「Google Glassってスマートフォンと一緒に使うんだよね?」と聞かれることがあります。設定のためにスマートフォンまたはパソコンが必要になりますが、Wi-Fi接続があれば、Glassだけでも色々なことができます。

逆にGlassだけでも一昔前のスマートフォンぐらいのことができると想像している人も多いのですが、Webブラウジングすら自由にできません。Glassはスマートフォンのコンパニオンや代わりではありません。GlassはGlassなのです。

Googleは、スマートフォンやパソコンとは役割が異なるメガネ型のネットデバイスとしてGlassを提案しています。そしてGlassをユニークなウエアラブルデバイスたらしめているのはハードウエアではなく、今回紹介するユーザーインタフェース(UI)なのです。

誰もが迷う初期画面

スリープを解除すると、時計が表示されたメイン画面が現れます。初めてGoogle Glassを体験した人は皆、アプリのアクセス方法で迷います。例えば、スマートフォンで写真を撮影するならアプリ一覧でアイコンをタップしてカメラ・アプリを起動しますが、どこを探してもGlassにはアプリの一覧画面がありません。

スリープを解除すると表示されるGoogle Glassのホーム画面、時計の下に「Ok glass」。

ホーム画面の時計の下に書かれている「OK Glass」と言ってみると、ボイスアクション(音声コマンド)の一覧が現れます。パソコン的な発想だと、「Camera」とか、「Run camera」とか言ってアプリを起ち上げるのかなと思いますが、違います。

Glassではアプリを起動させるステップが不要で、いきなりアクションです。写真撮影なら「Take a picture」と言うと、すぐにカメラが合焦してシャッターが切れます。

ホーム画面で「OK Glass」と言うと現れるボイスアクション一覧、Glassではアプリのラウンチャーのような役割。「Take a picture」と言うと……。

中央でピント合わせが行われて写真撮影。

右横のタッチパネルをタップしてスリープ解除、「OK Glass, Take a picture」…… スリープ解除から撮影完了まで、ほんの数秒です。ちなみに私は頭を上げたらスリープ/スリープ解除されるように設定しているので、首を振って「OK Glass, Take a picture」でパシャっ。感動的な便利さで、これを一度体験してしまうと、デジカメやスマートフォンのスナップ撮影のステップが煩わしく思えてきます。

写真撮影だけではありません。メッセージ送信なら「OK Glass, Send a message to...」、道順を調べるなら「OK Glass, Get deirection to...」です。このボイスアクションを使って、シンプルに、すばやく目的の操作を完了できるのが、Google GlassのUIの最大の特徴と言えます。

設定:頭を上げるだけでスリープ/スリープ解除を行える「Head Wake Up」

設定:Google Glassの着脱でオン/オフを行える「On-Head Detection」。オン/オフ・ボタンの押し忘れがなくなり、バッテリーの節約になる

標準アプリだけではなく、サードパーティ製を含めて、他のアプリもボイスアクションを使った操作が基本です。

だから、例えば、音楽アプリ「Google Play Music」をインストールしたら「listen to...」、Evernoteアプリをインストールしたら「Take a note」というボイスアクションが追加されます。

アプリ名やアプリのアイコンの一覧がなく、ボイスアクションだけですから、Glassを覗いて何ができるかは分かるものの、どんなアプリが入っているのかは分かりにくい。でも、Glassのような操作の制約があるデバイスでは、アプリを探すよりも、機能から逆引きするようなUIの方が効率的に操作できると思います。

アプリ名やアプリのアイコンによるアプリ一覧がないGoogle Glass。Google Play Musicアプリをインストールすると、ボイスアクション一覧に「listen to...」という音声コマンドが追加される。

ボイスアクション一覧で「listen to...」、そしてアーティスト名を言うとGoogle Musicからストリーミング再生が始まります。

すばやくやる必要のないことや、比較的頻繁に使わない機能、例えば写真の共有や画像処理などは基本的にタッチパッドを使った操作になっています。撮影した写真が表示されている状態でタップすると、機能メニュー画面になるのでスワイプを使って「Share」「Send」「Delete」などを移動して選択(タップ)します。ホーム画面に戻るには下スワイプ。「戻る」ボタンに相当するジェスチャーです。

右側面がタッチパッド。

Google検索(音声コマンド「OK Glass, Google」)など、文字の入力は音声で行います。ソフトウエアキーボードのようなツールはありません。

1文字ずつタイプするのは、話して入力よりも時間がかかる(=バッテリーを消費する)ので、Google Glassの使い方に適していないということでしょう。ただ、音声だけだと「MYNAVI」のように音声認識させにくい言葉を調べられないのでちょっと不便です。

Glassは、なかなか高機能なWebブラウザを搭載していますが、文字をタイプできないのでURLを入れて特定のWebページにアクセスするような使い方はできません。ブラウザは、検索結果にリンクされたWebページを表示するのに使います。せっかくのブラウザがもったいない気がしますが、検索がGlassでのWebブラウジングの入り口なのです。

「Sochi」と検索、結果トップはCNNのオリンピック前日レポート。スワイプすると、次の結果が表示されます。

検索結果からCNNのオリンピック前日レポート・ページにアクセス。ブラウザはけっこう使えます。ページ内のリンクを開きたい時は、2本指でタッチパッドに触れると中央にポインタが現れるので、頭を動かして中央のポインタにリンクを合わせてタップします。

ホーム画面でタッチパッドを前の方にスワイプするとタイムラインが現れます。写真、メッセージやメールの通知、検索結果、再生した音楽など、Glassでの全てのことがカード形式でタイムラインに追加され、前にスワイプしていくと過去に遡れます。このタイムラインを行き来して、Glassでは過去の情報やデータにアクセスします。

タイムラインを遡って、18時間前に行った検索にアクセス。

タイムラインですばやくスワイプすると、一気に数日前まで移動できます。

Google Glassの基本的な操作方法

Google Glassは、シャッターチャンスを逃さずに写真を撮ったり、メッセージに短く返信、またはわからないことをその場でさくっと検索するというような今を便利にするデバイスです。UIもそのように使われるように設計されているため、使っていて制約があると感じるのは否めません。もっと自由にWebブラウジングできたらな……と思うことが度々です。

でも、Glassがスマートフォンをメガネにしただけのようなデバイスだったら、Glassをかける理由を見いだしにくくなるでしょう。制約となっても、"すばやく"そして"シンプル"に使えるものであってこそ、メガネ型デバイスの特徴が活きて、スマートフォンやタブレットでは体験できないモバイルの世界が広がります。

Glassに限らず、それがウエアラブルの存在意義につながるように思えます。