ボコッとした縄状のケーブル編みが特徴的な「アランセーター」は、羊毛の風合いを生かした乳白色のものが有名です。名前は知らずとも、誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

デニムや軍パンによく合いますが、コーディネートに迷われる方も多いようです。というのも地厚なセーターは合わせ方次第で、野暮ったく見えてしまうからです。

特にアランセーターはその厚みに加え、ケーブル編みの主張が強いことも要因の一つでしょう。スッキリと着こなすコツを、『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者が解説します。

  • 厚手の手編みニットが「微妙に見える」人のポイント

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素材感の相性を考えよう

アイルランドのアラン諸島で編まれてきたこのセーターは、「漁師が寒さを凌ぐために着ていたフィッシャーマンズと呼ばれるジャンル」と言われています。乳白色の色も相まって、ノスタルジックでナチュラルな風合いが印象的ですね。

ここで大事なことは、アイテムがもつ風合いとの相性です。例えば、テカテカした化学繊維のダウンジャケットにアランセーターのようなナチュラルな風合いは合わせづらいく、浮いてしまう印象を与えます。

それよりは、天然繊維のウールベースのコートの方がなじみます。特に40男がアランセーターを着た時、ウールのコートだと上品で大人っぽく見えるのです。

  • アランセーターをチェスターコートに合わせた、「上品な」大人向けの着こなし

    アランセーターをチェスターコートに合わせた、「上品な」大人向けの着こなし

もしダウンジャケットを合わせるならば、ウール調のダウンを選んでほしいですね。

首元に注意する

元々は漁師が寒さを凌ぐためのアイテムという背景から、ピタッとしたサイズ感が好まれるアランセーターですが、トレンドを意識して「あえて」サイズを大きくする方もいるでしょう。

そのチョイス自体は問題ありませんが、首元がヨレているものは、清潔感の観点からいただけません。

アランセーターに限らず、ニット全般に言えますが、特に象徴である乳白色の色合いは、首元がヨレていると「古着感」がより強調されるからです。

古着を上手に着こなせる審美眼をお持ちならば構いませんが、一般の中年男性に「服装に無頓着でだらしない人」に見えてしまうので避けるべきでしょう。

アランセーターを着こなす場合、「素材感の相性」と「首元のヨレ」を意識して着こなしてみてください。