【鎌倉 観光スポットレポ】長谷浅間神社 - 美と繁栄の女神を祀る緑豊…

鎌倉市役所の通りから長谷大谷戸交差点を曲がり、大仏様(高徳院)へ向かう道中に、実は神社があるのをご存じでしょうか。うっかりすると見逃してしまうような奥ゆかしさは、まるで御祭神の性格を表わしているかのようです。

というわけで今回はこちらの長谷浅間神社(はせ あさまじんじゃ)を紹介。もしよかったら、鎌倉散策ルートに加えてみてくださいね。

長谷浅間神社への行き方

迷ってしまう方が少なくないため、まずは長谷浅間神社への行き方を確認しておきましょう。

 

この電柱が目印です。カーブミラーやクリーンステーションとセットで記憶するといいでしょう。

路地をのぞくと、奥にこんな階段が見えるはずです。

看板をよく見ると、それぞれ浅間神社・浅間山公園と記されています。

坂道をどんどん上っていきましょう。

階段はまだまだ続きます。転ばないよう注意してください。

参道の中腹はこんな眺めです。緑豊かな谷あいに家が建ち並ぶ、鎌倉らしい風景と言えるでしょう。

この階段を上りきった鳥居がゴールです。左に見える石碑には、長谷浅間神社の由緒が記されています。

お疲れ様でした。ここまで大人の足で5分程度でしょうか。足元が凸凹しているため、焦らず上るようにしてください。

境内の左奥にはハイキングコースの入口があります。起伏が大きいため、ハイキングに適した靴や服装で臨みましょう。

長谷浅間神社の歴史

社伝によると、浅間神社の創建は江戸時代後期の1831~1845年(天保年間)と記録されています。もともとは大仏坂(だいぶつざか/おさらぎざか)の上に鎮座していたそうですが、近年信仰が廃れたためか、生い茂る草木に埋もれてしまいました。

現状を憂えた地元の人々が一念発起し、現在地への奉遷(神社をお移したてまつること。遷座)を決定します。かくして1915年(大正4年)3月7日に起工して4月3日に完成、そして5月1日に奉遷紀念式祭典が営まれました。

この時に境内を浅間山公園(あさまやまこうえん)としても開放しています。次世代を担う子供たちにも、神社に親しんでほしいという狙いがあったのでしょう。

しかし喜びも束の間、1923年(大正12年)9月1日に関東大震災が発生、境内が全壊してしまいます。それでも人々の信仰心が絶えることはなく、有志が力を合わせて1925年(大正14年)6月に復活を遂げたのでした。

以来百年以上の歳月を乗り越え、今日に至るまで人々の信仰を集めています。

長谷浅間神社の御祭神

こちらの長谷浅間神社には、富士山を神格化した浅間大神(あさまのおおかみ)が祀られており、日本神話に登場する女神・木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)と同一視されることが一般的です。

彼女は大山津見神(オオヤマツミノカミ)の娘で、邇邇芸命(ニニギノミコト)と結婚しました。父親の大山津見神は娘の結婚に際して、彼女の姉である石長比売(イワナガヒメ)も一緒に嫁がせますが、邇邇芸命は石長比売の容姿を嫌って追い返してしまいます。

大山津見神はこの仕打ちを嘆き、邇邇芸命に言いました。

「姉の石長比売は石のように長い命、妹の木花之佐久夜毘売は花のように美しい人生を司ります。あなた様にはどちらも差し上げたかったのですが、あなたは石長比売を拒まれてしまいました。よってあなたとその子孫たちの命は、美しいけれど儚く短いものとなってしまうでしょう」

それで邇邇芸命とその子孫の寿命は、花のように儚く短くなったということです。

長谷浅間神社の御神徳

容姿端麗子孫繁栄安産子育夫婦円満家内安全

木花之佐久夜毘売は花のような美貌と繁栄の女神として知られるほか、火の中で子供を出産したことから、安産や子育てのご利益でも信仰されています。

邇邇芸命と結婚した木花之佐久夜毘売は、翌朝妊娠したことを告げました。すると邇邇芸命は「いくら何でも早すぎる、きっと他の神と不倫していたのだろう」などと疑います。

邇邇芸命は疑いますが、木花之佐久夜毘売は不倫などしていません。そこで身の潔白を証明するため、彼女は産屋を建てさせて中に入り、入口を完全にふさがせました。

「これから産屋に火を放ってもらいます。もし私が潔白ならば、母子ともに健康でしょう。もし私が不倫をしていたならば、母子ともに焼け死ぬでしょう」

かくして産屋に火が放たれ、木花之佐久夜毘売は無事に3人の子供たちを出産したのです。そのことから、彼女は困難を乗り越える夫婦円満や家内安全の神様としても信仰されています。

境内ギャラリー

長谷浅間神社の境内には味わい深い見どころがあるので、いくつかピックアップしました。

天保九如の石碑

天保九如(てんぽうきゅうじょ)とは中国の古典『詩経(しきょう)』に由来する言葉で、ここでは浅間山公園の開設にことよせて、人々の健康長寿を祝福・祈念しています。

小御岳石尊大権現の供養塔

富士山の五合目に祀られている小御岳石尊大権現(こみたけせきそんだいごんげん)と、その眷属(けんぞく)であろう大小の天狗(てんぐ)を祀っている石碑です。この地に富士山信仰が根づいていた証と言えるでしょう。

参道に生える木

参道の途中に木が生えている、ただそれだけの光景ですが、そこには人々の優しさが感じられました。

通行の邪魔になっても伐ってしまわず、人間のほうが配慮して、木の成長を見守る姿勢が表れています。

アジサイの花

斜面の擁壁にはアジサイが植えられており、開花シーズンになると、参拝者を楽しませてくれることでしょう。

まとめ

今回は長谷浅間神社について紹介しました。

『鎌倉市史 社寺編』や『新編相模國風土記稿』ほか、鎌倉の神社仏閣を案内する書籍にも記述がないマイナー神社ですが、参拝すると緑豊かな境内に心癒やされることでしょう。

大仏様へ向かう途中、お時間と体力に余裕がある方は、ちょっと立ち寄ってみるのがおすすめです。

長谷浅間神社

参拝時間

24時間

ただし照明がないため、夜間の参拝は危険です。

バリアフリー

階段と段差が多いため、車椅子での単独参拝は困難です。

アクセス

所在地:神奈川県鎌倉市長谷5-11

鎌倉駅西口から徒歩17分(1.2km)

駐車場:なし(公共交通機関のご利用がおすすめです)

連絡先

管理元神社:御霊神社(鎌倉市坂ノ下)

電話:0467-22-3251

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