教科書的な法則です。

これを、ドル・インデックスで、ざっくりと申し上げますと、トップが104.00近辺、ネックが88.00近辺、トップとネックの高さは16.00となりますので、ネックラインの88.00をブレイクすると、ネックラインからトップとネックの高さ分さらに下がるというもので、つまり88.00-16.00=72.00がターゲットになります。

しかし、ダブルトップが形成されつつあるということは、多くのマーケット参加者が気づき、昨年後半、ショートにしたのだと思います。

そのため、オーバーソールド(over-sold、売り過ぎ)になり、今年に入って反発しているのに過ぎないと見ています。

これで、ここからドル先高感が強まりロングが積み上がると、逆に、ネックラインをブレイクするパワーが出てくるように思います。

事実、シカゴIMMの通貨先物の円ポジションは、長らく円ロング(ドルショート)でしたが、3月16日時点で割と大きく円ショート(ドルロング)に転換するなど、マーケットはセンチメントだけでなく、実際にもポジションを円のようにドルロングになってきているものが現れています。

また、ユーロやポンドでも、ドルショートが減少してきており、このことがいずれの相場に影響を与えるものと思われます。

ダブルトップのような有名チャートは、多くのマーケット参加者がその形成に気づくため、ポジションがドルショートに偏りやすく、こうした反発によって、ショートポジションが減り、また一部ロングになってこそ重くなって初めて、本来の法則が現実化するものだと思います。

そういう意味で、これから3カ月ぐらいが正念場ではないかと見ています。