フランスパンを食べると確実に口内がやられる、まずりんです。フランスの人はあんな固いパン食べてるんですかね。知らないだけで、日本のやわらか食パン食べさせたら泣いて喜ぶんじゃないでしょうか。さて、「デザイナー哀の劇場」、第4回はクライアントに関するエトセトラです。我々デザイナーにお仕事をくださりお金を払っていただける、もう本当にありがたいクライアント様ですが、中にはちょっと困ったクライアントもいらっしゃいます。

マンガの中の「彼女系クライアント」ですが、与えてくれるのはフワッとしたオリエンのみ、その後はまるで村○春樹の小説に出てくる女みたいに「私の考えてること当ててみなさいよ」と謎掛けをしてきます。いや、納期がたっぷりあったらいいんですけどね、こういう人に限って、ギリギリの納期なのにそういうことしますからね。ごめんなさい、そこまで以心伝心じゃないんです!当方の力不足で申し訳ございません!!こちらもいろいろなパターンを用意して提案したりしますが、やっぱり最初にある程度具体的な指示があったほうが効率がいいのは事実です…。

他にも、無理難題を押し付ける「かぐや姫系クライアント」、どんどん案が増えて行く「ネズミ講系クライアント」など、世の中にはいろいろなクライアントがいらっしゃいます。ここには到底書くことのできない、モンスターレベルの方もいらっしゃいました…(涙)。こうしたクライアントへの対処法は…対処法なんてあるのかな…。ウ~ン、やっぱりオリエンテーション(以下、オリエン)をきちんとすることが効果的なのかなーと思います。

クライアントへの「オリエンテーション」が重要

デザイナーがデザインの提案を行うに当たって、企画の目的は何か、このデザインで何を達成しなければならないのか、メインターゲットはどの層か、予算の範囲内で制作できるか、納期は間に合うかなど、色々なことを視野に入れなければなりません。そのため、制作の前段階でクライアントの要望を詳しく知る必要があります。この時に重要なのがオリエンであり、オリエンシートです。

オリエン時にできるだけ具体的にクライアントの要望を聞き出し、疑問点がある場合は確認するようにしておくと、デザイン制作が非常にはかどります。オリエンをフワッとしたままにしておくと、何パターンも制作するハメになり結果的に自分の首を絞めることになりますので、ご注意を(中には、オリエン内容をすべて覆すクライアント様もいらっしゃいますが…)。後はもう臨機応変に対応するしかないですね、そんなもんです…。

とは言え、クライアントの要望に応えてこそのデザイナー。その気持ちを強く持っているからこそ、デザイナーは日々頭を振り絞り自分の時間を削ってクライアントの期待に応えるべくがんばっているわけです。だからこそ、知ってほしいのです。デザインは魔法の力で一瞬でできるものではない、その後ろには必ず制作者がおり、膨大な時間が費やされていることを…。

まずりん
デザイナー/マンガ家/イラストレーター。モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト「モアイ」(講談社)で「独身OLのすべて」を隔週連載中。「オモコロ」でも不定期でマンガを寄稿している。2014年3月下旬には「独身OLのすべて」が単行本として発売される予定。

※この漫画はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。