Macで作成したファイルを誰かに送るとき、どうしてます? メールに添付もいいけれど、いまどきのmacOSには「共有メニュー」という便利な存在があります。この機能を知ることから、まずはスタートしましょう。

共有メニューを活用しよう

共有メニューとは、macOSに用意されたファイル/データ送信を目的とする画面の名称で、メニューバーなどに表示されている共有ボタン([↑])をクリックすると現れます。FinderやSafari、連絡先などmacOSに標準装備されるアプリの多くが対応するほか、サードパーティー製アプリにも積極的に採用されています。

機能のポイントは"なにかアクションを起こすときに手段を考える必要がない"ことにあります。たとえば、Finderで開いているフォルダにあるPDFを送信しようとするとき、それを選択して共有ボタンをクリックするだけでいいのです。共有メニューに「メール」や「メッセージ」、「AirDrop」などの項目が現れますから、遠くにいる相手にはメールかメッセージで、近くにいる相手にはAirDrop(Wi-Fi/Bluetooth経由)で、といった具合に送信の手段を決めればいいのです。手段を決めたあとは、宛先を選ぶだけです。

  • 送信したいもの(文字列/ファイル)を選択した状態で共有ボタンをクリックすると、共有メニューが現れます

共有メニューに表示される項目は、そのとき選択されているファイルによって変化します。たとえば、JPEGやPNGといった画像ファイルを選択しているときに共有メニューを表示すると、写真共有サイト(ex. Flickr)を選択できるようになります。JPEGやPNGでは写真編集アプリ(ex. macOSに付属の「写真」)が項目に表示されるように。送信を伴わない処理も可能です。

  • 動画(左)とワープロ文書(右)では、現れるアイコンの種類が異なります

項目を選んでスペースキーを押すと現れるプレビュー機能「クイックルック」が対応していることもポイントです。プレビューすれば、アイコン(サムネイル画像)では確認できない部分もわかりますから、内容を確認したうえで送信したいときに役立ちます。

  • 「クイックルック」に対応しているので、共有する前に確認が行えます

知ってトクする、共有メニューのあれこれ

  • 共有メニューをカスタマイズ

共有メニューに表示されるアイコンは、システムにより決定されます。アプリをインストールすると共有メニューに対応しているかどうかが自動的に検索され、対応している場合はシステム環境設定「機能拡張」パネルの「共有メニュー」項目にリストアップされます。Finderやクイックルックで共有メニューを表示したときには、この画面にある情報が参照されているのです。

この画面は、共有メニューのカスタマイズにも利用できます。左端のチェックを外すと、以降共有メニューを表示したときにはそのアイコンが表示されなくなります。

アイコンの並び順も変更できます。変更したい項目を上下方向へドラッグすれば、次回の表示からはドロップした並び順でアイコンが表示されるようになります。

  • アイコンの表示/非表示や並び順をカスタマイズできます

  • デスクトップでも共有メニューを

共有ボタンはアプリのツールバーに用意されていますが、デスクトップ上のファイルを操作対象にする場合、そうはいきません。Finderを使い(フォルダとして)デスクトップを表示する手もありますが、効率的ではありません。

デスクトップ上のファイルを共有メニューで操作したい場合には、Controlキーを押しながらそのファイルをクリックします。現れたコンテキストメニューに「共有」項目があるはずですから、その下位にあるアイコンをクリックすれば、Finderで操作したときとまったく同じ効果を得られます。

  • デスクトップではコンテキストメニューを利用します

  • 「メール」アプリの内容をリマインダーへ登録

「メール」アプリにおける共有メニューの用途は、メール全体ではなく、メールに含まれる文章や添付ファイルとなっています。ツールバーに共有ボタンが表示されていないこともあり、使いみちがわからないという人も多いのではないでしょうか。

もちろん文書や添付ファイルの用途はいろいろありますが、操作がかんたんで使い勝手がいいという意味では「リマインダー」がお勧めです。メールに含まれる適当な文字列を選択してControl+クリックし、現れたコンテキストメニューの「共有」にある「リマインダー」を選択してみましょう。

このように操作すると、メールの件名がタイトルで選択した文字列が本文というリマインダーが作成されます。しかも、操作対象にしたメールへのリンクが自動的に設定されますから、どのメールがニュースソースかすぐに確認できます。iCloudメールを対象にした場合、iPhone/iPadでも同様に操作できるので、一石二鳥です。

  • メールの件名がタイトル、選択した文字列が本文というリマインダーが作成されます

  • iCloudメールを対象にした場合、同じアカウントを使用するiPhoneでも作成元のメールを参照できます