OWAはWebブラウザで利用できるOutlookです。Webブラウザでメール送受信を中心したクラウドサービスを利用するという点では、GoogleのGmailとよく似ています。デザインはOutlookやWindowsメールのユーザーであればさほど違和感なく使えるでしょう。Outlook 2013の基本機能はほぼ網羅していますが、細かいオプション設定や、さまざまな「操作」は、おおむねOutlook 2013を使った方が快適です。

なお、Outlook 2013を使っていると、OutlookのキャッシュとExchange Online(Office 365のExchange Server)のメールボックスの不整合が発生したり、なかなかメールボックスの情報が更新されなかったりといった、同期に関するトラブルが発生することがあります。このような場合は、Outlook Web Appの方が安定して利用できます。

OWAのデザイン

新しいOWAでは、各サービスの切り替えがウインドウ上部にタブのように配置されました。「Outlook」がメール送受信やメモ、「予定表」は文字通り予定表、「People」が連絡先(アドレス帳)となります。

OWAのデザイン

左側にはフォルダ一覧を表示し、次に選択したフォルダに保存されたアイテムの一覧、右側にはアイテムのプレビューを表示します。Lyncで在席情報を確認できる相手の場合は、相手先の在席情報を色で表示します。また、相手先名をクリックすることで、Lyncを起動してすぐにチャットや通話、ファイル転送などの機能を利用できます。

Lyncを起動してすぐにチャットや通話、ファイル転送などの機能を利用できる

自分の在席状態を手動変更するには、自分のユーザー名をクリックします。

自分の在席状態を手動変更

開いているアイテムに対する操作は、ウインドウ右上にある「…」をクリックします。

開いているアイテムに対する操作

OWAに対する設定メニューは歯車アイコンをクリックします。

OWAに対する設定メニュー

メールなどのアイテムを検索するには検索ボックスを使用します。新しいOWAでは、検索ボックスの下の「すべて」「未開封」「自分宛」「フラグあり」をクリックして、未開封アイテムやフラグを設定したアイテムに絞り込めます。

アイテムの検索

さらに、検索ボックスではAQS(Advanced Query Syntax)を利用できます。残念ながら日本語には完全に対応していませんが、「from:ayaka」でayakaからのメール、「sent:last week」で先週のメール、というようにより高度な絞り込み検索が可能です。

絞り込み検索

※OWAのヘルプを開くと日本語でAQSキーワードが表示されます。しかし、実際に日本語でAQSを入力すると正常に動作しないため、英語ドキュメントを一括機械翻訳した結果、本来英語で使用するキーワードが日本語の単語で表示されているのではないかと思われます。

予定表

以前のOWAでは予定表の表示がかなり制限されていましたが、新しいOWAではアプリ版Outlookに近い表示ができるようになりました。

自分の予定を登録するだけでなく、同じ予定の参加者を招待できます。

(1)「予定表」の画面で、予定を追加したい日をダブルクリックします。

予定を追加したい日をダブルクリック

(2)「イベント」や「場所」、会議の時間等を入力し、右側の「+」をクリックして、「出席者」に参加者を登録します。最後に「送信」をクリックします。

参加者の登録

※Office 365やWindows 8以降の新しいデザインでは、設定項目の追加は「+」、項目の削除は「-」をクリックします。

参加者は、受信したメールで「承認」、「仮承諾」または「辞退」をクリックします。「承諾」または「仮承諾」をクリックすると、予定表に予定を自動登録します。

参加メールに対する返信

People

連絡先はWindows 8/8.1と表現を統一してPeopleと名称が変わりました。単なる住所録ではなく、LyncなどのIMやSNSへの入り口として機能します。操作はOutlook(メール送受信画面)に似た感じで、左側で個人用連絡先(自分で登録した連絡先)かディレクトリ(Office 365の同じ組織のユーザー)かを選択し、ユーザー一覧から目的の連絡先やグループを探します。検索ボックスも利用できます。

連絡先

Windows 8/8.1でOffice 365を利用

Windows 8、Windows 8.1では、Office 365アカウントでWindows 8/8.1のメールとPeopleを利用できます。

特に軽快さが身上のSurfaceでは、OWAではタッチ画面での操作が難しく、Outlook 2013は重いため、Windows 8/8.1の標準機能を使ったほうが快適です。

(1)設定メニューを表示して、「アカウント」をタップします。

「アカウント」をタップ

(2)「アカウントの追加」をタップします。

「アカウントの追加」をタップ

(3)「Exchange」を選択し、Office 365のユーザー名とパスワードを入力します(間違って「Outlook」を選択しないようにご注意ください)。

「Exchange」を選択し、Office 365のユーザー名とパスワードを入力

Windows以外の端末でOffice 365を利用

Windows以外の端末でOffice 365を利用する設定方法については、右上のヘルプ「?」をクリックし、「電話またはタブレット端末でOffice 365を利用する」をクリックして参照してください。

Windows以外の端末でOffice 365を利用する設定

※お詫び
当連載の第3回、手順(16)の画像のSRVレコードの記述に誤りがありました。SRVレコードをDNSレコードの名称の欄に入力するとき、プロトコル名称も付加しなければなりません。たとえば sipのレコードを登録するときは、sip.mynavi365.com ではなく、sip.tls.mynavi365.comと設定する必要があります。お詫びして訂正いたします。

SRVレコードの入力

なお、当連載でLyncを利用するにはDNSサーバにSRVレコードの登録が必要と説明しましたが、LAN内の接続先であれば、SRVレコードがなくてもLyncでコミュニケーションできます。