学生時代の勉強や部活で、「何時間頑張った」「何回以上取り組んだ」といった時間や回数が継続する上での1つの目標になったという人も多いでしょう。では、皆さんは貯蓄や節約を行う上で何か目標になるものはありますか?

もちろん、貯蓄額を目標にすることが一番分かりやすいのですが、人生にはさまざまなライフイベントがあり、年齢や世代によっては支出の多い時期が続き、必ずしも順調に増えていくばかりとは限りません。

成果として確認できないと継続できず、長く続けなければ貯蓄や節約はあまり意味がありません。そこで実際の貯蓄額以外で何かモチベーションを保てるような、気軽に設定できる目標があるといいですよね。

  • 貯金を長続きさせるには?

貯金上手は睡眠上手

国際的なベストセラーとなった書、『THE RULES OF WEALTH(富の原則)』(Pearson Education)では、「お金を管理することより難しいものが、自分を管理することだ」とあります。

言い換えれば、自分を管理できるようになればお金を上手に貯められるのではないでしょうか? また、同書ではお金を貯めることができる人は、「仕事を楽しむことができ、そして夜しっかり寝ることができる」ともあります。

自分を管理することと、夜しっかり寝ること。これを合わせて「睡眠時間」を1つの目標にしてみるのはいかがでしょうか?

例えば夜遅くまで外で遊んだり、飲み歩いたりすると当然その分、支出は増えてしまいます。終電を逃せばタクシーや宿泊などさらに追加でお金もかかります。睡眠時間が短くなると、次の日の生産性や集中力が低下して、仕事で良い成果を出せないかもしれません。自営業の人であれば売り上げに直結しますよね。

また、昼夜逆転の生活をしている人もいると思います。仕事柄、仕方ないという人もいるかもしれませんが、人間は、日中活動し夜しっかり寝た方が良いと言われています。体調を崩すと仕事を休むことにもなり、病院や薬代もかかりそうです。

こうやって見てみますと、しっかり夜一定の睡眠時間を確保することはお金を貯める上で重要な要素の1つだと感じませんか? 「1日7時間」など目標を決め、その睡眠時間を確保することができていればOK。新たな目安や目標が加わることで毎日楽しく家計管理と向き合えそうです。

早起きの大切さ

数々の名言で有名なアメリカ合衆国建国の父とされるベンジャミン・フランクリンも「早寝早起きは、健康、富裕、賢明のもとである」と残しています。また、皆さんご存知の「早起きは三文の徳」という言葉もありますよね。

早起きをすればその分、睡眠時間が短くなるのでは? と思われるかもしれません。でも大丈夫。私も早起きを心掛けていますが、早朝から集中して仕事に取り組むと、自ずと夜はすぐに眠たくなります。夜更かしも減り、結果、睡眠時間の確保につながりますよ。

早朝がビジネスや資産運用のキーワード

ただ、「三文の得」というのは現在の価値ではわずか数十円で、「早起きしても大した成果にはならない」という意味で解釈されることもあります。そこでただ早起きをするだけでなく、ぜひ15分でも30分でも確保してやってもらいたいことがあります。それは、その日の欧米市場の動向チェックです。

外国為替市場は24時間世界中で取り引きされていますが、株式市場や主たる経済取り引きは日本時間の夕方からイギリスやドイツなどのヨーロッパ市場が開き、日本時間の夜遅くにアメリカ市場が開きます。

そして日本時間の早朝は、欧米市場の取り引きが終わったばかりというタイミング。世界経済の中心を担う欧米市場は私達が寝ている間に取り引きされているのです。その間、重要な経済指標が発表され、要人がインパクトある発言をしているかもしれません。

新聞にも載っていないような最新情報をチェックすることは、ビジネスにそして資産運用に大いに役立ちそうです。


「自己管理できる=お金を上手に管理できる」と信じて、あまり貯蓄額にこだわらず、ぜひ、睡眠時間や起きる時間など、日々の自己管理につながる目標を設定してください。きっと大きな成果につながっていきますよ。