前回掲載した前編では、ミラーレスは高品質な交換レンズが使えることから、デジタルズームや簡易的なアタッチメントレンズに頼らなければならないスマホよりも高画質で撮影できることを解説しました。

しかし、デジタルズームやアタッチメントレンズを使わずに済むスマホ単体の撮影と比較しても、基本的にミラーレスはスマホよりも高画質に撮影できます。今回の後編では、その理由を解説していきましょう。

  • スマホよりもミラーレスのほうが高画質に撮影できるのは、高品質なレンズの存在だけではない

明るさが乏しい夜景や室内が失敗なくきれいに撮れる

ミラーレスは、イメージセンサー(撮像素子)がスマホよりも大きいことが画質の高さに寄与しています。多くのスマホで使われているイメージセンサーのサイズは1/2.3インチ(6.2×4.7mm)~1/3インチ(4.8×3.6mm)ですが、ミラーレスのなかでも小さい部類に入るマイクロフォーサーズは4/3インチ(17.3×13mm)です。これを面積比で比較すると、マイクロフォーサーズはスマホの約7.7~13倍もの広さとなります。

  • スマホやミラーレスで使われているイメージセンサー(撮像素子)の例。一番左が最新スマホで使われている1/2.3インチのイメージセンサーで、受光部はとても小さい。それよりも右がおもにミラーレスで使われるもので、順に1インチ、4/3インチ(マイクロフォーサーズ)、APS-C、フルサイズとなる。1/2.3インチとの面積の差はかなりのものだ

イメージセンサーのサイズの違いは、特に薄暗い夜景や室内撮影で顕著な差が生じます。スマホではノイズが目立ったり、明るさが足りずに暗く写ったりするようなシーンでも、ミラーレスならば大半の場面できれいに仕上がります。また、ミラーレスは高感度撮影に対応しているため、スマホだとスローシャッターになって手ぶれや被写体ぶれで失敗してしまいがちなシーンでも、失敗を抑えてきれいに撮影できます(暗いシーンでも問題なく撮れるスマホも一部あります)。

  • 薄暗い室内にあったギターのヘッドをミラーレスで撮影。大型のイメージセンサーを搭載し、高感度に対応していることもあって、手持ちだったが見た目通りにきれいに撮れた

  • 同じシーンをスマホで撮影。露出不足(明るさが足りない状態)になってしまい、見た目よりも暗い仕上がりになってしまった