前回のコラムでお伝えした「ポストコロナを見据えた理想の働き方を考える」については、いかがでしたでしょうか。これまでのステップで向き合ってきたご自身のキャリア・スキル・理想の働き方を、改めて振り返ってみましょう。

今回はこの連載テーマの最後の章になる「将来に訪れるかもしれない壁」について考えていきます。

  • 女性のライフワークバランスを考える - 将来の「壁」を想定するために

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自分の軸を定める

コロナ禍で在宅勤務が主軸になった方も多いのではないでしょうか。このような状況下では、将来のライフイベントを見据えるのは少々難しいかも知れません。しかし「今」のキャリア・働き方を、この先も継続できるのか考えてみたときにはいかがでしょうか。

現在、初産の平均年齢は30.7歳。

ちょうど平成初期(1989年~1995年)に生まれた、ミレニアル世代が親になり始めている時代です。

晩婚化が進んだことによって、働き盛りである30代の出産が増えており、それはキャリアの昇進などの「責任範囲の拡大と重なる時期」でもあります。夫婦ともにキャリアアップのタイミングが重なることもしばしばあるでしょう。

また育児だけでなく、夫の転勤や家族の介護など、ライフイベントによる転機は多岐にわたりますよね。そこで、子育てや家事、仕事など色々な軸で、あなたの価値観となる「譲れないもの」や「妥協できるもの」を整理してみましょう。

例えば私の場合は、出産後も仕事をセーブせずにキャリアを継続していきつつ、将来の育児期には、子どもの成長にあわせて柔軟な行動をしたい。また心の余裕を持っていられるようにしたいと考えました。そこで、それを実現するためには時間と場所にとらわれない環境が必要だと思い、DINKS時代に行動に移しました。またプライベートでも叶えたい夢があるので、その夢を叶えるために譲れないものと、そうでない軸を定めています。

このように仕事でもプライベートでも軸を定めておくと、自身が納得した取捨選択、適切な行動が取れることでしょう。

「ちょっと先の未来」を考える

次は、ちょっと先の未来を見据えて整理していきます。

例えば「育児との両立」を軸にキャリアを考える場合、子どもの成長とともにライフスタイルは数年ごとに変化していきますよね。

例) 5年未来年表

2020年  夫38歳 私36歳 長女5歳 長男3歳
2021年
2022年 ★長女 小学校入学
2023年 
2024年 ★長男 小学校入学
2025年  夫43歳 私41歳 娘10歳 息子8歳

このように1年刻みで書き出してみても、5年間だけでも子どもの成長に伴う環境の変化が訪れますね。10年後はまだまだ想像できなくても、5年先のことならこのように想定できることがあるものです。

何年後に子どもが小学校に入学するのか、家族全体でどんなライフイベントがあるのかを可視化するためにも、このような簡単な未来年表を書き出すことはおすすめです。また自身の親の年齢も考えると、介護も視野に入れないといけないこともあるでしょう。

そういったライフイベント時に、前述で整理をした「譲れないもの」はどう継続できるのかを考えてみましょう。

完璧でなくていいんです。なんとなくでもイメージをすることが第一歩につながります。この未来年表については、ご自身はもちろん、パートナーがいる方は是非一緒に書き出して、考えてみてくださいね。

今回の連載テーマでは、キャリア女性が考えるべき5つのことをお伝えしてきました。私たち女性がキャリアを継続するにあたり、いざ壁にぶつかってから考えるのではなく、事前にその「壁」想定することで、準備や回避ができることもあります。少しでも何かの気づきやヒントになれば幸いです。