一気に秋めいて来ましたね。毎年この季節はおいしいものがたくさん出るので、よく秋の味覚を狩りに出かけます。私は主にコンビニで期間限定菓子などの秋を狩ります。まずりんです。今回は、デザイナーを困らせる言葉のひとつ「なる早」についてです。「なるべく早く」の略ですが、気取ったクライアント様だと同義語の「ASAP(= as soon as possible)」を使われたりしますね。個人的にASAPはダサイと思います。

それは置いといて、とにかく「なる早」を使うクライアント様は多いです。「なる早」と言うのは本当に簡単ですからね……。とにかく急いで作ってほしいというのは、どのクライアントも一緒です。しかしながら、それを言葉通りに受け取って無理して全部の案件を超特急でやってしまうと、なる早の呪いで自分の首を絞める事になります。複数の案件を同時に動かすことが多いデザイナーにとっては、スケジュール管理が重要。どの案件も納期に間に合わせるためには、優先事項を明確にして仕事を進めていかなくてはなりません。

なる早は「崩す」もの

そこで、「なる早」という非常に大まかな指示をできるだけ具体的に分解する必要があります。なぜ多くのクライアントが「なる早」と言ってしまうかというと、それを言えばラクっていうのもまああるんですが、「実際に自分達がいつ頃までに必要なのかよくわからない」または「どのくらいでできるものなのかわからない」というのが理由だったりします。特に後者のように、制作にかかる時間というのは制作現場の人間じゃないとなかなかわからなかったりするので…。そのままなる早を受け付けてしまうのではなく、こちら側から大体の納期の目安を提案することで、クライアントも具体的な納期が見えて来るのでスケジュールを組みやすくなります。

もしこれを読んでいる方がクライアントの立場の方であれば、「いつまでに必要」ということを最初に言っていただけますと、制作サイドもスケジュールを立てやすいので助かります。

ちなみに、デザイナーが嫌がる言葉は「なる早」のほかに「アトヨロ」などがあります。アトヨロは「後はよろしく」の略で、「後はよろしく(君たちの腕を信用してるから任せたよ!)」の場合もありますが、大体は「後はよろしく(俺は帰るけどお前ら後はやっとけよ明日の朝チェックするから)」などの場合がほとんどなので嫌がられます。お気をつけあそばせ~!

まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。「独身OLのすべて」は単行本化されており、書籍/Kindle版が発売中。

※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。