グリッドの設定変更で図形の操作を自由に

グリッドとは、オブジェクトを綺麗に揃えるための一種のガイドラインだ。Wordでは、オブジェクトを移動したり、図形を作成したりする際に、カーソルがグリッドに吸着してオブジェクトが揃うようになっている。

ただし、図形は初期設定でグリッドに吸着するようになっているのだが、それゆえに小刻みにしか移動させることができない。結果的に、必ずしもカーソルがグリッド吸着する状態が便利とは限らない例を前回紹介した。

言い換えれば、グリッドにカーソルが吸着しないように設定を変更できる方法を知っていれば、状況に応じてグリッドを使いこなすことができるというわけだ。グリッドの設定を変更する方法は次のとおりである。

Word 2007なら、「ページレイアウト」タブの「配置」から「配置」をクリックしてメニューを表示し「グリッドの設定」を選択する。

Word 2003なら、「図形描画」ツールバーの「図形の調整」をクリックしてメニューを表示し、「グリッド」を選択する。「図形描画」ツールバーが表示されていない場合は、「表示」メニューの「ツールバー」から「図形描画」を選択しよう。

「グリッド線」ダイアログボックスが表示され(図1、図2)ここでグリッドに関する設定を行う。なお、Word 2007とWord 2003では、若干ダイアログボックスの表示形式が異なるが設定できる内容は同じだ。

図1 Word2007の「グリッド線」ダイアログボックス

図2 Word2003の「グリッド線」ダイアログボックス

グリッドの吸着の設定を変更する方法

グリッドの吸着をオフにしたい場合、Word 2007ならば最下部の「グリッド線が非表示の時に描画オブジェクトをグリッド線に合わせる」をオフにし(図3)、Word 2003ならば最上部の「描画オブジェクトをグリッド線に合わせる」をオフにすればよい(図4)。これで、オブジェクトはグリッドに関係なく自由な位置に配置・描画できるようになるはずだ。

図3 Word 2007でグリッドの吸着をオフにする方法

図4 Word 2003でグリッドの吸着をオフにする方法

Word 2007における注意

Word 2003から「グリッド線」ダイアログボックスの設定の文言が変わったように、Word 2007では、グリッド線を表示すると無条件でグリッド線に吸着する仕様になっている。

もし、グリッド線が表示された状態で、グリッドに吸着しないように配置や作図をしたい場合はAltキーを押しながらドラッグしてほしい。

なおWord 2003では、グリッドが表示されていても設定を変更すればグリッドには吸着しなくなる。

グリッド線の表示設定

せっかく「グリッド線」ダイアログボックスを表示したので、グリッド線の表示方法や表示間隔についても説明しておこう。

「グリッド線」ダイアログボックスの「グリッド線を表示する」にチェックすると、文書上にグリッドが表示される。この線は、レイアウトのための補助となるガイドラインなので、プリントアウトされない(図5)。

図5 グリッド線を表示した文書

なお、グリッド線の表示だけなら、Word 2007だったら「表示」タブの「表示/非表示」の「グリッド線」、Word 2003だったら「表示」メニューの「グリッド線」で、表示/非表示を設定できる。

通常、横書きの場合、デフォルトでは行グリッド線だけが表示されるが、「グリッド線」ダイアログボックスの「文字グリッド線を表示する間隔」にチェックを付けると、設定した間隔で縦方向のグリッド線も表示される(図6、7)。

図6 ここをチェックすると縦のグリッドが表示される

図7 縦のグリッド線の表示した文書

縦書きの場合、水平方向のグリッド線は「文字グリッド線」、縦方向のグリッド線は「行グリッド線」と逆になる。

グリッドの間隔設定

グリッド線の間隔は「グリッド線」ダイアログボックスの「グリッド線の設定」で設定する。デフォルトは「文字グリッド線」が「0.86字」、「行グリッド線」が「0.5行」だ。ちなみに「文字グリッド線」の「0.86字」は、ポイントでいうと「9ポイント」に当たる。

「行グリッド線」は「0.5行」だが、ダイアログボックス下の「行グリッド線を表示する間隔」が「2本」になっている。これは、実際に表示されるグリッド線は1行ごとだが、オブジェクトが吸着されるグリッドは0.5行ごとになるわけだ。この設定を、「0.25行」と「4本」に設定すれば、表示されるグリッド線は1行ごとで、吸着されるグリッドは1/4行ずつになる。

同様に「文字グリッド線」も、実際の間隔が「グリッド線の間隔」、表示されるのは間隔は「文字グリッド線を表示する間隔」での本数となる。

このように、グリッドは、実際の間隔(オブジェクトが吸着される間隔)と、ガイドラインとして表示される間隔を個別に設定できる(図8)。

なお、グリッド線の間隔の設定は、文字数や行数でなくてもよい。たとえば5mm間隔のマス目のグリッドにしたかったら、「5mm」と単位の「mm」までつけて入力すればよい(図9)。ただし、入力した単位は、デフォルトの文字数と行数に変換されて表示される。

図8 グリッドは、実際の間隔と、表示するグリッド線の間隔をそれぞれ設定する

図9 間隔はmmまで入力すれば、別の単位でも指定できる

グリッドは、デフォルト状態では見えないうえに勝手に吸着するため、オブジェクトの配置時などに不自由に思うことも多い。しかし設定方法がわかれば、積極的に利用できるはずだ。Wordでビジュアル要素を使う文書を作成する機会が多いユーザーはぜひグリッドを活用してほしい。