こんなお話があります。

修行の時間、「一言も喋らない」というルールを決めて瞑想に集中している修行僧たちがいました。その中の一人が、部屋の明かりが消えそうなのに気づき、つい「ろうそくの火が消えそうだ」と口走ってしまいます。

それを聞いた周りの修行僧たちは、「おい、喋らないという決まりじゃないか!」と次々に口を開いてしまったのです。

他人の間違いを指摘したり、他人について語るとき、ついついそれまで自分を律していた気持ちが緩んでしまうことがあります。図書館で騒いでいる人に対して「静かにしなさい!」と大声で怒鳴るようなものですね。

また、何か問題を抱えていたり、精神的に余裕がない時も人のことについてあれこれと言ってしまいがちになることがあります。

他人の過ちなどについて語ったり、他人の粗探しをしている間は、自分自身のことや自分の抱えている問題を見つめなくてもいい、自分が正しいという気分になれるものです。

普段は気にならないことなのに、急に周りの人にあれこれと言いたくなった時や、他人の振舞いが気になるようになった時ほど、自分の内面をチェックしてみてはいかがでしょう。

自分を弱らせている問題の存在に気づき、もやもやとした状態を変えるきっかけを掴めるかもしれません。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。