2020年は20年に1度の、木星と土星の接近の年でございます。で、その様子がいま、とってもとっても! よく見えていて、年末までさらに接近していくのですよ。

せっかくでございますので、そのあたりお話しいたしますよー!

水星、金星、火星、木星。土星。それに月、太陽。一週間の七曜(日月火水木金土)の名を持つ星は共通点があります。「おちつかない」のでございます。

空の星は、季節とセットで表現されますな。「オリオン座は冬の星座」とか、「夏には織姫・彦星の七夕の星が見える」なんて具合です。

さらにこんな言い方もしますな。「“北斗七星”から“北極星”を見つける」「“さそり座”の隣にある“いて座”」。星というのは、ぱちっと見える時期と配置が決まっているってことなんですな。

星は一度学習すれば、一生その知識が使えるのです。まあ、何千年も街並みが変わらない遺跡にいまも住んでいるような感じなのでございます。ただ、星空全体が1年間で1周、1日で1周の決まった周期で巡っていく。というか1年間というのは、この星空の見え方の変化から決まった期間でございますな。すくなくともエジプトのピラミッドの時代には人類に知られ、カレンダーが発明されていたわけでございます。そしてそれを利用し、日付と時刻をあわせれば星空がわかる、あのぐるぐる回す星座早見が利用できるわけなんですな。ちなみにスマホ用の星座早見アプリを名古屋市科学館が無料でリリースしています。組み立てキットもこちらとかこちらから出ていますので、懐かしむかたはどうぞ! 百均でも売ってたりしますよ。

さて、間が長くなりました。変わらぬ星空について、古代の人々は例外を知っていました。冬に見えたり、夏に見えたり、さそり座にあったり、オリオン座の近くにったりと、じわじわと場所が変化してしまう天体があるのです。それが、日月火水木金土の七曜の名前を持つ星なんですな。

では、どんな風に変わるかというと、こんな感じです。

  • 星の動き

なんというか、フリーダムですな。ただ、まったくのでたらめでもなくて、一定の線の上を動いていくように見えます。

そうなんですね。この線のことを黄道といいまして、日月火水木金土の天体は、だいたい、ここを移動していくのでございます。

ここでは、1年ごとにしていますが、移動の周期は月なら30日くらい、火星は2年くらい、木星が12年、土星が30年でございます。太陽は1年なので、1年ごとにすると動かないように見えてしまいます。ストロボスコープで停止して見えるようなもんですな(なんかビミョーな例えですねー)。金星や水星も1年ごとですが、左右のブレがあり、ちょっとすんなり表現できませんです。ご容赦を!

さて、そんななかで、この移動する天体通しが「接近」することがおこります。月は30日ですから、毎月、他の天体と接近する感じになります。火星は2年でグイグイ移動しますので、12年の木星を2年ごとにぶち抜き、そのさいに接近することになりますな。

ただ、12年の木星と30年の土星だと、ちょいと計算がややこしくなります。結論からいうと20年に1回です。その計算は簡単な算数なのです。小学校の知識で解け、高校受験で登場します。考え方はこうです。

まず、1年で木星12分の1周(360度/12)、土星は30分の1周(360度/30)します。木星の方が速いので、木星は土星に毎年(360度/12-360度/30)ずつ迫っていくことになりますな。30-12ですから、1年あたり18度ずつの接近です。これがつもって360度になればよいので、何年かかかるかをXとおくと、18度×X=360度、つまりX=360/18=20となるのでございます。

今年は、20年ぶりに木星と土星が接近していて。夜9時とかに空をみあげて、一番明るいのが木星、その左にあるのが土星でございます。こんなに近づいて見えるのは珍しいのでぜひチェックしてみてください(図は8月5日午後9時ごろの様子)

  • 土星と木星

    8月5日午後9時ごろの様子

なお、8月17日夜9時には「星空の連帯」というよびかけがあって、この様子を見て(見損なってもよいそう、その時間は残業中もまたよしとのこと)、「#星空の連帯」でつぶやくと、体験がシェアできていいんじゃね。とのことでございます。

なお、図はすべて オープンソースソフトのStellariumで製作しました。では!