明日12月8日は、ブッダが悟りを開いた記念の日とされ、
お祝いの行事(成道会)が行われます。

これにちなんで今週は、
こねたものたちも目指している「悟り」に関する
世界観を少し紹介したいと思います。

「ブッダ(仏陀)」とは、
もともと「悟りを開いた人物」という称号のようなものでした。
釈迦(ゴータマ・シッダルタ)が悟りを開いて作った仏教の中では、
ブッダ=釈迦という認識で、
他の悟りを開いた人物は「阿羅漢」など別の呼び方をします。

「八苦」の回などで紹介したように、ブッダは
「生きるということは思いのままにならない苦しみに満ちている」と考え、
「苦」が生まれる仕組みや真理を見極め「苦」を抜け出す(悟りを開く)方法を
見つけ出して、そのための修行法を多くの人々に教えていきました。

「苦」を脱した悟りの境地を表した言葉に、
「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」というものがあります。
「一切の煩悩がない悟りの境地(涅槃)は、
心が静かでやすらいでいる状態(寂静)である」と言った意味で、
仏教を代表する3つの教え(三法印)の中に数えられています。

三法印の中の他の2つ、
「諸行無常(変わらないものなどない)」と
「諸法無我(確固たるものや自由自在な意思などない)」を完全に理解することで、
涅槃寂静の境地に至ることができるというのが仏教の世界観です。

「悟りを開く」と言うと、
とても壮大なものに思えてしまうかもしれませんが、
世界の仕組みや人間の心、
また「苦しみ」について考え抜かれた仏教の哲学の中には、
日常の中でついついとらわれてしまいがちな思考から自由になったり、
余計な不安を和らげたりするためのヒントや、
この世界を観察し発想を豊かにするための
様々なアイデアが詰まっていると筆者は思います。

そういった少し「ゆるっと」したスタンスで
仏教の哲学について紹介していけるよう、
こむぎこ寺一同、邁進する所存です。

■こむぎこをこねたもの、とは?

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。「こむぎこをこねたもの その2」「こむぎこをこねたもの その3」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。