情弱 -- この情報社会にあって、なんとせつない呼び名だろう。本連載ではリレー形式で何人かの執筆者に、恥をしのんで自身の情弱ぶりを披露してもらい、同じ悩みでひそかにこまっているネットユーザの助けになってもらおうという、たいへん自虐的な試みのコーナーである。
もっとも情弱パーソンだからこそ、できなかったことができるようになったときのオドロキとヨロコビは大きい。「おおっ、こんなに楽しい世界があったのか!」と一気に視界がひらけてゆく感じはなんとも心地よいものである。情弱な方はこの連載で悩みと解決策を分かち合い、そうでない方は情弱のあわてふためきぶりに「あーあ、まったく」と苦笑していただければ幸いである。
さて、第1回からしばらくは、小誌のビジネス英語コラムなどでもおなじみの本多義則氏に、Apple TV設定にまつわる情弱ぶりを発揮していただこうと思う。
先日アップルストア銀座でApple TVを買った。映画のレンタルがオンラインでできるというのがなんとなく良さそうに思えたので。
使用感をレポートする前に、このApple TVが使えるようになるまで、いくつかの紆余曲折があったので今回はそれを話していこうと思う。
Apple TV購入編 - アップルストアのつよーいオシャレ感に圧倒される
アップルストア銀座の1階はiPhoneやiPad、Macなどの主力製品売り場でごった返している。Apple TVはなさそうだったので周辺機器売り場の4階へ。
エレベーターに乗ろうとしてボタンを押したら、そばにいた警備員さんから「何もしなくていいですよ、全自動ですから」と声をかけられた。
なんと、アップルストア銀座のエレベーターの籠の中にはボタンがなく、全自動で全階止まるようになっているのだ。だからエレベーターを呼ぶボタンを押す必要もない。エレベータの外観も壁と一体化していて、最初は気づかなかったくらいだ。さすがアップル、建物も外装内装共にデザインがしゃれているなあ。
さて4階に着き、Apple TVはどこかいなと探したが見つからないので「アップルテレビはどこですか」と店員さんに尋ねる。
「はい、ここですよ」と案内された場所は、端っこの絶対気づかないような棚で在庫も少ない。発売されたばかりなのにこの扱いはいったい???という感じだ。
ここで不思議そうにしていたからなのか、「Apple TVはテレビではないですよ」と店員さんからやさしいアドバイス。ええ、それはわかっていますよ。そんなに素人に見えたんでしょうか……。
多少凹みかけているところへ、外国人の店員さんがHDMIケーブルを慣れた手つきで、すっと差し出す。連携プレーか? HDMIケーブルは市販のものが半額以下で買えるのだが、威圧感に負けてケーブルも御購入。Apple TV 8,800円、ケーブル1,800円、合計1万600円也。
Apple TV 設定編 - 大量のエラーメッセージになすすべなし
家で箱を開けると、なんという本体の小ささ! iPhone並みですな。小さなリモコンが付属している。
まずはHDMIケーブルで37型テレビに接続っと。テレビの外部入力をHDMI 1にすると出ました、メニュー画面。映画、YouTube、Podcastなどが選択できそうだが、まだ何もコンテンツは見えない。
ネット接続はイーサネット/無線LANのどちらでもOK。iPhoneを買ったときにお店で貰った無線LANのFONルーターがあるので、テレビの画面上でリモコンをピコピコと押して、いつもiPhoneで使っているFON_FREE_INTERNETを選択。
テレビ画面上は変化がない。
今回の情弱ポイント
そうそう、ホームシェアリングとやらを設定しないとね。これを設定するとPCのiTunesに保存しているコンテンツをApple TVでも共有できるんだよね。これを設定しないと、何も始まらないよね。
PCのiTunesでホームシェアリングを入にするために、詳細メニューからApple IDとパスワードを入力。Apple IDは前から持っているので問題ない。
次にApple TV側で同様の入力をする。付属のリモコンが小さいため、ボタンを押し間違えたが、なんとかApple IDとパスワードを入力完了。しかし、「Apple IDが見つかりません、またはパスワードが間違っています」とエラーメッセージが出る。
うーむ。なぜ???の嵐。
PC側も含めて何回やっても同じ。
今日はこれくらいにしよう。明日になれば使えるようになっているかも……しれない。
賢明な読者はご推察のことと思うが、私はある勘違いをしている。が、それに気づくのは1週間先のことである。
つづく…