何をしようにも、どこに行っても溢れている「数字を伸ばし続けなければならない」というプレッシャー。そのプレッシャーは「ノルマ」という形で重くのしかかり、「新規提案先への架電100件」「●件アポが取れるまで帰れない」といったものや、時には「売れない分を社員が買い取る」といったように社員が過剰に身を削って頑張らなければならないケースもあることでしょう。

会社で働いている以上、利益が上がるように、成果が伸びるように仕事をすることは重要ですし、数値的な目標を共有することが必要な局面もあります。ただ、晴れの日があれば雨の日もあるように、成果の上がるときもあればそうでないときもあるはずです。

限界があるはずの成果が「常に伸び続ける」のを前提に諸々の計画が立てられていることによって、現場で働く人々に必要以上にプレッシャーがかかっているような状況もあるように思います。

「帰っちゃダメだ!」みたいに精神的な負荷をかけられてもいい仕事ができるとは考えにくいですし、うまくいかないことを社員の「頑張り」という抽象的なもののせいにしていては、問題の根本的な解決にはなりませんよね。

そもそも、数字を伸ばすことは「役に立つ商品を作る」「面白いアイデアを世に出す」といった目的に後から結果として付いてくるものであって、そればかりを目的にしてしまうと精神的につらいことが多いはずです。

数値的なプレッシャーの中で振り回されていると感じたら、自分の仕事の本来の目的が何であったか(上の人々はそれを忘れていないと感じるか)、整理してみるといいかもしれません。

理不尽に対して感覚を麻痺させないために、与えられたプレッシャーが自分のためになるかどうかという視点を持っておきたいものです。

Jecy

メルヘン・ファンタジーな世界観に、科学・哲学などの題材を絡めた絵を描き、身の回りの様々な物事への好奇心を沸き立たせるような作品制作を目標に活動中。 ぼさつの宿ったこむぎこたちが、時に自らの形を変えながら仏教の哲学を語る「こむぎこをこねたもの」をはじめとしたキャラクターシリーズも展開している。

【Webサイト】
【Twitter】
【LINEスタンプ】