2019年4月30日に幕を下ろす「平成」。マイナビニュースでは、「平成」の中で生み出されたエンタメの軌跡をさまざまなテーマからたどる。この「平成を駆け抜けた番組たち」は、平成の幕開けと同じ時期にスタートし、現在まで30年にわたって続く番組をピックアップ。そのキーマンのインタビューを通して、番組の人気の秘密を探っていく。

第12回は、平成3(1991)年10月にスタートした、TBS系バラエティ特番『オールスター感謝祭』(『2019春』は、4月6日18:25~23:48 ※一部地域は18:30~)。男性司会者は立ち上げ時の島田紳助さんから今田耕司にバトンタッチされた一方、28年間変わらず番組を切り盛りし続けてきたのは、タレントの島崎和歌子だ。そんな島崎に、生放送ならではのハプニングや番組への思いなどを聞いた――。

  • 島崎和歌子

    『オールスター感謝祭』総合司会の島崎和歌子

■18歳で大抜てき「ピンとこない」

――平成が終了するということで、平成最後の『オールスター感謝祭』を前にお話を伺いたく…

なんか切ないよねぇ。でも、始まったときのこと、全然覚えてないや(笑)

――91年のスタート時は、まだ18歳だったんですよね。

18歳の頃ってよく分かんないじゃないですか。『クイズ!当たって25%』という番組をやるのが決まってたんで、それに加えて新しい大きな番組が始まるんだぁみたいな感じ(笑)。やっぱりピンとこないですよ。

――長い歴史の番組ですが、印象に残っている出来事は何ですか?

覚えてるのは、初期のときに(ビート)たけしさんとお兄さんの(北野)大さんが一緒に並んで座ってクイズに参加したことがあったんですよ。やっぱり10代だったので、「わぁ、たけしさんがクイズ答えてる! すごーい!」って思って。

――たけしさんは後に、ピリオドMCとしても出演されていましたよね(笑)

だから本当に歴史を感じますよねぇ。あと、シドニーオリンピックのときに、実際に使う競技場にそのまんま東さん(当時、現・東国原英夫)とか石田純一さんが行ってマラソンしてましたよ。今考えたらお金ありましたよね(笑)。その企画が通るっていうのもすごい。

――クイズのシステムを支えるコンピューターが壊れるなんてこともありました。

今でも危ういもんね(笑)。生放送だと機械の調子が悪くて3秒でも止まると、本当に長く感じるんですよ。「ちょっと待ってください」って言うのも事故じゃないですか。本当に壊れちゃったら、裏ではカラオケ大会のスタンバイしてるらしいんですけど、そんな安易な(笑)。だから、本当に水ものはシャレにならないのよ。

――昔、休憩時間で屋台が出て、飲み物や食べ物を解答席に持ってきたら怒られてましたもんね。

1台でも濡れたら全部ダメになっちゃうんですよ。だから「水持ってこないでって言ったでしょ!!」って注意するんですけど、そうすると今田さんに「言い方がキツい」って言われるんです。でも、芸能人なんてただでさえ甘やかしちゃいけないのに、団体になると言うこと聞くわけないじゃないですか。だからキツく言わないといけないんですよ。女優さんとか俳優さんとかは慣れてないから、口調がキツくて申し訳ないって思うんですけどね(笑)

■「ミニマラソン」名物までの努力

――印象に残ってる企画は何ですか?

馬と人が一緒に走ったの! 大井競馬場で!

――即答ですね(笑)

的場(文男)騎手が乗った馬と井手らっきょさんがどっちが早いっていう“人馬対決”をして、それをクイズにするって、すごいよね(笑)。しかも的場さんが生放送で落馬したんですよ! びっくりしました。

――やっぱり名物は「赤坂5丁目ミニマラソン」ですよね。オリンピックでメダル獲った外国人選手も参加するという、すごいレースになりました。

名物になるまでにはいろんな人の協力があるんですよ。スタッフの方が赤坂の警察署に行ってお願いしたり、赤坂の町内会の皆さんとお付き合いして、一緒に楽しめるようにイベントにしていったんです。始めの頃は全然盛り上がらなかったんですけど、こうやってやり続けることによって沿道が賑わうようになるんですよね。それで海外のすごい選手が来て、あの心臓破りの坂が「キツかった~」とか言うんですよ(笑)。世界のトップランナーの人が、あの坂を走ってるんだよ? 冷静に考えると、すごいおかしくて(笑)。しかも、それもクイズにしちゃうんだから(笑)

――森脇健児さんなんて、人生賭けてますもんね。

森脇さんも付き合い長いけど、限られた全国放送の番組だから、「これは真剣にやらなアカン」とか言って、なんか怖いもん(笑)。でも、こうやって5時間半の中でみんなの注目を浴びる人が誕生する瞬間に立ち会えるというのは、やっぱり生放送の醍醐味だなって思いますね。