よくある問題 あっちにあるけど、こっちにない

会社と家では別々のPCを使っているという人は、「常に最新のファイルに同期する」ために、いろいろな苦労をされていることでしょう。最近はセキュリティの問題などがあって、ファイルを外に持ち出せなくなったりするなど、技術は進歩しているというのに、情報を扱う状況はむしろ、悪化しています。

そんな中、特に面倒なのが「情報ファイル」を最新の状態に保っておくことです。インターネットなどで見つけた「役に立つ情報」が、会社、自宅どちらかのPCだけに収まっていたりして、そしてそれが必要だとなると、頭が痛くなります。

こんなことは、そうそうは起こりません。今ではソーシャルブックマークがありますから、ローカルのお気に入りだけに入っている「大事な情報」などまずありませんし、あるいは「あとで読む」などを使って、自分にメールしておけば、インターネットメールからアクセスできるからです。

ただ、自分のメールにキャッシュ情報を送ることを、あまりやりたくないという人はきっといるでしょう。連絡手段としての受信トレイを、使いにくくしてしまうからです。あるいは、特に重要だと思った情報だと「ブックマーク」せず、「紙copi」などを使ってローカルに保存したくなることも、あるかもしれません。

なぜなら、ソーシャルブックマークなどを使ってしまうと、それほど重要でもない情報の中に、大事な情報が紛れ込んでしまうからです。「普段使っている容れ物」には大事な情報を入れたくない。そう考えるのは人情です。

しかしこれこそがトラブルのもとともなります。情報に限らず、「大事なものだから他のところにしまっておく」ということをすると、「大事なものに限ってなくす」という、よくある罠に落ち込むものです。「モノも情報も一元化せよ」とは、こうしたことを未然に防ぐためのアドバイスなのです。

それでも、とびきり有益そうな情報は、ついローカルに保存してしまうかもしれません。特に、特定の仕事に関連した、有用性の高いPDFなどを、関連するローカルフォルダに入れたくなるのは自然です。

ライフハック:SugarSyncを使う

結局のところこの問題は、ごく一部の情報だけを、ローカルフォルダにまとめておきたいという欲求から来ています。

たとえば私は、紙copiというソフトを利用していて、これをいわばエクスプローラ代わりにしています。書籍執筆など、プロジェクトごとにフォルダを1つ作り、そこへネタや原稿をためていきます。

ネタとなる情報も、ここに入れることが多い

ここで時々悩むのが、ネタとなる資料をネット上に見つけたときです。あとで読むを使えば、Gmailに集まるからどこからでも参照できますが、受信トレイにノイズが散らかる。Diigoにクリップすれば、同じくどこからでも参照できる上に、受信トレイを散らかさないので、ほとんどそうしますが、逆にいえば仕事と関係のないネタに紛れ込んでしまう。フォルダと同じ名前のタグを用意する方法もありますが、ネットネタの参照のためだけに、いちいち執筆中Diigoを探しに行くのはピンと来ない。

そうなると、紙copiのフォルダに直接ネットからの情報を収集するというやり方が便利なのです。紙copiはそのために特化した機能を持っていますから、この点でとても使いやすい。が、これをすると今度は、そのネタは取り込んだPCのフォルダにしかない、という事態が発生します。私はこの問題で、もうずいぶん長いこと悩んできました。

しかしこの問題はつい最近、完全に解決しました。それは、SugarSyncというサービス を見つけたことによります。これを使うことで、複数のPCの、ターゲットフォルダの内容を完全同期させておくことができるのです。

英語サイトだが、ほとんど直感的に使うことができる。フォルダ名などには日本語でも問題ない

SugarSyncの使い方は簡単です。専用のソフトを各PCにインストールして、ターゲットとなるフォルダを追加していけば、それがデスクトップ・フォルダだろうと、マイドキュメントだろうと、同期してくれます。無料の試用バージョンでも10GBまでは、45日間利用できます。

もちろん、あまり大量のファイルを「同期する」となると、時間がかかりすぎるなどの問題が発生しますが、「とりあえず仕事で常時使うフォルダ」だけを同期するようにしておけば、あまりトラブルにも見舞われません。

とりあえず、デスクトップ上のフォルダを1つ、マイドキュメント上のフォルダを1つ、複数台のPCで同期してみると、きっとその便利さに打たれると思います。