2020年は、いまのところ世界的な新型コロナウイルス感染症の流行で、様々なことが停滞気味ですが、それでも構わず地球は回っています。では9月以降にどんな宇宙ネタ・ニュースがまっているのか!? 恒例企画の「宇宙どうでしょう?」で、シロウトでも楽しめるものを中心にご紹介いたしますねー。

9月~10月

夕方の空でとにかく明るいのが木星です。で、今年は木星と土星が夕方の空に並んで見えています。これは12月にかけてさらに接近していきますよ。この光景が見られるのは、20年ぶりで、次は20年後です。ってなことを前回書きましたね。

さて、この木星&土星のさらに月が接近すると見ものです。9月25日、10月22日・23日、さらに11月19日、12月17日は、カレンダーに印つけといてちょうだい!

10月1日は中秋の名月ですな。10月になるのはちょっと珍しいです。

  • 中秋の名月

    中秋の名月

10月6日、火星が地球に再接近します。その赤く、異様の明るい様子で「なにあれ?」という感じでよくわかります。接近は、地球が火星を軌道上で追い抜く2年2か月に1度なのですが、追い抜きポイントにより距離は変わります。今回ほどの接近は、2033年まで見られません。国立天文台が詳しい解説を用意しています。

iPhoneやXperiaなどの最新スマホは、星も楽々撮影できます。日々の位置の変化も面白いので、おいかけて見てはいかがでしょうか。

なお、9月中は10時すぎが見頃です。月との接近は9月5日・6日、10月2日・3日、それに10月29日ですな。

火星探査機は、この連載の第183回でご紹介した7月に打ち上げられた3機が元気に火星に向かっています。到着は来年。楽しみですなー。

参考:どこでもサイエンス 第183回 2020年の宇宙どうでしょう? (7-8月編)

なお、火星を見て記念証をもらおうという、火星観測週間の企画を、日本惑星協会がやっています。8月から10月末までです。参加してみてはいかが?

ロケット打ち上げなどはSpaceFlight Nowから主なものを拾って見ます。

9月中に、米スペースX社が、2回のスターリンク衛星群の打ち上げを予定しています。1度の打ち上げで60機の通信衛星をばらまき、今年の年末までに地球のどこでも高速インターネットに接続できるようにするという計画です。夜空が衛星だらけになり天体観測に支障がでるというので、国際的に問題になっており、衛星を黒くするなどの対応がとられていますが、さてどうでしょうか。

10月14日には、ロシアのソユーズロケットで、国際宇宙ステーションに3人の交代要員が打ち上げられます。

10月23日以降には、スペースX社のファルコン9ロケットが、クルードラゴンの実用機を打ち上げます。すでに試験機で2人の宇宙飛行士の往還に民間初の成功をおさめており、今度は本番です。日本人宇宙飛行士の野口聡一さんもこの任務にあたりますな。

11月〜12月

火星は離れていきますが、まだまだ見頃です。

12月21日と22日、木星と土星はどんどん近づき、夕方の西空にぴたーっと寄り添う様子が見られます。超大接近なんて言われています。仙台市天文台つるちゃんの解説がわかりやすいかな。

12月6日、宇宙探査では、いよいよ日本の小惑星探査機はやぶさ2が地球に帰還します。無事にサンプルカプセルをオーストラリアに落下させられるか? 緊張の瞬間ですな。

  • はやぶさ2

    小惑星探査機「はやぶさ2」と分離した再突入カプセルのイメージCG (C)JAXA

12月13日-14日は、ふたご座流星群の極大です。1年で一番多くの流れ星が見える時期になります。今年は月もなく、一晩中好条件です。また近づいたらお知らせしますねー!

ロケット打ち上げでめぼしいものは、年末にアナウンスされている中国の月探査機「嫦娥5号」ですね。月の石を採集して持ち帰るという、サンプルリターンミッションが予定されています。成功すれば1976年の旧ソ連のルナ以来になります。はやぶさ2も小惑星のサンプルリターンをしますが、月の方がはるかに重力が大きく、着陸・離脱ともにまったく違う技術が使われるはずです。

米国のボーイング社の有人機「スターライナー」も年末に打ち上げをアナウンスされています。ただし、無人でのテストですね。スペースX社に水を開けられていますが、すぐにおいつけるでしょうか?

新型コロナウイルスに気を取られているうちに、どんどん進む日々ですが、引き続き楽しんで参りましょうー。