「子育て中にチャレンジしたいことができた」「復職に備えて資格を取得したい」……。そんなスキルアップをしたいと考えているママはいませんか。筆者は、子育てをしながら資格取得、高校卒業をしました。今回は、そんな筆者が3度にわたって経験した子育て中のスキルアップ術をご紹介します。

  • 子育てとスキルアップを両立させる秘訣は?

    子育てとスキルアップを両立させる秘訣は?

最大の悩みは勉強時間の確保!

筆者は、1人目・2人目・3人目出産後のそれぞれで「資格取得」と「通信制高校卒業」を成し遂げました。下記の表のようにどれもしっかり勉強時間を確保する必要があり、子育てや家事をしながら「どうやって勉強時間をつくるか」に頭を悩ませました。

  • 筆者の資格時間と子どもの年齢

    筆者の資格時間と子どもの年齢

筆者は元々お金の管理が苦手でしたが、「もっと貯金ができるようになりたい」とお金のことをより知るためにファイナンシャルプランニング技能検定(以下、FP)3級を勉強しました。

子どもが生後3カ月になった頃、子どものお昼寝時間を利用して勉強を始めました。しかし、子どもの夜泣きが続くとテキストを開いた途端に睡魔に襲われ、気付けばテキストを枕に寝落ち……試験日まであと少しなのに勉強が全く進んでいない状況に。焦った筆者は、試験日直前に慌てて夫へ子どものお世話を頼むことにしました。夫は案外、子どもと2人きりの時間を満喫していてうれしそう。もっと早めに頼んでおけばよかった……と感じました。

お金の勉強をしたことで無理な節約をしなくても貯金ができるようになり、マイホームの頭金と子どもの教育費を貯めることができ、夫も喜んでくれました。

家事とレポートに追われて大ピンチ!

2人育児も慣れた頃、子どもたちがもう少し大きくなったら働きたいと、求人情報サイトをのぞくようになりました。すると、応募条件には「高卒以上」の文字。筆者は高校を中退していたので、「いまからでも高校卒業をして働き先の選択肢を広げたい」と、託児所がある公立の通信制高校へ編入学することを決意しました。

(1)徹夜でレポート作成……親子でイライラ、生活リズムを崩す

いざ入学してみると想像以上に勉強時間が取れませんでした。子どもが遊んでいる隙に勉強してみても、筆者が何かし始めるとセンサーが働くのか「ママも一緒に遊ぼう」とすぐにお誘いが入るので、即勉強中断。幼稚園の行事や子どもの体調不良が続くと、1週間全く勉強できないことも。提出期限が近いのにレポートが溜まっていると精神的にも追い詰められました。

そのうち睡眠時間を削って夜中3時頃まで勉強するようになり、寝不足で常にイライラ状態に。ちょっとしたことで子どもを怒り、子どももみるみる不機嫌になっていきました。また、子どもとお昼寝する時間が増えたことで、子どもの就寝時間が遅くなり……その分、勉強時間も遅くなり……親子で生活リズムが崩れる悪循環になってしまいました。

(2)夫から「家事もしっかり」と言われてショック……

子育てとレポート作成に追われて、どんどん家事が溜まっていくようになりました。そんなとき、夫から「もっと家事もしっかりやってほしい」と言われ、家族に迷惑をかけてしまって申し訳ない気持ちがありながらも、「この大変さをわかってくれていない……」と夫に対して否定的な感情を抱いてしまいました。

このままでは生活も勉強もままならず、子どもや夫との関係性も悪くなる。この状況を改善しようと夫と話し合いをすることにしました。そこでまずは、夫に現状と自分の気持ちを伝えました。

・家事が負担になっている
・勉強時間が足りていない
・このままでは卒業を先延ばしにしなくてはならない
・仕事をするために「高校を卒業」が必要
・筆者も働くことで家計にプラスになる

筆者の気持ちを知った夫は、どうしたら家事育児がうまく役割分担できるか一緒に考えてくれました。そんな夫の行動がとてもうれしく、「協力してくれている家族のためにも必ず卒業するぞ」とやる気が出ました。そして、家事育児がスムーズになったことで徹夜をしなくても勉強時間をつくり出せるようになりました。レポートもすべて提出することができ、無事に高校を卒業できたのでした。

夫婦のコンビネーションとスマホ活用でさらにチャレンジ!

FP3級、高校卒業と勉強を重ねていくうちに、お金の知識を活かして仕事がしたいという気持ちが強くなった筆者。そこで、もっとお金の専門知識を深めようとFP2級にチャレンジ。3人目出産後すぐのことでしたが、夫と上の子どもたちの間にはしっかりと信頼関係ができていて、ママが少々忙しくてもどこ吹く風です。高校在学時に培った夫婦のコンビネーションで勉強時間をしっかり確保できました。

さらに、細切れ時間を活用するためスマートフォンでの学習も多く取り入れました。また、献立アプリやスケジュール管理アプリなど、生活面でもスマートフォンを多く活用したことで家事の効率も上がりました。

勉強時間をつくる3つのポイント

それでは、子育てと家事で精一杯だった筆者が勉強時間をつくるために大切だったポイントを大きく3つに分けて詳しくご紹介します。

ポイント1.勉強時間を決めてメリハリをつける

子どもたちの活動時間中は、できる限り一緒に遊ぶことにしました。公園でボール遊びやおにごっこをして遊ぶと子どもたちも大喜びで、ママの運動不足も解消。日中にたくさん身体を動かすことで子どもたちの睡眠も深くなり、生活リズムが整いました。

勉強は子どもたちが就寝後、夜12時までとルールを決めました。筆者の場合、時間を決めて勉強することで、より集中して取り組めました。睡眠を十分に取ることで、日中の活動効率もよくなりました。

ポイント2.夫に協力してもらい、勉強時間を確保

夫へスキルアップをしたい理由やいま困っていることを伝えたことで、夫婦で目標や課題を共有でき、夫がよき理解者になってくれました。また、「今年卒業するまで」「1月の試験が終わるまで」と期限を決めたうえで、家事育児の分担を増やしてもらえるように。夫が家事育児の負担を増やしてくれたおかげで、まとまった勉強時間が取れました。

ポイント3.一問一答式の問題集アプリで効率アップ

筆者が問題を繰り返し解くのに便利だったのが、一問一答式の問題集アプリです。ちょっとした時間にサッと1問だけでも問題を解くことができ、解答後すぐに解説を読めるのもラクでした。解答にかかったタイムや正解答率も表示されるので自分が苦手なところがわかり、効率的に勉強ができました。

筆者が子育て中にどうやって勉強時間を確保してスキルアップをしてきたのか、勉強時間をつくる3つのポイントをご紹介しました。筆者はスキルアップしたことで、「自分に自信がついた」「やりたい仕事を見つけて活かせている」「家族の絆が深まった」といいこと尽くめでした。ママでもスキルアップを目指して、新しい扉を開いてみませんか。

イラスト=オオノマサフミ