ブームは去ったかのようにも感じる「仮想通貨」ですが、その普及は世界中で着実に進んでおり、今後もさまざまなシーンでの活用が期待されています。本稿では、「仮想通貨に興味はあるけれど、なにからどう手を付ければいいかわからない」というような方向けに、仮想通貨に関連するさまざまな話題をご紹介。仮想通貨を2014年より保有してきた筆者の経験から、なかなか人には聞きにくい仮想通貨の基礎知識や歴史、未来像などもわかりやすくお伝えします。

今回のテーマは、「仮想通貨の買い時と売り時」。

  • 仮想通貨の買い時と売り時

「上がったら売り、下がったら買う」or「上がったら買い、下がったら売る」

仮想通貨に投資して資産を増やしたいと考えたとき、「一体いつ買っていつ売るのが良いんだろう?」と感じるかもしれません。株や為替、不動産に比べると仮想通貨は価格が激しく動いていますから、「あ! 買えば良かった……」「しまった、売っておけば良かった……」と思うこともしばしばあるでしょう。

新しい投資領域である仮想通貨とはいえ、他の投資と基本的には変わりありません。基本は、「安く買って高く売ること」です。投資や資産運用だけでなく、商売でも一緒ですよね。

ですので私の場合、「仮想通貨の価値が下がったら買い足すかそのまま保有し、上がったら必要な分だけ売るかそのまま保有するだけ」です。下がらない限り買い足すこともしませんし、必要な分以上に売ることもしません。特に複雑な分析や取り引きを行っているわけではなく、買ったら放置。長期保有しているだけで、チャートも月に1度見るか見ないかです。

「投資」というくらいですから、投資したことを忘れるくらいがちょうど良く、精神衛生上もその方が良いと考えています。仮想通貨は投資した翌日に価値が倍増することもありますが、倍増するということは半減する可能性もあるということです。そういった仮想通貨の特性や市場の状況を理解した上で投資しないと、投資ノイローゼになってしまうでしょうね。

将来残る仮想通貨を選ぶ「目利き力」が必要

本連載のように仮想通貨に関する情報を発信していると、「私たちのコインを紹介してください」「私たちの新しいコインに投資しませんか?」という連絡をよくいただきます。基本的に直接存じ上げない仮想通貨を紹介することはありませんし、投資することもありません。

なかには「資金調達に協力してください」というご依頼もいただくのですが、新たに資金調達をしないと運営がままならないような仮想通貨企業であれば、投資家から集めたお金を返金してすぐに運営を辞めた方が良いのではないかと思います。

仮想通貨は「実態のない投資やビジネス=虚業」と感じるかもしれませんが、開発や広報活動、企業との提携などを行う十分に実態のある事業です。ですので、株式投資をするときに投資先の企業を選ぶのと同様に、投資先の仮想通貨を選ぶ必要があります。

経営陣の経歴や実績、将来のビジョンや事業計画などを見て、その仮想通貨に投資するかを判断しないと、投資は失敗してしまうでしょう。

日本を含め、仮想通貨に関する法整備が各国で進められています。規制に耐え得る仮想通貨企業でないと、淘汰され消滅してしまうかもしれません。

投資したら、ひたすら応援すること

仮想通貨に関するコミュニティはオンライン・オフラインを問わず数多くありますが、なかにはコミュニティに「なかなか価値が上がりませんね。詐欺だ!」などとネガティブな投稿をしている方もいらっしゃいます。

そのような書き込みをしている暇があるなら、その仮想通貨の可能性を1人でも多くの人に伝えた方が有意義です。仮想通貨の価値が上がる仕組みはシンプルで、「売りたい人よりも、買いたい人と保有し続けたい人を増やせば良いだけ」です。

ネガティブな投稿をすれば、それを見た人がその仮想通貨を売ってしまうかもしれません。自分で自分の資産を減らしているようなものですから、何のメリットもありません(価値をあえて下げて、買い足したいというのなら別ですが)。

株式投資でも仮想通貨投資でも同様ですが、投資したら投資先をひたすら応援することです。応援にもたくさんの方法があります。「追加で投資する」「その企業の商品やサービスを購入する」「良さを人に伝える」「情報発信する」などなど、できる応援はいくらでもあります。

次回は、「仮想通貨のロックアップやバーンってなに?」についてご紹介します。

執筆者プロフィール : 中島 宏明(なかじま ひろあき)

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。
現在は、SAKURA United Solutions Group(ベンチャー企業や中小企業の支援家・士業集団)、しごとのプロ出版株式会社で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。監修を担当した書籍『THE NEW MONEY 暗号通貨が世界を変える』が発売中。