前回に引き続き、ベルリッツの新コース「ベルリッツ・ビジネス・プラス」の話をしよう。

今回は、まずプログラムコーディネーターのHika Itoさんに本コースのコンセプトの説明をしていただいた。

今回、筆者の"先生"となってくれたベルリッツのプログラムコーディネーター 伊藤日加氏は日系カナダ人。日本語/英語ともにネイティブという、英語オタクにとってはうらやましい限りの存在。"日加(Hika)"という名前には、「日本とカナダの架け橋に」というご両親の思いが込められているそうだ

「ベルリッツ・ビジネス・プラス」は以下の6つのコースからなり、すでに「ミーティング」「プレゼンテーション」の提供が開始されている。

  • 「ミーティング」「プレゼンテーション」…9月1日より開始

  • 「ネゴシエーション(交渉)」「電話応対」…11月2日より開始予定

  • 「社内コミュニケーション」「海外出張」…12月14日より開始予定

本コースはベルリッツの顧客の次のような声に応えて作られたという。

  • 「来月初めてのプレゼンがあるんです。とりあえず、どうすればいいんでしょうか?」
  • 「来月大事なミーティングがあるんです。自分の意見も言えないんです。どうすればいいんですか?」

とまあ、1カ月後に英語でプレゼンやミーティングをしなければならなくなったが、どうやればよいか皆目検討もつかないという人向けのコースというわけだ。

このようなビジネスで使われる英語の特徴は、簡単で、効果的で、丁寧なコミュニケーションであるという。ビジネス英語というと、難しいというイメージがあるのだが、どうやらそうではないらしい。

「ビジネス英語とは?」とHikaさんに問いかけられ、つい「It's a very difficult question...」とあいまいに逃げようとした筆者に対し、「No, it's not difficult.」とばっさり。この3つ - 簡単(easy)、効果的(effective)、丁寧(polite)をしっかり抑えることが重要なのだそうだ

まず「簡単」については、難しい単語を使わずに、重要な単語を強調して発音することにより相手に、より正しく伝えるということ。

たとえば、The only person who can make a difference is you.という文章では、onlyとyouが重要なので強く発音する。日本人の英語の発音は抑揚がなく平板だと言われるので、気をつけたい。

次に「効果的」について。たとえばミーティングを設定する場面では、PURPOSE(目的)、DATES(日時)、AGENDA(アジェンダ)、DEADLINE(締め切り)の4つをカバーすることで、効果的なコミュニケーションができるいう。これらを踏まえると次のような文章になる。

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Hi Ricardo, I'd like to set up a meeting to talk about the report on Tuesday or Wednesday.

Also, if you'd like anything on the agenda, could you let me know by 3:00 tomorrow? Thanks.

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最後に「丁寧」について。たとえば外国人同士の会話に割って入る際に、May I interrupt? ではいけない、つまり丁寧ではないということだ。じゃあどうすればよいかというと、That's a good point, but I think we need to... または、I don't agree with that. I feel that we...と、相手の発言をいったん受け止めることが丁寧な入り方であるという。

この簡単、効果的、丁寧をコンセプトにしているのが「ベルリッツ・ビジネス・プラス」である。

取材の最後に、Hika Itoさんからプレゼンテーションのデモセッションを受けた。プレゼンテーションには構成がある。開始(Opening)、本文(Body)、結び(Closing)、質疑応答(Q&A)の4つだ。これらについては、言うべき内容と、その言い方に基本形がある。その基本形を繰り返し練習して身体に叩き込むこと、それが本コースの内容といえる。

Hikaさんは空手に例えて話してくれた。「空手には型があるでしょう。最初は何も知らない状態。次に少しずつ型を覚えていき、実践練習をしていく。すると、少しずつ実践でも形になっていくんです」

ビジネス英語以外にもいえることだが、何事もまずは基本となる型を覚え、次に自分なりにアレンジしていく。英語もしかり、なのかもしれない。

デモセッションでは、プレゼンテーションの開始(Opening)の部分の型を学んだ。開始(Opening)は、さらに3つの部分 - Introduction(自己紹介)、Purpose(目的)、Outline(概要)から構成される。

基本的な表現方法を暗記し、その場で立って、擬似プレゼンをする、というレッスンだった。理屈ではなく、身体に叩き込むという雰囲気だ。

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Good morning everyone. My name is Yoshinori Honda, and I am the researcher at Hitachi. ←Introduction

I'd like to spend the next 20 minutes explaining the Japanese cuisine. ←Purpose

I've divided my talk into three parts. First, sushi, second, tempura, and finally, sukiyaki. ←Outline

First, I sometimes go to a sushi restaurant in Yokohama. I like it because ...

Second, ...

Lastly, ...

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これを考えずとも口から出てくるようになるまで練習するのだ。

デモセッションではプレゼンテーションの"型"を徹底的に体にたたき込まれた。何度も同じところでつかえたり、間違えたり… 終了後はぐったりであった。ビジネス英語の心髄は"基本形の繰り返し"にあり!?

英語はしばしばスポーツに例えられる。練習すれば誰でもある程度は話せるようになる、ということだ。練習では、いきなり実戦をするのでなく、まずはテニスの素振りのように、基本形を学ばなければならない。基本の素振りをマスターすれば、テニスのラリーがとりあえずできるようになるのと同様に、英語のプレゼンやミーティングもとりあえずできるようになる。「ベルリッツ・ビジネス・プラス」はあなたをこのレベルまで引き上げてくれるコースだ。

テニスのラリーができるようになれば、もっと上達したくなる。そのためには走りこみやウエイトトレーニングで身体を鍛えることが必要だ。英語も同じ。もっとうまくプレゼンができるようになりたいならば、英語の地力(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)を高めるような、地道な訓練が別途必要になってくる。

英語力アップのためには、まず4要素からなる英語の地力をつけた後で、シーンごとの表現を学ぶのがよいとされてきた

まずは、シーン別の表現("型")をマスターする。次に地力をアップさせる。これが「ベルリッツ・ビジネス・プラス」を活用した英語学習法

今回の「ミーティング」「プレゼンテーション」コースは、私自身、会社から派遣されて受講したいと強く思った次第である。今後、開始される残りの4つのコースも興味深く、期待したい。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる