中国においては、羊は吉祥動物のひとつです

みなさん年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか。筆者は年明けに京都に行きましたが、なんと約60年ぶりという大雪に遭遇しました。宿から出られないのではと心配しましたが、翌日には晴天となり、宇治の平等院を訪問しました。

10円硬貨の表に鳳凰堂がデザインされているように京都を代表する寺院ですね。昨年春に大改修を終えたのですが、建物全体を赤く塗り鳳凰には金箔を施し、創建当時の姿が再現されました。開門同時に入場した時の風景が以下の写真です。

赤と白と、アクセントとなっている鳳凰の金の美しさといったら! そして、池には逆さ鳳凰堂。新年からいいものを見ました。

これぞ冬の京都ですね。鳳凰堂の赤と真っ白な雪のコラボです

1,000年以上に及ぶ羊との共同生活

さて。今年の干支の羊にまつわる世界遺産はないか、考えてみました。

羊を放牧している世界遺産、というものがあります。それって、文化遺産と自然遺産のどちらだと思いますか? フランスの『コースとセヴェンヌ、地中海性農業牧草地の文化的景観』では、古くから羊やヤギの牧畜がさかんに行われてきたのですが、文化遺産なのです。この地の独特の景観は、羊飼いが1,000年以上に及ぶ羊との共同生活の中で生み出されました。

人間と自然の共同作品による景観、ということで分類としては文化遺産になるのです。そうそう、世界三大ブルーチーズのひとつと言われるロックフォールは、羊の乳で作られたものですが、コース地方が発祥です。

道路脇の羊たち。自由気ままに生活しているためか、白い毛がちょっと汚れてしまっています(撮影: 宮澤光)

それから、『モン・サン・ミシェルとその湾』ですが、修道院を背景に、干潟で羊たちが草を食べている風景写真を目にしたことがある人も多いかと思います。この一帯は放牧がさかんで、修道院へといたる道路の両側には牧場が広がっています。この地で食べられる仔羊肉は「プレ・サレ」というのですが、塩分を含んだ草を食べているので、ほのかに塩味がするとか!

遠くにかすむモン・サン・ミシェル。朝はこんな光景がよく見られます

羊の話をすると、やはり食につながってしまいますね。ただ筆者は羊肉が苦手なので、ロックフォールもプレ・サレも、口にできそうにありません……。今年も引き続き、世界遺産の小ネタをお届けしていきたいと思います。よろしくお願いいたします!

筆者プロフィール : 本田 陽子(ほんだ ようこ)

「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。

世界遺産検定とは?

世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。
主催:世界遺産アカデミー
開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)
開催地:全国主要都市
受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円
解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)
申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込み
その他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて