新しい情報をコンパクトな形式で伝えるRSSは、ブログ人気とあわせて瞬く間に普及しました。しかし、数日間RSSを読まなかっただけですぐに未読がたまってしまい、やがて読むのを止めてしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、RSSと上手につきあうハックスを紹介します。

よくある問題:情報が溜まる!

本コラムの基本的立場としては、当初、脱RSSリーダーを一種の理想としています。もちろんこれは、読者に押しつけられるようなものではありませんし、RSSリーダーも日々改善されていますから、永遠の指針などでは決してありません。

ただ、RSSに1000+も溜まっていて、どうにかしたいと思い続けるのはばかばかしいですし、あとで読もうと思ってスターをつけている、そのスターが1000+になるのもあっという間です。

更新の多いサイトを数件登録しておくと、すべてのRSSを読むのはかなりの苦労。こうなってしまう人もたくさんいるはずだ

「あとで読む」というツールも便利ですが、メールの受信トレイが読んでもいないおもしろそうな情報であふれかえるのも、望ましい状態だとは思えません。やはり、読む必要のあるものを読み、本当におもしろいものを読み、読まないものは読まないと最初から決めておきたいものです。

とはいえ、方針としてはそんなのは当たり前のことで、どうやってこれを実演するかを考えるのが、私の仕事でしょう。情報は日々膨大に送られてくる一方で、どう取捨選択するかはすっかり個人に任されている。そんな環境の中で、誰もが便利に採用できるうまい方法はないものか。

ライフハック:RSSリーダーを更新頻度で使い分ける

やや唐突ですが、RSSリーダーという非常に便利そうなツールに、少し前非常にはまった記憶があります。いくつくらい試したかは正確に覚えていませんが、ティッカー型、ダウンロード型、ブラウザのアドオン、メールソフトでの管理など、50前後乗り換えてきてしまったように思います。

このようなことは、かなりの時間を無駄にします。1ソフトあたりに1時間程度かけて試したとしても、50時間以上、ただ「試用する」だけで費やしてしまったことを意味します。

このような経緯を経て、いったんRSSリーダーから離れることになったのですが、最近再利用を始めているのは、ちょっと別の利用法を余儀なくされたからです。それは、自分が出した書籍がブログなどでどう批評されているか、ウォッチする目的で使い始めたのです。

こんな使い方をしてみると、各種RSSリーダーを使用方法に従って使い分ければいいのではないか、と思うようになりました。メモと違って、RSSリーダーは基本的に「参照専用」なのですから、インターネットをどんなブラウザで視聴してもいいように、どんなRSSリーダーを使ってもいいはずです。

では、どういった基準で使い分けるのが望ましいか? 一つの基準として、「更新頻度」があると思います。私は今、追っているブログの更新頻度によって、RSSリーダーを使い分けるようにしています。大まかな基準は、以下のとおりです。

(1) 1日に1回未満の更新頻度=ティッカー型でウォッチする
(2) 1日に1回程度の更新頻度=普通のRSSリーダー(Googleリーダー)
(3) 1日に2回以上の更新頻度=マイポータル(iGoogleなど)

なぜこうした方法でやっているかというと、特に(1)と(3)が混ざってしまうことによって、RSSリーダーが一気に手におえないものになると、考えるからです。3日に一度とか、一週間に1度とか、場合によっては月に1度でもチェックしたいブログなどは、基本的には更新さえされれば読むのです。そもそも更新頻度が少ないから、読むことができるということもあります。

そういうブログは、ティッカー型が向いていると思います。新しく更新があれば、その都度知らせてもらうことで、「あ、更新されていたんだ!」という事にならずに済みますし、ティッカー型で「仕事に邪魔が入った」としても、その頻度が非常に少ないものであれば、大きな問題を引き起こしません。

RSSリーダーを使い分けることで、情報を見逃すことが少なくなる。

一方で、1日に7度も10度もエントリが上がってくるブログをティッカー型に登楼すると、たえまなく続くアラートで集中が乱されてしまいます。また、このようなエントリに紛れてしまって、ごくたまに更新されるエントリも見落としてしまいます。

新聞からのニュースもそうですが、非常に多くの情報をあげてくる情報源は、「運良く自分の必要とする情報を拾えればいい」というスタンスでいるより、仕方がないと思います。新聞はもちろん、多くの場合自分の嗜好に合っている情報雑誌でも、隅から隅までチェックするなどということはないでしょう。

まとめ

こうした試みは、最近始めたばかりなので、まだ「確実にうまくいく」かどうかの検証が済んでいませんが、うまくいくような直感はあります。

考え直してみると、更新頻度に合わせて情報の受け取り方を変えるというのは、アナログ情報に対するやり方に似ているのです。

新聞など、「ニュースソース」は私の場合、基本的に「読み流し」でした。これをくまなく読み込もうという気を起こしたことはありません。

一方で、友達が発行した同人誌などになると、これは発行頻度も少ないし、情報(作品)としての価値も疑わしいものながら、読み流したりせずしっかり読み込みます。

そもそも、友達の同人誌と新聞からのニュースが、まとめて同じ媒体から送られてくる、ということはこれまであり得なかったことですが、RSSリーダーを使うと、まさにこうした形式になります。それはそれでおもしろいという面は確かにありますが、そうすると読む際の「真剣度」のコントロールが、難しくなると思うのです。