生産性の管理と測定は、あらゆる規模の企業にとって重要な機能です。2016年の年末には、スマートフォン、モバイルデバイス、デスクトップワークステーション向けのビジネスおよび生産性アプリに対する企業の支出がおよそ580億ドルに達すると予測されています。このように作業環境の生産性向上は巨大な市場であり、テクノロジの進歩や企業カルチャーの変化がさらにこれを後押ししています。パブリッククラウドの普及、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)アプリの登場、ITの多様化、ネットワークとユーザの分散、BYOD(私物デバイスの持ち込み)というカルチャー、CoIT(ITのコンシューマライゼーション)といったさまざまな要素が合わさり、作業環境の生産性に大混乱をもたらしています。

バラクーダネットワークスは、生産性向上ソリューションの業界とSMBの作業環境のニーズを考察した結果、さまざまなトレンドが今後12~18ヵ月の間に登場するのではないかと期待しています。

場所を問わない電子署名(eSignature Everywhere)

グローバル規模で拡大を続ける電子署名ですが、この市場で競争力を発揮するには電子署名の統合が必要です。今後、電子署名機能はアプリケーションに標準搭載されるようになるでしょう。また、電子署名のプロバイダとの統合により、シームレスなユーザエクスペリエンスを提供するアプリケーションも増えると考えられます。バラクーダネットワークスは、このようなユビキタスな環境を「場所を問わない電子署名(eSignature Everywhere)」と呼び、来年の提供開始を予定しています。

CudaSignは、電子署名の統合をリードするソリューションです。包括的で使いやすいREST APIと柔軟なライセンス体系が特徴のCudaSignは、プラットフォームとアプリケーションの統合に適したソリューションとして選択されています。現在、Salesforce、Google Apps、Office 365、その他プラットフォームとの統合を進めています。また、Apple Appストアの電子署名アプリ部門で第1位を3年連続で獲得するという実績も誇ります。CudaSignの統合とOEMオプションについてはこちらをご覧ください。

アプリケーション管理とインフラ管理

2016年は、IT管理作業がインフラ管理からアプリケーション管理へとシフトし、テクノロジ部門に変革が起こると考えられています。今後、多くのシステム管理者がOffice 365やSalesforceなどのSaaSアプリケーションを採用していくでしょう。これと同時に、インフラ管理は合理化されてさらに効率的になるので、インフラ管理に投入されるITリソースは減っていきます。インフラ管理を、IaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)を専門的に提供するMSP(マネージドサービスプロバイダ)にアウトソースする企業も増えるでしょう。

そしてMSPは、企業の生産性向上においてさらに重要な役割を担うようになります。システム管理者はエンドユーザに近いサポートタスクに注力できるようになり、他の部門や部門横断的なチームとも連携しやすくなります。インフラのサポート作業によってエンドユーザに対するサービスが中断されることがありますが、インフラサポートを分離してMSPが請け負うことによって、社内IT部門とMSPの両方がそれぞれの力を発揮できるようになり、両方の効率化が可能になります。

バラクーダパートナープログラムでは、あらゆるレベルのチャネルパートナーにビジネスチャンスを提供しており、MSPにも新たなチャンスが存在します。先頃、米国を拠点にデータ保護サービスを提供するIntronisを買収したことも、MSPのサポート強化へとつながっています。オンラインバックアップストレージサービス、オンラインバックアップソフトウェア、災害復旧サービスの統合を目的に、現在およそ2,000のMSPがIntronisを利用しています。

バラクーダネットワークスのパートナープログラムについての詳細は、パートナーポータルをご覧ください。Intronisについては、こちらの企業サイトをご覧ください。

企業メールの規模が縮小

企業メールは過去数年にわたって着実に増加し、現在では世界の受信ボックスのおよそ25%を占めています(PDF)。この増加の背景には、従業員によるメールチェック頻度が高くなったことと、ファイルストレージやプロジェクト管理の手段としてのメールの活用が進んだことがあります。ところがこれは、作業環境に破壊的な変化をもたらし、効率低下の原因にもなっています。

バラクーダネットワークスは、この問題をアプリケーションで解決しようとする企業が増え、それが企業メールの規模縮小につながるのではないかと考えています。Slack、Yammer、Asana、HipChat、クラウドストレージ、電子署名といったアプリケーションは、今日の作業環境で求められるコミュニケーションやコラボレーション機能を提供することができます。企業からメールが消えることはありませんが、社内メールを禁止する企業も現れています。他にも、メール禁止ゾーンを設けたり、自社のニーズを満たす専用アプリケーションに切り替える企業も存在します。

電子署名は、生産性ギャップを解消するツールとして人気が高まっています。バラクーダネットワークスの電子署名ソリューションであるCudaSignは、ドキュメントの処理にかかる時間を最大90%短縮できます。詳しくは、こちらのCudaSignのサイトをご覧ください。

教育機関をペーパーレスに

教育機関には、管理作業とペーパーワークが付きものです。教材の請求、承諾書の請求、医療に関する免責同意書、入学願書など、さまざまな書類を管理しなければなりません。テクノロジは授業や教室に変革をもたらしていますが、学校の管理事務所や保護者や生徒の期待も変化しています。

バラクーダネットワークスは、2016年、紙からデジタルへとワークフローが大きくシフトし、自動応答機能の採用が進むと考えています。また、Webでアクセスできるフォームやモバイルアクセスが増え、ペンを使った署名から電子署名へとほとんどのドキュメントが移行すると予測しています。

このトレンドは、学校と保護者の両面で生産性の向上をもたらします。学校ではペーパーワークが減り、保管が必要な書類が少なくなり、印刷に使用するサプライや機器のコストが低減します。保護者は、学校から配布されるドキュメントに簡単かつ迅速にアクセスできるようになります。トランザクションとコミュニケーションのデジタル化は、学校の管理事務にかかる時間と手間の削減へとつながります。

契約をペーパーレスに

あらゆる規模の企業が、デジタル署名とデジタル契約のメリットを評価しています。コスト削減、利便性の向上、トランザクションにかかる時間の短縮はすべて、電子署名が広く普及した要因です。また、電子署名アプリケーションは、トラッキング、アカウンタビリティ、災害復旧などの機能も備えています。紙の書類を減らすことは環境保護にも役立ちます。

バラクーダネットワークスは、契約に電子署名機能を採用する企業が増えていることを踏まえ、2016年には紙ベースの契約書が30%減ると予測しています。紙ベースのワークフローは、今日のビジネスのスピードに付いていけないだけでなく、電子署名ワークフローが可能にするセキュリティやコスト削減効果も期待できません。

バラクーダネットワークスは、ユーザと管理者の生産性向上を目的にしたソリューションを提供しています。そして、ITのシンプル化と業務の簡素化に向けたソリューション開発を目標に掲げています。バラクーダネットワークスのソリューションについて詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。

バラクーダネットワークスの生産性チームとは、LinkedInでつながることができます。

Ken Grohe:エマージングプロダクト担当SVPおよびゼネラルマネージャ
Chris Hawkins:電子署名担当ゼネラルマネージャ
Thor Clark:エンジニアリングおよびインテグレーション担当シニアディレクタ

※本内容はBarracuda Product Blog 2015年12月7日Productivity Outlook for 2016を翻訳したものです。

クリスティーン・バリー(Christine Barry)(バラクーダネットワークス、チーフブロガー)

本稿は、バラクーダネットワークスのWebサイトに掲載されている『バラクーダラボ』1月6日付の記事の転載です。