業界によって異なるが、「企業の中核を担う屋台骨的な存在として働く年代」と言えば、40代を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。この年代ともなれば、管理職などの役職にも登用されるようになり、それに伴い年収も増えてくる。その一方で、育児や介護のダブルケアに直面したり、子どもの教育費がかさんだりと、何かと支出が増えがちな時期でもある。

そこで本特集では、ファイナンシャルプランナーの佐藤章子氏に、40代を迎えたら最低限知っておきたいテーマの基本を解説してもらう。今回は「子どもの教育費」だ。

  • 子どもの教育費はいくらかかる? どうやって貯める??(※写真と本文は関係ありません)

子どもの教育費はどのくらいかかるのでしょうか。保険会社などは高額な金額を提示していますが、必要なデータはできるだけ生の統計値などを参照する習慣をつけてください。

国の統計値も、国の都合の良いように切り口を変えているときもあるという前提で考えてください。「間違い」とは言えないまでも、必要なデータとして「不適切」なときがあります。「教育費」という切り口で統計値を検索すると、官公庁や民間を問わず複数の機関で公表しています。横断的に比較してみると、いろいろと見えてくるものがあります。

「すべて私立」という選択肢を選ぶと……

次の表は文部科学省の平成28年度の学習費総額の調査結果で、幼稚園から高校までの教育費の総額を算出しています。その中の学校教育費を集計すると、幼稚園から高校卒業までにかかる費用は次のようになります。

幼稚園以外はすべて公立ならば788,437円

幼稚園と高校が私立、それ以外は公立ならば1,267,547円

すべて私立ならば2,941,707円

  • 公立・私立別の幼稚園から高校卒業までにかかる費用

「日本政策銀行の調査(H30年)」によると、大学の教育費は入学金と4年間の授業料のみで公立は約503万円、私立は約755万円という結果です。一般的な幼稚園と大学を私立、その他を公立として考えると学校教育費の総額は約928万円となります。さらに学校外活動費をみると、幼稚園から高校まで80万円~135万円ほどかかっています。

  • 高校と大学の入学金および授業料