新入社員時代を経て、20代の後半からやっと仕事の真価がわかり始めたアラサー世代。仕事も人生もこれからという過度期は、様々な悩みも生じる。

企業で働く、企業内独立、経営者など、ワークスタイルが異なる4人に、スキルの磨き方、キャリアアップや人脈の作り方、部下や上司との人間関係など、アラサーならではの悩みや、仕事で工夫していることを語り尽くしてもらう。

5回シリーズの第1回は、アラサー世代が最も気になる職場の人間関係だ。

左から渋谷さん、小堀さん、佐久間さん、反町さん

28歳から34歳までのアラサー男性たち

――28歳から34歳までのアラサー世代の男性たちの座談会をこれから行います。では簡単な自己紹介からどうぞ

渋谷和比古(=以下、渋谷):1986年生まれで、外資系生保の営業部に勤務しています。金融全般に関するコンサルを通じて、お客様と一生涯に渡ってお付き合いできるような信頼関係を築きたいです。また保険以外のことでも、困っていることがあれば、できるだけサポートをしたいと思っています。

目標は良質のコミュニティーを作っていくこと。今の仕事は会社員でありながら、ノルマもなし、成績はいつも自分次第というワークスタイルのため、独立には特にこだわっていません。

小堀豊(=以下、小堀):1981年生まれです。会社の代表を務めています。今年から新事業を立ち上げ、ボディービルディングの教育ジムや、アクセサリーの受注販売事業に取り組み、仲間と一緒に日々精進しています。

佐久間秀彰(=以下、佐久間):1984年生まれです。京王プラザホテルに務めています。2008年に入社して、今年で8年目です。現在は人事部人事スーパーバイザーとして、新卒採用と新入社員の育成に力を注いでいます。

反町好克(=以下、反町):1985年生まれです。公認会計士の集客サービス支援のIT会社の代表、そして映画会社・アジアピクチャーズエンタテイメントの取締役社長に就任、さらに今年はシンガポールに新会社を共同で設立しました。

アジアピクチャーズエンタテイメントは会長と私の二人三脚で推進し、私は資金調達など財務の面から支えています。また公認会計士として企業から相談を受けることが多く、財務から企業の組織作りを支援しています。

クライアントの年配者には知識で信頼を。下の世代には人柄

――4人の皆さんはそれぞれ、経営者、企業の中間管理職、企業内独立といったワークスタイルを持っています。アラサーの社会人に多い悩みが、上司や部下との関係、さらに女性社員との連携。クライアントとのお付き合いも気になるところですね。そこでいきなりですみませんが、関係を円滑にするための工夫や努力を教えてください

渋谷:お客様との関係でいえば、年上と年下では、要求が異なってきます。年上のお客様は、「保険屋」としての知識を重視します。一方、年下のお客様は、どちらかといえば、人柄重視の傾向が多いですね。

年上のお客様には、謙虚を心がけ、学びの姿勢で臨みます。だからといって、へりくだるわけではなく、担当者としての知識を最大限に提供できるように、信頼関係を築いています。

――保険のセールスマンはまずクライアントとの信頼関係が最重要ということですね。では人事部で中間管理職の佐久間さんはいかがですか

佐久間:上司が一人という部署ですから、比較的自由にさせてもらっています。上司にはへりくだらずに、自信を持って接し、わからないことも「知らない」とはっきり伝えています。幸いなことに、上手くいっていますね。

人事部の僕にとって、毎年入社する新入社員の全てが部下といっていいでしょう。配属された部署で、慣れないこともありますから、新人は苦労をしています。だから私は甘やかすことも、ありと考えています。

――離職率という課題も、人事部の大きな仕事ですね

佐久間:新入社員の心のケアを心がけてきたおかげで、離職率も下がってきました。「私に相談したら何とかしてくれる」という砦のような存在でいたいと思っています。

でもある新入社員の「普段あまり接していない人に、相談する気が起こらない」という発言がきっかけで、声掛けを増やすようにしました。

年上の部下には仕事を委任。責任は自分

――では経営者の小堀さんと反町さんはいかがでしょう。反町さんには、映画会社を中心にお願いします

小堀:部下との信頼関係でいえば、まず「約束を守ること」ですね。さらに「金銭的なイニシアティブを握る」こと。これは僕の持論ですが、割り勘にすると上司と部下の関係が破たんします。割り勘ではなく、多めに出すようにしています。

また「逃げない姿勢」も、信頼を勝ち取る上で重要なことだと思っています。

反町:部下は私より年齢が高く、しかもプロフェッショナルな仕事人ばかりなので、プライドを立てながら、仕事を任せています。任せるけど、責任をとるのは社長である私というスタンスをはっきりさせて、ミスした場合にケアをするしくみを作っています。 上司やクライアントに対しては、スピード感と有言実行をモットーにしていますね。

感情論できたら、感情論で投げ返す。「ごめんね」「ありがとう」

――では女性社員に対しては、いかがですか

渋谷:モチベーションが上下しやすいことがあるかもしれません。毎月の営業成績から、女性の方が安定していない傾向があります。メンタルが成果にかなり影響を及ぼしているという結果もありますから、できるだけ、サポートしています。

小堀:同感です。女性の部下には、任せると同時に、サポートも心がけていますね。

反町:相手が感情を出してきたら、「ごめんなさい」「ありがとう」と、感情を表す言葉で答えています。

佐久間:「普段あまり接していない人に、相談する気が起こらない」と言ったのは、女性社員です。女性の本音は、時として企業に対する問題提示につながります。貴重ですね。

(一同):深く頷く。

――女性社員への対応では、皆さん全員一致したようですね。次回は、モチベーションとスキル磨きについて語ってもらいます