「ふるさと納税」は聞いたことがあるけど、よくわからない。「ふるさと納税」をやってみたいけど、難しそう。そんな方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、1からふるさと納税について紹介していきます。ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際にふるさと納税をやってみて感じたことを交えながらお伝えいたします。

  • 地方の生活コストは本当に安いのか? - FPが地方に移り住んで感じたこと - 第70回「改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (3) ふるさと納税できる上限額について」

    改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (3) ふるさと納税できる上限額について

ふるさと納税の金額は家族構成で異なる

ふるさと納税では、自己負担額の2,000円を除いた金額が所得税(復興特別所得税を含む)および住民税から控除される制度があります。しかし、その制度が反映される寄附金額には、上限が設けられています。

上記の上限は、ふるさと納税を行う人の給与収入と家族構成で異なります。そこで、自己負担額の2,000円を除いた「全額控除されるふるさと納税額(寄附する額)の年間上限額」を表にしました。全額控除される年間上限を超えた金額を寄附した場合は、全額控除の対象とならないので、ご注意ください。

記載している表はあくまでも目安ですので、概算金額としてご参考になさってください。

【表の注意点】

・表は、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていない会社員等(給与所得者)のケースです。また、年金収入のみの人や個人で事業をされている人は表の上限額とは異なります。
・社会保険料控除額については、給与収入の15%と仮定しています。
・「共働き」は、ふるさと納税を行う本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていない(配偶者の給与収入が201万円超の場合)ケースです。例えば、夫が会社員(ふるさと納税を行う人)、妻も会社員であり、妻の給与収入が201万円を超えている場合。
・「夫婦」は、ふるさと納税を行う人の配偶者に収入がないケースです。例えば、夫が会社員(ふるさと納税を行う人)、妻が専業主婦(収入ゼロ)の場合。
・「高校生」は、16歳から18歳の扶養親族のことです。なお、中学生以下の子供は控除額に影響がないため、計算には入れません。例えば、「共働き+子1人(小学生)」の場合は表(1)、「夫婦+子1人(幼稚園児)」の場合は表(2)、「共働き+子2人(高校生と中学生)の場合は表(3)の金額をご参照ください。

【表の見方】

・給与収入300万円で独身の人は、28,000円のふるさと納税であれば自己負担額2,000円を除いた26,000円が所得税および住民税から控除されます。28,000円を超えるふるさと納税をした場合、超える金額分の自己負担が増えることになります。

・夫婦それぞれがふるさと納税をすることも可能です。

■夫の給与収入 : 450万円・妻の給与収入が350万円 である場合
→ 夫 : 52,000円以下 妻 : 34,000円以下

夫婦で収入を合算すると800万円なので、129,000円までふるさと納税ができるということではないのでご注意ください。家族であっても個々で計算します。世帯の合算収入ではありません。

  • (単位:円)※出典:総務省のふるさと納税ポータルサイト「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」一部抜粋して執筆者加工

    (単位:円)※出典:総務省のふるさと納税ポータルサイト「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」一部抜粋して執筆者加工

さきほどもお伝えしましたが、この表は、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていないケースです。子供が大学に進学、iDeCo(確定拠出年金)に加入、生命保険や地震保険に加入などがあった場合も、全額控除されるふるさと納税の年間上限額は変わります。

詳細は、次回以降お伝えいたします。