発売中の905iシリーズから標準で搭載されている「地図アプリ」は、かゆいところまで手が届く使い勝手の良いユーザーインタフェースや、充実したデータベースなど、無料で使える機能だけでも十分に魅力的だ。さらに、有料のナビゲーションサービスも、基本機能に負けず劣らずの充実ぶりだという。今回はナビゲーションの強化点を中心に、地図アプリの魅力をひも解いていきたい。

PC連携やトータルナビゲーションなど、充実の有料サービス

地図アプリは、無料部分と月額315円の有料部分に分かれている。有料サービスには、「サーバ連携」や「ナビゲーション」「乗換案内」など、実用性の高いものが多い。90日間は無料で試すことができるため、地図アプリに慣れた頃に使ってみるのもよいだろう。

サーバ連携とは、「PCの画面でも同じ登録情報や履歴を見られるサービス」(山田氏)で、会社にいる時はPC、外に出たらケータイというような使い分けが可能になる。これだけでも十分実用的だが、ちょっとした遊び心も忘れていない。

「写真を地図上に保存する機能も用意しています。地図からカメラを起動して、撮った写真をPCと共有することができます。例えば、穴場のお店の場所を撮ってサーバに登録しておいたり、オススメの釣り場などを写真として残しておいたり、ということができるのではないでしょうか」(山田氏)

地図上に写真を保存できる。気に入ったお店を撮っておいたり、自分の1日を振り返るための日記代わりにしたりと、使い方はユーザーの工夫次第。実験的な試みを多数行っているのも、地図アプリの特徴だ

「無料のものも多いので、あえて機能を追加した」(山田氏)という、乗換案内も便利だ。地図アプリでは、「電車の移動中もナビゲーションを続ける」(日高氏)のが特徴。乗換案内を利用すると、「徒歩~電車~徒歩」というルートでも、途切れずに最後までルートを追い続けるそうだ。

「今までは電車に乗ると、ナビが途切れてしまいました。地図アプリでは、路線のルートも揃えているので、電車に乗っている最中でもナビを続けることができます。何時の電車に乗って、何時に乗り換えればいいのか、ということもシームレスに表示されるので、分かりやすいですよ」(日高氏)

乗換案内にも対応。電車移動中もルート案内を継続する。シームレスなのも特徴で、地図上に電車の時間などが表示されるため、遅れることなく目的地にたどり着けそうだ

ナビゲーションに定評あるゼンリンデータコムだけに、地図の見せ方も上手い。

「主要な国道や幹線の交差点などは、3D表示に対応しています。写真からデータに起こしているので、グラフィックも綺麗です」(山田氏)

「主要都市の駅は、周辺の風景をパノラマ表示することもできます」(日高氏)

これだけ機能が充実していれば、地図が苦手という人でも、しっかり目的地までたどり着けるだろう。無論、ナビゲーションの精度など、細かな点もチューニングを重ねているという。使いこなせば、きっと315円が「安い」と感じられるはずだ。

3D表示や、パノラマ写真表示にも対応している。なお、これらの機能を含め、地図アプリでは、通信を多用する。画面の解像度も高いため、データ量も多い。パケ・ホーダイへの加入は忘れずに

端末に合わせたアプリを提供し、最適な使い勝手を実現

従来、ドコモはコンテンツに対してオープンな立場を貫いていた。GPS関連サービスに関しても、auが、ナビタイムとがっちり手を組んだEZナビウォークを提供しているのに対し、ドコモはナビタイムやゼンリンを初めとした、さまざまなアプリケーションを自由にダウンロードできる仕様を採用していたのだ。

ところが、地図アプリはゼンリンデータコムと提携し、ドコモ自身がサービス提供者となっている。なぜ、あえてドコモ自身がコンテンツを手がけたのか。

「905iシリーズの機種には、色々な形状があります。出来る限り最適な地図表示ができるように、アプリもひとつひとつ端末に合わせて最適なものに調整しました。例えば、ダブルオープンスタイルのP905iでは、横に開くと地図も横になります」(日高氏)

ダブルオープンスタイルのP905iや、"ヨコモーション"のF905iのように、個性的な形状の905iシリーズ。地図アプリは、これらひとつひとつの機種に最適化し、使いやすさを追求している

端末を手がけるドコモが主体となることで、より、それぞれの機種の特性に合わせたサービスを展開しやすくなるのだ。905iシリーズ以外の機種に向けて今後提供されるダウンロード版も、それぞれの端末に合わせた最適化を行っているという。先に挙げたように、ユーザーインタフェースが分かりやすくなったのも、ドコモが提携したからこそといえるだろう。

iDなどに対応した店舗が見つけやすくなれば、ドコモにとってもメリットがある。無料部分が想像以上に充実しているのもそのためだ。

「お試し期間終了後に、そのまま有料登録してもらえれば、データなども受け継ぐことができます。今までの端末に搭載していたアプリは、あくまでも"お試し"というスタンスでしたが、地図アプリは無料部分だけでもちゃんと使えるサービスになっています」(山田氏)

ただし、「iモードは原則オープン」という立場を貫いてきたドコモだけに、競合他社を排除するようなことはしていない。

「90日間のお試し期間が過ぎると、ナビタイムさんへのリンクも表示されます。その意味は、完全排他のサービスではありません」(山田氏)

ワイドVGAディスプレイやFOMAハイスピードに完全対応したことで、地図の価値はますます高まった。地図アプリが905iシリーズのキラーコンテンツになる可能性も、十分考えられるだろう。ドコモによると、今後は、例えばキッズケータイのような、メインストリームのシリーズ以外でも検討していくという。おサイフケータイでリアルな世界へと進出し始めたドコモのケータイだが、地図アプリによって、その動きはさらに加速していきそうだ。