資生堂は1月10日、美容医療に迫る高い効果と安全性を両立し、日常的に使用できる独自構造(※1)の次世代マイクロニードル(※2)を開発したことを発表した。

  • 独自構造の次世代マイクロニードル(イメージ)

    独自構造の次世代マイクロニードル(イメージ)

今回、開発したマイクロニードルは、「注入」と「押圧」の2つの機能を備えた新しいアプローチによるもの。

独自の注入機構で、皮ふを傷つけずに皮ふ浅層(角層を含む表皮)に有効成分を注入すると同時に、皮ふ深部(真皮以下)に押圧刺激を与え、免疫・血管・コラーゲンなどの細胞外マトリクス(※3)に関連する遺伝子群の発現状態を変化させる。これにより、表皮・真皮・血管を包括的に活性化し、たるみ、バリア機能、しわといった複合的な肌悩みを改善することが明らかになった。

  • 次世代マイクロニードルの作用機序

    次世代マイクロニードルの作用機序

ナイアシンアミドを配合した次世代マイクロニードルにて連用試験を実施した結果、通常の塗布と比較して、より短期間でのしわ・透明感の改善が認められた。顔の下半分の体積変化の評価を行った結果では、2週間後に顔の下半分の体積が有意に減少。たるみグレードの有意な改善も確認し、8週間後にほうれい線がより浅く、短く変化した。

  • ナイアシンアミド配合で、たるみ・バリア機能・しわ・透明感の複合的肌悩みを改善

    ナイアシンアミド配合で、たるみ・バリア機能・しわ・透明感の複合的肌悩みを改善

※1 特許出願済み:特願2020-166213、特願2022-056466
※2 マイクロスケールの超微細な針。角層に極小の穴をあけることで、薬剤の皮内送達や細胞の賦活化を促す手法として、化粧品・医療分野での活用が進んでいる
※3 生体組織において細胞間隙に存在し、網目構造、ゲル状を呈したタンパク質と糖質からなる複雑な不溶性の高分子会合体のこと