フォルクスワーゲン「ゴルフ」にディーゼルエンジン搭載モデルが追加となったので、クルママニアでありディーゼルエンジン愛好家でもある安東弘樹さんに試乗してもらった。意外にもゴルフを所有したことがないという安東さんだが、このクルマの評価やいかに。

※文と写真はマイナビニュース編集部の藤田が担当しました

  • フォルクスワーゲン「ゴルフ」と安東弘樹さん

    安東弘樹、「ゴルフ」のディーゼルエンジン搭載モデルに乗る!

フォルクスワーゲンのゴルフは、1974年に誕生した同社の主力商品だ。いわゆる「Cセグメント」に分類されるゴルフは、同セグメントのベンチマークと見なされるほどの高い評価を得ている。フォルクスワーゲンが現行型ゴルフを日本に導入したのは2017年のこと。ゴルフ自体はモデルチェンジを目前に控えていると聞くが、モデル末期のこのタイミングでディーゼルエンジン搭載車が登場した。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフ」のディーゼルエンジン搭載モデル

    新たに追加となった「ゴルフ」のディーゼルエンジン搭載モデル。試乗したのは「Golf TDI Highline Meister」というグレードだった

今まで所有せずにきた定番商品「ゴルフ」

編集部(以下、編):安東さんはこれまでに40台以上のクルマを乗り継いできたとお聞きしていますが、意外にも、ゴルフを所有したことはないそうですね。

安東さん(以下、安):ないんですよ。なんでないんだろう?

最初に買ったクルマがホンダ「シティ ターボ2」で、その後はスキーの楽しさに目覚めたこともあって、しばらくはSUVがメインになりました。会社に入って数年後には、残業も格段に増えて、2台のクルマを同時に所有できるようになったんですが(笑)、「SUVと、もう1台」という時に、ゴルフが選択肢に入らなかったというか。もっと小さなクルマかスポーツカーが自分の求めるものだったので、気づけば所有せずにきたという感じですね。

:今後の可能性はいかがですか?

:「e-ゴルフ」(電気自動車)か「ゴルフ GTE」(プラグインハイブリッド車)だったら、あるかもしれません。ただ、例えばですが、ポルシェ「911 カレラ 4S」(現在の愛車)を持ち続けて、もう1台は「シャラン」(フォルクスワーゲンのミニバン。ゴルフの前にディーゼルエンジン搭載車に試乗)を購入するとして、3台目を選ぶとなると、小さくて燃費がよくて、普段使いができるクルマになると思うんですね。そうすると、ゴルフを持つということにはなりません。それだったら、フィアット「500」やミニのディーゼル、もしくはBMW「i3」あたりが選択肢に入ってきますね。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフ」のディーゼルエンジン搭載モデル

    ディーゼルエンジン搭載モデルの価格(消費税10%込み)は、ハッチバックの「ゴルフ TDI」が323万円~391万円、ステーションワゴンの「ゴルフ ヴァリアント TDI」が337万円~405万円。ちなみに、ガソリンエンジンを搭載する「ゴルフ TSI」は253万9,000円~359万9,000円、「ゴルフ ヴァリアント TSI」は293万9,000円~369万9,000円だ

:ゴルフとディーゼルエンジンも、相性はいいですね。ただ、ユーザーの使い方次第というところもあります。このクルマを家族の送り迎えとか買い物にしか使わないとしたら、ディーゼルエンジンの特性はいかせないですからね。

:ディーゼルエンジンは高速巡航での燃費が良くて、使う燃料はガソリンに比べて安い軽油ですから、距離を走るユーザーの方が、より多くの恩恵を受けられるということですね。では、クルマ1台で全てをこなしたい、というような人には、ゴルフのディーゼルエンジン搭載モデルはオススメできそうですか?

:そうですね、長距離を乗る機会があるのであれば。

:ゴルフは評価が固まっていますから、人からクルマ選びの相談を受けた場合でも、提案しやすいクルマでしょうね。

:まあ、間違いないクルマではありますよね。ただ、私だったら、同じ価格帯であれば「C4ピカソ」(シトロエン)のディーゼルエンジンモデルあたりを紹介しちゃうかな。もちろん、フォルクスワーゲンに比べればシトロエンはディーラーが少ないので、近くにディーラーがなくて不安、という方には勧められないのですが……。「1回は見てみてください!」という風にお話しますね。

:「ゴルフであれば間違いないだろう」と決めてかかっていて、ほかの選択肢に目がいっていないような人には、C4ピカソなどを1度、見てみてもらいたいと。

:その通りですね。

:ゴルフは大定番って感じがしますもんね。

:このクルマに乗っていても、人を驚かせることはできないでしょうが、C4ピカソあたりだと、「面白いクルマだね!」といってもらえるかもしれませんよ。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフ」のディーゼルエンジン搭載モデルを運転する安東弘樹さん

    同じ価格帯で人に勧めるのであれば、間違いのない定番商品「ゴルフ」よりも、シトロエンの「C4ピカソ」を紹介するという安東さん

愛車のポルシェは10年目、次に乗るクルマは?

:では、安東さんがクルマを1台しか持てないとしたら、いかがでしょうか? ゴルフが1台あれば、どこにでも行けて、何にでも使えそうな気もするのですが。

:1台だったら、今乗っているメルセデス(「E220d 4MATIC オールテレイン」のこと。ディーゼルエンジン搭載)かな……。ただ、やっぱりマニュアル(MT)のスポーツカーは欲しいですね。マニュアル車を持っていないという状態を、これまでの人生で経験したことがないですし、絶対に必要なものですから。

:愛車の「911 カレラ 4S」は、右ハンドルのMT車でしたよね。

:気になるのは今度の「911」なんですが、まだ、MT車を販売するというニュースが伝わってこないんですよね。

:この間、日本でも予約受注が始まった新型「911」のことですか。

:はい。本国でも、今のところ新型911のMT車は発表されてないんですよ。高いので、おいそれと買えるクルマではないんですけど、もし経済的に余裕があったとしても、MTがなければ絶対に買わないので。

そういう事情もあって、この間、ジャガー「F-TYPE」(スポーツカー)の見積もりを取りに行ってしまいました。

:そういう選択肢もあったんですか!

:F-TYPEって、実はMT車が用意されているんですよ。ただ、ポルシェよりは安いですけど、消費税が10%になっていることもあって、やっぱり高いですね。自分が欲しいオプションを全部付けて、諸経費を全て合計すると、コンバーチブルのMTで1,600万円、クーペのMTで1,400万円くらいになりましたから。しかも、クーペも2人乗りなんですよ。

:そうすると、クーペとコンバーチブルは、ただ屋根が開閉できるかどうかの違いだけですか。

:ええ。クーペもコンバーチブルも、シートのすぐ後ろが壁になっています。

  • ジャガーのスポーツカー「F-TYPE」

    安東さんが見積もりを取ったと明かしたジャガーのスポーツカー「F-TYPE」

:新型「911 カレラS」の価格は発表されていますが、「素」の「カレラ」の方が日本でいくらになるかは発表になっていないんですよ。オプションをたくさん付けることになるし、1,500万円では多分、納まらないでしょうねー。次も「911 カレラ 4S」にすると、2,000万円を超えちゃいますよ(※)。

※編集部注:新型「911 カレラ 4S」の価格は1,772万円から

:今はメルセデスとポルシェをお持ちだと思いますけど、その「スポーツカー枠」は今、買い換えを検討する時期にさしかかっているんですか?

:所有している「911 カレラ 4S」が丁度、10年目なんです。以前のように、10年以上所有すると1年ごとに車検、ということではなくなりましたので、まだいいかなとも思うんですけど。F-TYPEの見積もりは、一応取ったという感じですね。

でもね、F-TYPEの世界観は、すごくいいんですよ! ステアリングの形なんか、自分のクルマよりも圧倒的に格好いいですし。今の「997」(安東さんが所有しているのは997型と呼ばれるポルシェ911)って、ステアリングの形だけが許せないんですよね。なんか、ぼてっとしてて。

:ステアリングの形ですか! そうか、乗ると常に目に入りますもんね。

:その度に、ちょっとガッカリしますよね。F-TYPEの方が断然、格好いいんですよ。ちょっとフラットボトムで。

なので、スポーツカー枠はポルシェ、と決めているわけではないですね。ただ、MTじゃなければ意味がないです。

:この間、ルノーの「メガーヌ R.S. トロフィー」が気になっているとか、おっしゃってましたよね!

:そうでしたね。ただ、あのクルマはあまりにも「カリカリ」すぎるので、普段使いができるかどうか、ちょっと微妙ですよね。それだと困るかな。

  • ルノーの「メガーヌ R.S.」

    安東さんには以前、「メガーヌ R.S.」にも試乗してもらった

担当編集の興味が先行しすぎて話は脱線気味になってしまったが、ゴルフのディーゼルエンジン搭載モデルについては安東さんも好感触を得たようだった。

試乗中、安東さんがしきりに感心していたのは、ゴルフのメーターパネルだ。デジタルとアナログの双方がそろうスピードメーターのほか、走り出してからの平均燃費や走行可能距離など、さまざまな情報が表示されているにも関わらず、とても見やすいメーターだったという。安東さんは「私がマニアックだからかもしれませんが、走っている時にも、いろいろな情報を知りたいんですよ。そういう意味では、私が知る限り、フォルクスワーゲンのメーターは最もよくできていますね」と話していた。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフ」のメーターパネル

    「ゴルフ」のメーターパネルは情報が豊富で見やすいと安東さんはしきりに感心していた

それにしても、なぜフォルクスワーゲンジャパンは、もうすぐフルモデルチェンジするゴルフに今更、ディーゼルエンジン搭載車を導入したのだろうか。ずっと気になっていたので、同社広報に聞いてみた。

広報によると、歴代のゴルフは、モデル末期を迎えると「熟成のワインのように」売れ行きを伸ばしてきたそう。同社としては、このタイミングで現行型ゴルフの商品ラインアップを拡充し、顧客の選択肢を増やしたかったのだそうだ。

著者情報:安東弘樹(アンドウ・ヒロキ)

1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。